チラシの裏に書くようなことを徒然と。
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オーガストより穢翼のユースティアです。このメーカーの作品ははにはに以来と長らくプレイしていなかったのですが、今作は今までのオーガストとは毛色が違うとのことでプレイ。たしかにオーガストと言えば割と急転直下でご都合主義なハッピーエンドという印象が強かったのですが果たして。
グラフィックはいつものべっかんこう氏。氏も某御大やらと同じくキャラの書き分けが出来てないことで有名ですが、これはもう好き好き。ただ今作は結構シビアな世界設定なので若干絵柄に悲壮感とかが足りない気はしました。
音楽は非常に高レベルで音質もいい。ただあまり主張はしてこない感じではありますが。
日常会話は可もなく不可もなく。まあ元々ここには期待してないし、あまりはっちゃけても世界観と合わないしここは仕方ないか。
世界設定はなかなか独特で面白かったのでそこは高評価ですね。
総評:7点
で、各シナリオ感想です。
章毎にヒロインが決まっていて、そのヒロインルートに入った場合、その章でエンディングになる構成のようですね。G線上の魔王みたいな感じ。割と好きな構成ではありますが、前半の物語があまり展開していない状態でのヒロインルートは影が薄くなりがちという欠点がありますかね。
1ルート5~6時間といったところです。
フィオネ
防疫庁・羽狩りの隊長で誇り高く高潔な人。
ティアを身請けする代金として牢獄を騒がせている謎の殺人鬼・黒羽を羽狩りと協力して捕獲する作戦に参加することになったカイム。そこで羽狩りの隊長・フィオネと出会います。娼婦への偏見やお堅い性格からカイムや牢獄の人々とも中々打ち解けることが出来ないフィオネでしたが、その誠実な人柄故か少しずつ牢獄に慣れていきます。
黒羽の事件は2つの事件が混同されており、羽つきを憎む羽狩り副隊長のラングが偽黒羽として動いていました。黒羽の正体は行方不明になっていたフィオネの兄・クーガー。彼は治癒院の秘密を探るべく活動していたところを捉えられ実験材料として犠牲にされていた。あーなんだっけ同じような話を見た記憶が・・・うーん・・・。巷を騒がせていた殺人鬼が自分の兄だった、みたいな。なんだったっけ。ま、まあお話としてはよくあるパターンではありましたね。世界設定がそれなりに魅力的なのでそこそこ楽しめましたが。
フィオネエンドでは、カイムの手によってクーガーの命を断ちます。フィオネが全てを背負ってしまわないように。彼女が自分の道を歩めるようになるまで傍に居続けることを覚悟して。ということでこっちのエンドではカイムイケメン過ぎワロタな内容ですw 傷心のところにあれは惚れるわw で、その後フィオネは防疫庁を束ねるルキウス卿に全てを伝え退職し、不触金鎖の用心棒として働くことに。一応その後ルキウス卿の働きによって不触金鎖自治による治癒院in牢獄が設置されて、かなり改善されたみたいですね。
うーんまあハッピーエンドなんですけどフィオネが結局何も考えないでカイムのところに転がりこんだのがなあ・・・彼女の性格上ルキウス卿に任せっぱなしになんてしなさそうなのに。それはTrueエンドの展開を楽しめということか。フィオネエンドのフィオネはカイムに完全に堕とされてるので無理もないかw
Trueの方ではカイムが定番の悪辣な態度を取ってフィオネを発奮させます。ちょっとあからさま過ぎですねw というかフィオネも後で真意に気付いてくれるものかと思ったらその後も騙されっぱなしという。
エリス
次はエリス。カイムに身請けされた過去を持つヒロイン。世界設定故にちょっと特殊なヒロインになってますが、主人公にベタ惚れな強気っ娘?って感じでしょうか。そしてヤンデレ。黒羽事件後の牢獄では麻薬の流行と不触金鎖の対抗馬である風錆が幅を効かせる状況になっています。それまでもあったのですが黒羽事件以後急速に広まった模様。
