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チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007
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 きゃんでぃソフトよりガンナイトガールです。つよきすで有名なメーカーですが、本作は打って変わったミリタリー要素のあるお話です。タカヒロ氏が脱退等きゃんでぃソフトも色々あったみたいですね・・・。アルファベット表記になっていたので、新ブランドだと思っていました。


 相次ぐ異常気象や経済活動、更に地下天然資源の利権を巡る衝突により『第二の冷戦』が米露二大国を軸に行われている2034年、日本の田舎町。桧森絢斗が通っていた学校は戦争の影響で生徒数が激減し、無期限の休校になってしまった。
陸上自衛軍に接収された校舎は軍人を育成する女子工科学校となり、絢斗もスクーリングの授業のためにそこへ通うことになってしまう。もともと軍が嫌いな絢斗だったが、「0教2区隊」の個性的なメンバーと新たな学校生活を過ごしていき…。

以上、wikiよりあらすじ引用。


 パケ裏や公式ホームページにもある「いずれ戦地に赴くあの人に、俺はなにをしてあげられるだろう」という主人公の独白が本作を象徴しています。

 ここから予想がつくと思いますが、物語中で、主人公が戦争に巻き込まれることはありません。光武みたいなロボットも出てきますが殆ど乗りません。ともすればネタバレになりますけど、これはむしろプレイ前に認識しておくべきだと思うんですよ。


 恐らく多くの人が陥った(私もその口)問題だと思うので、注意も含めて最初に述べておきますが、本作はあくまで「ミリタリー要素のある学園ドラマ」であり、マブラヴや群青の空を越えてのような本格的な戦争ものではないことをまず念頭に置いてプレイすべきです。たしかにピリピリした世界情勢の中の物語ですが、第三次世界大戦が始まっているわけではなく、米露の間で小競り合いがある程度の世界なのです。

 つまり戦争ものとして期待している人は肩透かしを食らう形となってしまいます。いつ戦争が始まって第0教隊が実戦投入されるんだろうなーとか思っているとかなり期待外れの内容となってしまうので、そこだけは注意しておくべきだと思います。



 ということで、感想にまいりますが、まずは、シナリオ以外の各要素。

 プレイ時間は、共通ルートが6時間で各ヒロインルートも大体6時間程度。既読スキップを使ってもヒロイン5人分で、30時間は超えますねー。プレイ時間的には十分と言えるでしょう。


 グラフィック。キャラデザは肉感的なデザインの方で、ハマる人にはハマりそうですね。私的には服のディティールが少し雑だった印象は受けましたが、基本的にはアップにも耐えられる立ち絵で完成度は高かったと思います。あと原画さんの特徴なのか、主にHシーンとかで、ヒロインの口があわわわというか波線の口になることが多かったのですが、個人的にはちょっと苦手w やー可愛いっちゃ可愛いんですが、頭身が低くデフォルメされたデザインならよかったんでしょうけど、頭身がそこそこ高く、肉感的なヒロインなため、なんだか違和感を感じてしまったんですよね。

重要なシーンでは、アニメーションもしたりで、それなりに凝っていたとは思います。


 BGMは可もなく不可もなく。耳に残るタイプではありませんが、特に不快に感じたこともありませんでした。





総評:6点


 では、シナリオ。以下ネタバレ全開となりますので、ご注意をば。











 


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 まずは、シナリオそのものよりもそれを構成するテキストの癖と主人公について。

 巷で色々と言われているように、主人公は、軍の研究施設の重要ポストに母親がいるという点を除けば、歳相応の本当に普通の学生。小夜子が出会った時から既に主人公に惚れていたりという伏線から、実は主人公もオーバードの1人だった!なんて展開はもちろんありません。
 そして実際に物語の主人公らしい活躍をするのは小夜子ルートのみといってもいいぐらい無力な人間です。はっきりいって気に入らない点は多い。


 性格。絶賛母親への反抗期真っ最中で、彼女が絡むとヒステリー気味になります。軍人嫌い&世間知らずで、ヒロインの神経を逆なですることもあります。思い込みが激しい子で、陰謀論を本気にして暴走したり、時にはヒロインを疑ってしまいます。
 導入の軍事学校への編入時に、親友二人の意思も聞かず勝手に断っていたあたりで、あれ?こいつダメじゃね?という見方になっちゃったんですよね。ゆいにゃんはともかく庫元なんてミリオタなんだから編入したかっただろうに。この自分で勝手に思い込んで余計なお世話をする性格は終始に渡り直ることはありません。

 口調がチャラい。くっくっという笑い方が鼻につく上、話し方が全体的に軽い、チャラい。~の多用やくだけた語尾など気に入らない人は既にここでダメかもしれません。

 それでもそれが会話文だけで、地の文がまともな文体であったなら良かったのですが、この口調そのままで地の文も書かれているので正直辛いです。体言止めや連用止めの連発だったりで、主人公の幼稚さ、バカっぽさがそのまま地の文に漂ってる感じで印象が良くなかったですね。


