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チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007
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戯画よりバルドシリーズの最新作、バルドスカイゼロです。

 本作は、タイトルからも判るようにバルドスカイの前日譚。バルドスカイの主人公である甲がレインと共にドレクスラー機関の情報を求めて傭兵をやっている時代のお話。
 とはいえ、主人公は甲ではなく記憶喪失の青年・エドワードです。閉鎖された自治区域であるSASにおける、傭兵部隊フェンリルの分隊・スコールに拾われた彼が自身の記憶にも纏わるSASの謎に関わっていくストーリーです。


 バルドフォースから続くサイバーパンクの世界観ですが、今作ではその系譜であるバルドスカイの世界の中でもさらに特殊なSASを舞台としています。さらに続編ということもあってか、基本的な世界観の解説がバルドスカイと比べると丁寧では無かったように思えます。このため前作以上に取っ付きが悪い作品にはなっているとは思います。物語的には前作の知識が必須ということではありませんが、世界観の理解という意味で知っておいた方がいいだろうな、という感じ。


 ゼロでは、キャラクターデザインが一新されていて、漫画のジンキシリーズの作者でもあり、戯画のジンキエクステンドのキャラデザも務めた網島氏が担当しています。彼のキャラデザは元々好みだったので心配はなかったのですが、既存キャラの甲やレインのデザインもイメージを壊さずリデザインされていて良かったと思います。ただエドワードとさくらは、完全にジンキの両平と青葉。

 
 で、バルドシリーズといえばアクションパート。今回は丸ごと3Dになってグラフィック的にはパワーアップしました。しかし装備できる武装の数が6つになったり、回数制だったりで、コンボを考える方向性での楽しみはやや落ちてしまったように感じます。高低差の概念があり、新システムとしてジャンプがありますが、これは楽しさにつながることもなく面倒なことが増えただけという印象。概念自体はいいですので、もう少し爽快感があったら良かったですね。



 テキストとシナリオですが、ネタバレしない範囲での印象としては前作以上に人を選ぶだろうと思いました。SASという特殊な環境故ですが、割とどのキャラもスレていたり、乱暴だったり卑猥な言葉遣いをしたりというシーンが多いです。エドワードは無駄に喧嘩腰だし(作中でも何度も突っ込まれてますが)、特にさくらの口調なんかも好みが分かれるでしょうね。

 また物語とその展開についても、専門用語やらSASでの特殊技術(ガラテク)やらを駆使したシーンが多く、前述のキャラ達も回りくどかったり皮肉交じりだったりの語り口が多いため、置いてけぼりになる率が多かったです。


 そして注意すべき点が、バルドスカイゼロは単体で完結していないということです。私がダラダラとプレイしてるうちにいつのまにか正式に発表されていましたが、バルドスカイゼロ2が今後発売予定のようで、本編ではかなりの部分で謎や伏線が残されています。これからプレイされる予定の人は、この点を予め納得しておいた方が良いです。かくいう私もプレイし終わるまで分割商法だとは思っていませんでしたからね。


 プレイ時間は、ルート3つの割にはそれなりに長く、共通10時間+各ヒロイン5~7時間といったところでしょうか。トリのフランは少し長めのシナリオです。




総評:6点

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では、以下ネタバレ感想となりますのでご注意をば。




 ルートは3人ですが、咲良とケイをクリアしないとフランルートには入れない仕様。

 咲良、ケイ、フランの順でプレイするのがオススメですかねえ。というよりぶっちゃけ咲良ルートは、主人公の記憶にも関係ないし、SASの裏事情にも突っ込まないしで、パッケージ的にはメインヒロインっぽいのに一番割を食っている印象。キャラ的には結構可愛いのにね。しかしヒロインのために頑張るっていう方向性では咲良ルートのエドが一番カッコ良かった気もしますね。


 ケイルートでは、エドの記憶が戻ります。ケイはエドとは幼なじみで兄妹のような関係だったわけですね。故郷の養成施設に戻ったりとゼロでは珍しくスコール基地の外での立ち回りが多いルート。結局このルートでもあそこにバルドルマシンを放置したのは誰なのかとかが明らかにされません。


 トリのフランルートでは、ヴォータンやウォルラスの正体などは一応明らかになります。中佐とフランの関係についても決着が付きます・・・が、マレルが消化不良のままだったり、エドの脳内のチップについても結局判明せず。GT.ICE?だかが解放されると同調<シュミット・トリガ>という能力が使えるようで対象の過去を垣間見ることと同時にその適正能力も得ることが出来る、みたいな感じでしょうか。



 うーん、シナリオや設定含め色々と練られている印象はあったんですが、個人的にあまり楽しめなかったのが我ながら不思議なんですよねえ。やっぱり敵キャラに魅力が無かったからだろうか。ゲンハ様やジルベルトみたいに顔が見えないといくらフリントが狂ったような言動してもあまり狂気性を感じません。あとマクシーム大佐実は女性設定は必要だったのだろうかw

 まあ2が出ることも確定しましたし、前編という意味での感想はこのぐらいで。うーん現時点ではゼロ2をプレイするかどうかは結構悩みどころです。少佐に弄ばれるマスターのエロシーンあるならいいかな?(



 総評。サイバーパンクものとしての世界観の作り込みは凄いが、前作にも増してにわか置いてけぼりのシナリオ&癖のあるテキストによって非常に人を選ぶ作品。完全3Dになったアクションパートも一長一短。良くも悪くも既存ファン向けの作品。
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