このシナリオはエリスが抱えるトラウマと主人公の過去がキーポイントとなります。ひょんなことからエリスとの同居生活に戻ることになったカイム。それは改めてエリスと対話し、自分自身の生きる道を探して欲しいというカイムの願望からだったのですが、それはエリスのトラウマを抉る結果となり精神に異常をきたしてしまいます。それは出会った頃の人形のエリスに戻ってしまったかのように。一方不触金鎖と風錆の抗争は激化し、数で劣る不触金鎖は次第に劣勢に押し込まれていきます。頭のジークはルキウス卿との会合で何とかする様子。しかし不触金鎖の幹部も無残な姿で殺され、一向に動かないジークに痺れを切らせた不触金鎖の一部は寝返ってしまい事態はさらに深刻に。エリスは風錆の頭・ベルクトにジークの情報を売り、カイムを怒らせ殺されようとする始末。
そんな中カイムも自問します。エリスを受け入れられなかったのは自分がエリスの両親を殺してしまったことの贖罪として身請けしたから。そう思い込んでいたカイムでしたが、そういった子供なら暗殺稼業の中で他にもいたはず。それなのに何故エリスだけを身請けしたのか。その根源は今際の際にカイムの兄・アイムから託された願いであり呪い。俺の分まで全うな人間になって欲しい。その約束を守れなかったカイムはエリスにそれを無意識に求めていたんですね。故に事あるごとに自分のための人生を生きてくれと願っていた。
この事件はジークの起死回生の作戦で風錆が瓦解し、幕を閉じます。エリスエンドでは、カイムはエリスに自分の気持ちを伝えます。エリスの事を何も理解していなかったこと。自分もまたエリスを通じて兄との誓約を果たしていた気になっていたこと。歪な形の出逢いではあったけれでもそれでもお互いを必要としたこと。そしてエリスと共に生きていきたいと。そのために、エリスに変わって欲しいと願います。時間が掛かっても人形から人間へ。そんなエリスの傍に居続けることを誓います。で、カイムとエリスは幸せになりましたとさ。
うん、中々面白いシナリオでしたね。エリスの抱えるものが予想していたのと随分違った感じだったからかもしれません。あと不触金鎖と風錆の抗争の描写も良かったし。サイが可哀想過ぎるけど・・・。
しかしオーガストだし予想はしてましたが、娼館を舞台の物語にしてる割にヒロインは処女ばっかりなのねw 物語的には娼婦という職業は肯定的に捉えられてる感じなのにヒロインはそろって処女とかないわ。これは流石に酷いわ。これから非処女ヒロインシナリオがあるのかもしれませんが、少なくともメインヒロインのティアは処女確定っぽいし。虚淵氏がプレイしてたら絶対ブチギレしてますよw 暴力描写はそれなりに頑張ってたと思いますが性描写的には全然でいまのところ娼館を舞台にしてる意味が感じられない。
コレット&ラヴィリア
聖女イレーヌことコレットとそのお付きであるラヴィリアのシナリオ。
ある日ヴィノレタを訪れたラヴィリア。聖女が天使の遣われた御子を探していて、それはティアであるという御神託をもらったことでラヴィリアが使いに出されたということですね。根拠も何もないその話を訝しみ、反対するカイムでしたが、ラヴィリアの一向に諦める気のない態度とティアの秘密を探るという最初の目的もあって渋々ながら聖女の呼び出しに応じることになります。
といった感じでコレットとラヴィリアルート。物語の舞台は牢獄から大聖堂に移り、最後の人類が住む世界ノーヴァスアイテルの真実やティアの不思議な力について少しずつ迫っていく展開になっていきます。コレットとラヴィリアは最後の選択肢でコレットを抱くか抱かないかによって変わるだけなのでシナリオはほぼ同一となります。うーんまあ正直このシナリオにおいては、カイムがこの二人に惚れるのがちと強引な気はしますがまあ好しとしましょう。
大聖堂では聖女から天使の御子であるティアを守るためここに滞在して欲しいと頼まれます。元々話を聞くだけの予定ではありましたが、聖女の願いやティア自身の思いもあってしばらくの間滞在することに。聖女のチェスの相手をしながらも平穏な日々が続きます。その中で聖女の置かれた状況、ラヴィリアの聖女への思いを知っていくカイム。しかし地震が頻繁にノーヴァスアイテルを襲い民衆の不安は募っていきます。天使の声を聞けなくなったという聖女は自分の信仰が真実であることを証明するため不断の祈りを捧げることを決めます。限界を超えてもまだ祈り続ける聖女。カイムは聖女の身を案じ様子を観に行きます。そこで語られる衝撃の事実。それは聖女の祈りは都市を浮かせることに何の影響もないこと。大崩壊は聖女の責任ではなかったこと。聖女の役割とは万が一何かが起きたときのスケープゴートとなることにありました。人々の憎しみを集めるために。カイムは先代聖女に救われていた、と聖女が言っていたのはこのことだったんですね。