 主人公の性格自体は、別に良かったんですよ。根はすごくイイ奴ですし、一途だし、面倒見も良い。上で述べた悪い点もちゃんと理由があってのことですし、無力なのはただの一学生なのだから当たり前。むしろ無力な一般人が主人公というのが作品コンセプトなのでしょうから、そこを全否定してしまうのはお門違いだとは思います。
 故に口調からくる軽さ、チャラさだけでもなんとかなったらかなり印象が違ったと思うんですよね。逆に言うとこの主人公を許容することが出来るか否かが、本作の評価に直結するといっても過言ではありません。




 日常シーンに関しては、幼馴染ーズ二人との掛け合いを始めとして、中々テンポの良いものが多く天然で空耳アワーのましろ、ツンデレの志乃、ドMの恋歌とそれぞれ個性を出せていたと思います。ただ逆に言うと、日常シーンが豊富すぎるのかもしれません。とても戦時下の訓練校とは思えないほどにノリが軽い。この辺りも本格的なミリタリーものを期待していると、ガッカリしてしまうところでしょうね。一応軍事訓練校らしい内容の授業も色々とやるのですが、本格的とはいえない軽いものが殆ど。なにせ一般人を交えて出来る程度の訓練しか行いませんからね。

 とはいえ、専門的な軍事訓練が少ないことにもちゃんと理由が用意されています。


 このようにプレイしていて不満に感じたり、気になったり、期待していた展開にならなかったりと問題が色々とあるのですが、その殆どには理由があり、最終的には明らかにされますので、単なる否定材料として捉えるのは酷な気もします・・・が、理由があるなら不満があっても我慢してプレイする、というのはまた違う気もします。疑問点はいいが、不快点はもう少し工夫が欲しかったって感じでしょうかね。

 




 

ヒロインズは殆どが・・・というか班長以外は全員病んでいるようなもので、そういう意味では個性的でした。作品の根本的な謎は、小夜子ルート以外は、全て謎のまま幕を閉じるので物語的にはなんとも煮え切らない感じではありますが、各ルートにおけるヒロインの決断の差が面白いですね。というか多分これを書きたかったんだろうな。


 ましろルートでは、主人公を守りたいという思いから戦地に赴くヒロインを。志乃ルートでは、軍人としての資質がないことを悟り、仲間だった人たちが胸を張って戦えるよう、精一杯前向きに、幸せに生きるヒロインを。恋歌ルートでは、戦場から離れられない異常なヒロインを。 
 この3人のルートではヒロインそれぞれが選んだ道が違うわけですが、主人公は彼女らの意思を汲み、待ち続けます。恋歌ルートは、恋歌の異常さを変えるのではなく、受け入れるという選択をしますが、ここはカッコ良かったですね。

 そして環ルートでは、そこから一歩進み、主人公がヒロインと共に戦うことを選択します。これは単純に主人公が前3人ルートよりも成長した、という訳ではなく、あくまで環と過ごした時間とまがりなりにも強化外骨格を操縦した経験云々があっての決断なので、どちらが正しいという問題ではありません。主人公が軍人と関わったことで、どういう影響を受けたのかということですね。



 このあたりのテーマ性というのは、無力な一般人である主人公だからこそ表現出来る部分であったと思います。逆の立場だった場合、つまり主人公が軍人で、ヒロインズが一般人としたら、こういう多様なケースを見ることはなかったんじゃないでしょうか。



 トリの小夜子さんルートは、解答編というか、今までのシナリオの謎が全て明らかにされるルート。攻略もルート管理されて最後にしか選べないようになっています。

 特にわかりにくくしていた訳でもないので予想済みの人も多かったとは思いますが、夜刀の中には小夜子さんがいました。私は、夜刀の大きさがいまいちちゃんと把握出来ていなかったので、人が入れるぐらいの大きさだったんだなーと驚き半分でしたねw 夜刀と小夜子の行方は必ず何らかの関係があるとは思ってましたので、ラボから遠隔操作をしているのか、某ゲームの初代のように、脳だけ移植されている、みたいなのを予想していました。まあ後者だと悲劇性は増しますが、Hシーンどうすんのよという最大の問題点があるので、どちらかといえば前者寄りだと考えていましたけどねw


 そして小夜子さんの存在が主人公にバレた時点で、一旦拘束され小夜子さんと母親からラボの真実を聞くことになります。この真実というのも別段驚くような衝撃の事実があるわけではなく、ラボではオーバードの実験を行なっていたこと、ましろ達3人は、テストケースのためにあえて未熟で精神的に問題のある生徒を集めて実験していたこと、そして北海道の事故はアメリカの衛星兵器の事故であること、戦闘機の事故はラボの実験失敗によるものだったことが明らかになります。

 本格的な軍事訓練が少ないのも、優秀な軍人ではテストケースとしてそぐわないからだったわけですね。一般人と同じ学校に通わせたのもその辺りの理由です。

 主人公の村で1年前に起こったという事故については言及されていませんでしたが、この流れからするとラボ絡みとしか考えられませんね。この事故によって過疎化が進み、工科学校として校舎を徴収したり、軍の機密でもあるラボの試作機の実験をおおっぴらに行うことが出来るようになったわけですから。あまり考えたくない可能性としては、小夜子が主人公への恋慕故に起こしたというのもあります。もしくは実行犯だけはシックスだった可能性もありますね。