・・・まあ正直プレイヤー側からすると最初から分かっていたことではあったんですが、ノーヴァスアイテルに住む人々にとってはまさに青天の霹靂なんでしょうね。浮遊都市・羽つきなどのファンタジー的要素はあっても魔法とかが普通に出てくる物語ではないので多分SFオチだろうなーと思って読み進めてます、いまのところ。地上に住めなくなった人類が科学の力を結集して浮遊都市を作った、みたいな感じ。ベッタベタですけどw
そんな中、ある事件が起こります。ラヴィリアが大怪我を負います。実は彼女は大聖堂に来てからすぐに羽つきを発症していました。それでも聖女の傍にいるため自ら羽を削いでいたのでした。それは想像を絶する苦痛。ラヴィリアが良く調子を悪くしていたのはこれが原因でした。カイムはすぐに治療出来る聖職者を呼びますが、羽つきには触りたくないと断られます。そしてティアは最初ににカイムが見たあの光を発現させラヴィリアの羽を消滅させ怪我を治す力を見せます。ティアの力は本物だった。聖女はその光景を見えない目で感知しており、それはティアが天使の御子であることの証明、そして自分の信仰が正しかったことへの確信へと繋がりました。早速この事実を民衆へと発表することを望む聖女。
この辺りは正直ちょっとカイムと同様にコレットにイラつきましたね。色々な思いがあったにせよ死ぬほどの大怪我をしていたラヴィを心配する素振りすら見せないとかちょっとどうなのよと。終盤で謝ったりしてましたけど逆に薄っぺらく感じたわ。
で、その発表の最中なんと崩落が牢獄を襲います。10年前のあの日と同じように。牢獄の半分がまた下界へと落ちていきました。精神的におかしくなりかけるカイムでしたがリリアンの娼婦達やエリス、ジークが無事であり危ういところで助けられます。しかしヴィノレタ・・・メルトはこの崩落の犠牲になってしまいました。あーオーガストでこういう立ち絵有りのサブキャラが死ぬとかが来るとは思ってなかったので意外とショックです。。。メルトのキャラも結構良かったのに。たしかに死亡フラグは立ってましたけど・・・。10年前は聖女に怒りを向けることが出来た。しかし真実を知ってしまったカイムにはその矛先がありませんでした。
民衆の怒りは爆発し、10年前のように聖女の処刑が決定される。ラヴィはコレットを助けるためにカイムに依頼をします。コレットを連れて逃げて欲しい、聖女の代わりは私がやるからと。カイムはその依頼を受けながらもコレットとラヴィ、二人を救う算段を密かに進めます。そしてコレットを無事逃し聖女処刑実行の日。ラヴィは最後にコレットが良く奏でていた竪琴の曲を演奏します。それは元々ラヴィがコレットのために奏でていた曲。コレットはその曲が、立場上疎遠になってしまったラヴィとの唯一の繋がりとなると信じ奏でていたのでした。その曲を聞いたコレットは駆け出し、ラヴィの元へと急ぎます。衛兵に止められるコレットでしたがそこをまたしても地震が襲う。ラヴィが立っていた場所は地震により崩落しますが、コレットはラヴィと共に崖下へと転落します。
で、二人は事前にカイムが不触金鎖に頼んで崖下に張っていた者達に助けられましたとさ。しかし今回の崩落によって4割の仲間を失ったジークの怒りは収まらない。カイムは決断を迫られます。
コレット&ラヴィルートではコレットの言う事が信じられないジークは彼らが二度と自分の前に姿を見せないことを条件に見逃してくれることに。ルキウス卿の力を借りて下層に住むことになった彼らは幸せに暮らしましたとさ。
Trueルートではノーヴァスアイテルが浮遊している謎を解くことを条件にカイムは下層へ。コレットとラヴィはジークに預けられることになります。
リシア
ノーヴァスアイテルの国王の娘にして王女。国王は重い病に伏せており、リシアは現状、国王代理としての立場にあります。
ルキウスの補佐官となったカイムは王城でリシアと出逢います。使用人に成りすましていた彼女に相応の態度を取ってしまったカイムは、その責としてリシアの話し相手になることに。ルキウスの目的はリシアを傀儡としてこの国を実質的に操っている執政候ギルバルドを失脚させること。それはこの都市の秘密を探るカイムの目的と合致していました。運良くリシアと話す機会を得られたカイムはギルバルドを妄信的に信じてしまい、この国の現状を理解していない彼女を説得する役目を担うことに。リシアに牢獄の話で興味を持たせ、お忍びで牢獄を視察させるカイム。苦しむ人々と荒廃した街。リシアは己の無知を知ることになります。順調にいっていたかのように思えたリシアの説得ですが、カイムが元殺し屋であることがリークされリシアの信用を失ってしまいます。しかしそれでもリシアに王としての自覚を持って欲しいと頼むカイム。
徐々に追い詰められるルキウスの陣営。カイムはティアに危険が及ばない内に牢獄へ戻ろうとしますが、ここでルキウスから衝撃の事実が語られます。それは10年前の大崩壊の時に交わした誓約。この世でただ二人しか知らないはずの遠い約束。ルキウスは大崩壊の時に生き延びていたカイムの兄・アイムでした。
・・・とはいえ、登場時からのカイムへの執着や、ギルバルドの面影が似ている発言等々から予想はついてましたが。しかしカイムは動揺し、牢獄へ帰るのは一時中断します。うーんいまいちカイムがアイムに対してコンプレックス全開で憎んでるのがよくわからんのですよねえ。いくらなんでも憎み過ぎじゃないのかとw カイムもいい大人になったわけですし、子供の時の恨み言を抱え込み過ぎな感じ。アイムの10年間が決して楽なもので無かった事ぐらいは想像出来ると思うんですがね。そもそもルキウスを助けないで都市の秘密を暴くことが出来なかったらジークに殺されるっていうのに私情挟んでる場合でもあるまいに。
で、渋々ながらもルキウスの協力をするカイム。リシアが刺客に襲われているのを助け、信用も少しは取り戻しました。しかし国王の病気をエリスに診断させたことが逆手に取られ、ルキウスは国王暗殺の罪に問われ逮捕状が出されてしまいます。その前に武装蜂起し、ギルバルド派との全面戦争を決意するルキウス。そのためには御旗となるリシアの協力が不可欠でした。カイムはリシアに王の自覚を持たせるために、説得します。全てを疑うこと。自分自身が正しいと判断したものだけを信じること。
リシアの協力もあり優勢な戦況にあったルキウスでしたが、ギルバルドの小飼の狂犬・ガウによって戦線は崩されます。そこでリシアはヴァリウス率いる近衛騎士団を説得します。王としての責任と覚悟をヴァリウスに見せつけたリシア。その姿にヴァリウスはリシアのために剣を振るうことを決める。
近衛騎士団の助勢によって戦線を盛り返したリシア。しかしギルバルドは王城の秘密通路を使い内部から王城を占拠する。王城に忍び込んだ一同を待っていたのはガウ。福音と呼ばれる黒羽化する薬を使い襲いかかる彼女。
ここで過去に選んだ選択肢によって展開が変わります。
ルシアルートでは、ヴァリウスとカイムがガウの相手をするために留まり二人の力でなんとか勝ちを拾います。そしてギルバルドを討ったのはリシアの細腕でした。
5日後、新国王の戴冠式。ヴァリウスが国王から託されていた手紙にはリシアが自分の実子ではないこと、それでもリシアを自分の後継者として推挙すること。それが記されていました。王冠を受け取るリシアはその中に何かを見つけます。それは幼い頃に父親にプレゼントした花の冠。拒絶され受け取ってもらうことが出来なかったはずの贈り物。そこには娘としてのリシアへの手紙が残されていました。それは娘としてリシアを愛していたことの証。リシアは涙し、新国王として戴冠する。
エピローグは国王としての責務に追われるリシアは一方でカイムに甘える。カイムは身分が釣り合わないことを悩んでいました。しかしそれでもリシアの国王としての覚悟と一人の女の子としてのカイムへの真摯な想いを受け、ルキウスの家の養子となることを決めたのだった。
といった感じでFin。うーむなんか段々と面白くなってきましたねw 戴冠式の花の冠は中々持って行かれました。リシア自体はそれほど好かないのですが。