 で、同時に小夜子からは主人公にとって衝撃の事実が告げられます。小夜子からの無償の愛の由縁。明示はされていませんでしたが、小夜子は、主人公の父親の浮気相手の娘ということが判明します。つまりは異母姉弟。母親を失った彼女は、父親が体よく利用するため実験材料としてラボに連れて来られたというなかなか壮絶な人生を歩んできていたわけです。
 憎むべき父を除くと、小夜子と血の繋がりがあるのは、主人公のみ。特殊な環境で育った彼女は幼い頃に一度だけ出会った主人公への思いを募らせる一方だった。


 なんやかんやあって異母姉弟であることも引っ括めて受け止める覚悟をした主人公でしたが、ラボへの不信感からシックスを中心としたクーデターに巻き込まれていきます。このクーデター自体はどのシナリオでも発生しているのですが、それぞれ微妙に状況が違っていましたね。一応オーバードの優位性を示すというのが建前上の理由ですが、実際は、シックスの小夜子への横恋慕による癇癪みたいなものだったことがわかります。
 ましろ達試作1~3号機はよってたかってシックスの0号機を倒そうと躍起になりますが、主人公に見せ場を作るためか、活躍を見せながらもあえなく返り討ち。幼馴染ーズの協力と小夜子=夜刀のレールガンによってなんとか撃破。引き金を引いたのは主人公でした。しかしエネルギーの使いすぎでシステムがダウンしてしまった小夜子は意識が戻らず寝たきりのまま半年。
 幼い頃の小夜子との過去を思い出した主人公が、成長した自分を見せたをきっかけに目を覚ました小夜子さんでした。


 といった感じでFin。小夜子ルートは伏線回収の嵐であり、前4人にあったような、「いずれ戦地に赴くあの人に、俺はなにをしてあげられるだろう」という問いの答えが存在しません。なんというかある意味斬新というか・・・オオトリのルートがおまけ的な扱いで終わるとは。

 目を覚ました小夜子さんは、恐らくまたラボの実験台にされるのか、主人公や主人公の母親によってなんとか見逃してもらうよう交渉するのか・・・など未来がよく見えません。自由を得られたとしても異母姉弟の関係である二人は法律上結婚することも出来ませんし。


 こういうわけで小夜子ルートはテーマ性よりもエンターテイメント性というか、物語をまとめるための物語で終わってしまった感がありました。ガンナイトガールというゲームの幕を閉じるためには必要ではあったのですが、正直本シナリオだけが浮いている感じはしますね。小夜子ルートにもなんらかのヒロインの選択や主人公の決断があれば良かったんですけどね。謎がサクサクと明らかになっていく爽快感や戦闘描写などの面白さは、他ルートと比べれば抜きん出ていたので余計に残念に感じましたね。




 まとめると、ましろ達3人と環ルートまでは、それぞれヒロインの決断、主人公の選択が描かれ、テーマ性は良かったですが、エンターテイメント的には消化不良。小夜子ルートはエンターテイメント性は優れていますが、テーマ性に欠けている、という印象です。
 とはいえ、全体的に内容が濃かった印象はなく、シリアスな展開になった後でも平凡な日常シーンが流れたりと、テンポが良くなかった感じはありますね。メリハリが薄い。




 主人公のどこに魅力を感じてヒロイン達が惚れたのか、という最大の謎が解けないのが痛いですね。チョロいったらありゃしない。そりゃまあ軍事訓練校で若い男と触れ合うこともなかったんだろうし、もう一人の男は既に彼女持ちだし、消去法で主人公にいかざるを得ないのは分かりますが・・・。まあそれでもましろと志乃はそれなりのイベントもこなしたし百歩譲って許そう。環班長もひと夏のアバンチュール的な感じだったしまあいい。しかし恋歌なんて惚れ易すぎじゃないだろうか。また、プレイヤーの感情を飛び越えて重過ぎる愛をぶつけてくる小夜子さんも過去の主人公との絡みが結局描かれないままなので、その想いは理解し難い。血が繋がっているという理由だけで、あれだけ盲目的に愛されても正直付いていけません。そりゃ悲惨な人生と特殊な環境で育って、普通の感覚を持ち合わせていないのはわかりますけど、だからといって共感出来るかは別です。主人公が肉体関係を持ってから恋愛感情を抱く展開も好きじゃないんですよね・・・。



 そろそろ総評です。一般人を主人公としたミリタリー要素ありの学園ドラマとしては、全ての要素が比較的高いレベルで構成されている。しかしエンターテイメントとして面白いと言えるのは1ルートのみであり、他のルートは世界観と設定からすると非常に地味な展開。
 主人公のキャラを受け入れられ、世界観に過剰な期待をしなければ十分に良作と言える内容ではあるが、ヒロインの癖が強いのもあって、非常に人を選ぶ作品。

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