Trueルートではヴァリウスが一人でガウの相手をするハメに。・・・何故ここで選択肢にしなかったのだろうか。ヴァリウスはガウと相討ちになり事切れます。執政候を追い詰める面々。浮遊都市の研究が行われていた塔でギルバルドから事の成り行きを聞かされます。
過去に愛し合っていた研究員の女性・クルーヴィスがネヴィル候に実験台にされたこと。彼女を蘇らせるために羽つきの人体実験を行っていたこと。10年前の大崩壊は彼女の蘇生実験によって引き起こされたこと。
ノーヴァスアイテルは天使の力で浮遊しているようですね。天使は塔の上部に囚われているようです。そして天使の力はもう弱りこの浮遊都市の寿命は尽きようとしている。SFオチかと思ったんですけど普通にファンタジーなのかしら。
うーんしかしてっきりリシアの本当の父親はギルバルドなのかと思っていたら何の関係もなかったぜ!システィナの父親ではありましたけどね。
ユースティア
いよいよオオトリのシナリオ。リシアの戴冠が済み、都市の研究はルキウス主導で続けることになりました。ノーヴァスアイテルを救う術は、ティアに託されます。
崩壊は止まらず、牢獄と上層の確執は深まる一方。さらにギルバルドの開かずの間で見た黒い粘液が下界から襲ってくる事件も多発。都市全体に広まる絶望。一刻を争う事態にティアの研究も厳しい物になっていきます。
ついに起こってしまう暴動。一度目の暴動はジークが諌めましたが、次の大規模な武装蜂起は、ジークが裏で糸を引きコレットを奇跡の聖女として御旗に掲げ一大勢力となります。その力によってフィオネが守る関所も破られてしまいます。国民同士で血を流させたくないリシアは無条件降伏を決めますが、ルキウスはリシアを捕縛し、指揮権は完全にルキウスのものに。ううーむ、リシアもルキウスもそれぞれの掲げる思想の基に動いているのでこの辺りルキウスを責めることも出来ないんですよね・・・。リシアの考え方も解りますが、この時点で無条件降伏しても何の解決にもならないことは明白なわけで。中々考えさせる展開ですね・・・。
そして10年前の大崩落以降の崩落については、ルキウスの意思で行っていたことが判明。メルトを殺したも同然のあの崩落が任意のものだと知ったカイムはその元凶であるルキウスに怒ります。しかしルキウスは凛とした態度を崩さず逆にカイムに問います。お前は何のために生きているのか?他人の感情に流され、思想に従う。そんな生き方をしてきたことを理解しており、何も言い返すことが出来ないカイム。
自分だけが出来ることをすること。それを自分の生きている意味だと考えたカイムは、ジークの潜んでいる館に単身忍びこみ、説得あるいは暗殺を考えます。そこで見たのは天使が囚われている塔での大きな光。ティアは天使の力を抽出することで徐々に天使そのものに近づいて行きました。もう時間がないことを悟ったルキウスは囚われの天使・初代聖女イレーヌの最後の力をティアに注ぎ、覚醒を促します。光を見たカイムは自分が本当に求めていることを理解します。ずっと辛い目にあってきたティア。そのティアがようやく見つけた使命は都市の犠牲になること。今も自分を助けるために苦痛と戦い続けている少女。その少女を犠牲にしてまで自分は生きていたくはない。そこに待っているのはきっと後悔の人生。
エリスに自由に生きろと言い続けてきた自分は、いつの間にかルキウスの思想に飲み込まれていた。カイムはついに自分の意志でティアを救うことを決意する。
天使の塔でルキウスと対決。ルキウスはアイムではなくあくまでルキウスとしてカイムと戦う。嫌いだったはずの兄。でも心の奥底では嫌いになりきれていなかった。カイムはルキウスを倒します。
ティアは聖女の言葉を受け入れ人類を滅ぼす怨嗟の言葉を吐き出す。最後にルキウスはカイムの背中を押します。人間の都市を、人間以外に滅ぼさせるな、と。
ティアを説得するカイム。体の一部を失いながらもティアを犠牲にしたくない、ただ傍にいて欲しいと叫ぶカイム。いつか夢想したように草原に家を立て一緒に暮らしたい。
ティアは意識を取り戻します。しかし下界からは黒い粘液が襲いくる。それは都市全体を覆い、ノーヴァスアイテルの終わりは目前に迫る。後悔がある、そう言ったティアは天使の力を開放します。今カイムを護れるのは自分だけ。それだけで生まれてきた意味があったと。
地表に落ちたノーヴァスアイテル。大地に満ちていたはずの粘液は全て浄化され周りに広がっているのは果てしない地面。ティアはイレーヌが浮遊都市に力を注いでいたときのようにこの世界に一体となって生き続ける。ティアを感じたカイムは歩き出す。彼女の守った世界を。
といった感じでFin。・・・時期が被ったせいもあってちょっとまどかっぽい終わり方に感じましたがw いやむしろフジリュー封神演義のが近いですかね。ううむしかしオーガストを侮ってましたよ。なんだかんだで大団円で終わるんでしょ?とか思っててマジすんませんっした。割と好みなエンディングでした。地表全ての黒い粘液が浄化されたのはちょっとご都合主義だとは思いますけど、ティアが頑張ってたからこのくらい許そうじゃないか。話は完全に一本道なので24話ぐらいのアニメにしたら結構良いものが出来そうな気がする。
というわけで穢翼のユースティア完了です。
中々骨太なシナリオでしたが、物語の舞台が牢獄、聖堂、上層、王宮と移り変わっていったので飽きずに楽しめた気がします。終盤ではどう収拾つけるのかと先の展開が気になりましたね。ルキウスの研究が上手くいってもティアが犠牲になる上に期限付きの平和。下界は黒い粘液に覆われ、地表に降りるわけにもいかず、八方塞がりだったんですよね。多少ご都合主義ながらもなんとかギリギリ納得出来るレベルでまとめたのは良かったです。
黒い粘液・・・というか過去の人類に何があったのかってところは大方ナウシカ的世界だと勝手に想像しています。黒い粘液は腐海みたいに地表の毒を吸っていた、みたいな。で、天使はその毒をエネルギーに変換する装置の役割。まあこの辺は謎が残りましたが語られなくても問題ないとは思いました。
一本道シナリオなのでどのルートが、という話はしにくいのですが、強いて言うならシナリオ的にはエリスとリシア辺りが好きですかね。キャラ的には・・えーっとメルトとシスティナ、かな?w 正直コレットもリシアも口ばっかり達者ってイメージが付きまとってどうにも・・w ティアとフィオネは可もなく不可もなく。Trueルートのエリスはかっこ良くて好きですね。
ルキウスは死相が出てて、やはり最後に立ちはだかるのか、と思いました。カイムの超えられない壁、超えるべき壁として終始活躍していましたね。時には肩を並べ、最後には対峙し。しかしもうちょっとシスティナとのラヴい所を見たかったなーと。ルキウスとシスティナの関係が切なくて好きなんですよ・・・。お互いの気持ちが分かっているのに成すべきことがある限り結ばれることがない。FDとかでルキウス視点のシスティナシナリオを用意してくれ。逆でもいいからマジで。アペンドの召使いのいない夜で少しだけ救われましたけどねw システィナの幸せそうな姿が見たいのですよ!
カイムは中々良い主人公でした。各ヒロインルートではカッコ良く。ティアルートでは色々葛藤をしながらも最後には自分の道を見つけ貫く。ルキウスに言われてこっちも気付くんですが、たしかにカイムの考え方って意外と周りの状況に流されてるんですよね。人格的にはそうは見えないのに結果的にはそう見える。カイムの行動の矛盾と心の揺さぶりを終始描き、最後に本当の自分の意思を見出させる。その辺りが上手いなと思いました。
あと、カイム役の声優さんもGJ。割と色々な顔を見せる主人公を見事に演じきっていたなーと思いました。
というわけでメモしながらプレイしたのでかなり長くなってしまいましたが、総評。
良作。重厚なシナリオを携え、読み物ゲームとしての魅力は存分に詰まっています。
欠点を上げるなら、シナリオの展開に予想以上のものが無かった事。ただしシナリオ自体は丁寧に作られているのでそこまでのマイナス点ではないですが。オーガストというメーカーに先入観が強い人はシナリオが意外だったでしょうね。私も完全なハッピーエンドがあると思ってたので。後はこれは酷かも知れませんが日常会話でもうちょっと笑わせてくれたらなーとか言ってみたり。別につまらなくはないんですけどね。
あと個人的に気に入らなかったのが結局ヒロイン全員処女じゃねーか!!ということでw まだメインヒロインの一人としてアイリスとかクローディアがいるなら納得出来たんですがね。娼館設定必要だったのかと問いつめたいわ。
防疫庁・羽狩りの隊長で誇り高く高潔な人。
ティアを身請けする代金として牢獄を騒がせている謎の殺人鬼・黒羽を羽狩りと協力して捕獲する作戦に参加することになったカイム。そこで羽狩りの隊長・フィオネと出会います。娼婦への偏見やお堅い性格からカイムや牢獄の人々とも中々打ち解けることが出来ないフィオネでしたが、その誠実な人柄故か少しずつ牢獄に慣れていきます。
黒羽の事件は2つの事件が混同されており、羽つきを憎む羽狩り副隊長のラングが偽黒羽として動いていました。黒羽の正体は行方不明になっていたフィオネの兄・クーガー。彼は治癒院の秘密を探るべく活動していたところを捉えられ実験材料として犠牲にされていた。あーなんだっけ同じような話を見た記憶が・・・うーん・・・。巷を騒がせていた殺人鬼が自分の兄だった、みたいな。なんだったっけ。ま、まあお話としてはよくあるパターンではありましたね。世界設定がそれなりに魅力的なのでそこそこ楽しめましたが。
フィオネエンドでは、カイムの手によってクーガーの命を断ちます。フィオネが全てを背負ってしまわないように。彼女が自分の道を歩めるようになるまで傍に居続けることを覚悟して。ということでこっちのエンドではカイムイケメン過ぎワロタな内容ですw 傷心のところにあれは惚れるわw で、その後フィオネは防疫庁を束ねるルキウス卿に全てを伝え退職し、不触金鎖の用心棒として働くことに。一応その後ルキウス卿の働きによって不触金鎖自治による治癒院in牢獄が設置されて、かなり改善されたみたいですね。
うーんまあハッピーエンドなんですけどフィオネが結局何も考えないでカイムのところに転がりこんだのがなあ・・・彼女の性格上ルキウス卿に任せっぱなしになんてしなさそうなのに。それはTrueエンドの展開を楽しめということか。フィオネエンドのフィオネはカイムに完全に堕とされてるので無理もないかw
Trueの方ではカイムが定番の悪辣な態度を取ってフィオネを発奮させます。ちょっとあからさま過ぎですねw というかフィオネも後で真意に気付いてくれるものかと思ったらその後も騙されっぱなしという。
エリス
次はエリス。カイムに身請けされた過去を持つヒロイン。世界設定故にちょっと特殊なヒロインになってますが、主人公にベタ惚れな強気っ娘?って感じでしょうか。そしてヤンデレ。黒羽事件後の牢獄では麻薬の流行と不触金鎖の対抗馬である風錆が幅を効かせる状況になっています。それまでもあったのですが黒羽事件以後急速に広まった模様。
このシナリオはエリスが抱えるトラウマと主人公の過去がキーポイントとなります。ひょんなことからエリスとの同居生活に戻ることになったカイム。それは改めてエリスと対話し、自分自身の生きる道を探して欲しいというカイムの願望からだったのですが、それはエリスのトラウマを抉る結果となり精神に異常をきたしてしまいます。それは出会った頃の人形のエリスに戻ってしまったかのように。一方不触金鎖と風錆の抗争は激化し、数で劣る不触金鎖は次第に劣勢に押し込まれていきます。頭のジークはルキウス卿との会合で何とかする様子。しかし不触金鎖の幹部も無残な姿で殺され、一向に動かないジークに痺れを切らせた不触金鎖の一部は寝返ってしまい事態はさらに深刻に。エリスは風錆の頭・ベルクトにジークの情報を売り、カイムを怒らせ殺されようとする始末。
そんな中カイムも自問します。エリスを受け入れられなかったのは自分がエリスの両親を殺してしまったことの贖罪として身請けしたから。そう思い込んでいたカイムでしたが、そういった子供なら暗殺稼業の中で他にもいたはず。それなのに何故エリスだけを身請けしたのか。その根源は今際の際にカイムの兄・アイムから託された願いであり呪い。俺の分まで全うな人間になって欲しい。その約束を守れなかったカイムはエリスにそれを無意識に求めていたんですね。故に事あるごとに自分のための人生を生きてくれと願っていた。
この事件はジークの起死回生の作戦で風錆が瓦解し、幕を閉じます。エリスエンドでは、カイムはエリスに自分の気持ちを伝えます。エリスの事を何も理解していなかったこと。自分もまたエリスを通じて兄との誓約を果たしていた気になっていたこと。歪な形の出逢いではあったけれでもそれでもお互いを必要としたこと。そしてエリスと共に生きていきたいと。そのために、エリスに変わって欲しいと願います。時間が掛かっても人形から人間へ。そんなエリスの傍に居続けることを誓います。で、カイムとエリスは幸せになりましたとさ。
うん、中々面白いシナリオでしたね。エリスの抱えるものが予想していたのと随分違った感じだったからかもしれません。あと不触金鎖と風錆の抗争の描写も良かったし。サイが可哀想過ぎるけど・・・。
しかしオーガストだし予想はしてましたが、娼館を舞台の物語にしてる割にヒロインは処女ばっかりなのねw 物語的には娼婦という職業は肯定的に捉えられてる感じなのにヒロインはそろって処女とかないわ。これは流石に酷いわ。これから非処女ヒロインシナリオがあるのかもしれませんが、少なくともメインヒロインのティアは処女確定っぽいし。虚淵氏がプレイしてたら絶対ブチギレしてますよw 暴力描写はそれなりに頑張ってたと思いますが性描写的には全然でいまのところ娼館を舞台にしてる意味が感じられない。
コレット&ラヴィリア
聖女イレーヌことコレットとそのお付きであるラヴィリアのシナリオ。
ある日ヴィノレタを訪れたラヴィリア。聖女が天使の遣われた御子を探していて、それはティアであるという御神託をもらったことでラヴィリアが使いに出されたということですね。根拠も何もないその話を訝しみ、反対するカイムでしたが、ラヴィリアの一向に諦める気のない態度とティアの秘密を探るという最初の目的もあって渋々ながら聖女の呼び出しに応じることになります。
といった感じでコレットとラヴィリアルート。物語の舞台は牢獄から大聖堂に移り、最後の人類が住む世界ノーヴァスアイテルの真実やティアの不思議な力について少しずつ迫っていく展開になっていきます。コレットとラヴィリアは最後の選択肢でコレットを抱くか抱かないかによって変わるだけなのでシナリオはほぼ同一となります。うーんまあ正直このシナリオにおいては、カイムがこの二人に惚れるのがちと強引な気はしますがまあ好しとしましょう。
大聖堂では聖女から天使の御子であるティアを守るためここに滞在して欲しいと頼まれます。元々話を聞くだけの予定ではありましたが、聖女の願いやティア自身の思いもあってしばらくの間滞在することに。聖女のチェスの相手をしながらも平穏な日々が続きます。その中で聖女の置かれた状況、ラヴィリアの聖女への思いを知っていくカイム。しかし地震が頻繁にノーヴァスアイテルを襲い民衆の不安は募っていきます。天使の声を聞けなくなったという聖女は自分の信仰が真実であることを証明するため不断の祈りを捧げることを決めます。限界を超えてもまだ祈り続ける聖女。カイムは聖女の身を案じ様子を観に行きます。そこで語られる衝撃の事実。それは聖女の祈りは都市を浮かせることに何の影響もないこと。大崩壊は聖女の責任ではなかったこと。聖女の役割とは万が一何かが起きたときのスケープゴートとなることにありました。人々の憎しみを集めるために。カイムは先代聖女に救われていた、と聖女が言っていたのはこのことだったんですね。
・・・まあ正直プレイヤー側からすると最初から分かっていたことではあったんですが、ノーヴァスアイテルに住む人々にとってはまさに青天の霹靂なんでしょうね。浮遊都市・羽つきなどのファンタジー的要素はあっても魔法とかが普通に出てくる物語ではないので多分SFオチだろうなーと思って読み進めてます、いまのところ。地上に住めなくなった人類が科学の力を結集して浮遊都市を作った、みたいな感じ。ベッタベタですけどw
そんな中、ある事件が起こります。ラヴィリアが大怪我を負います。実は彼女は大聖堂に来てからすぐに羽つきを発症していました。それでも聖女の傍にいるため自ら羽を削いでいたのでした。それは想像を絶する苦痛。ラヴィリアが良く調子を悪くしていたのはこれが原因でした。カイムはすぐに治療出来る聖職者を呼びますが、羽つきには触りたくないと断られます。そしてティアは最初ににカイムが見たあの光を発現させラヴィリアの羽を消滅させ怪我を治す力を見せます。ティアの力は本物だった。聖女はその光景を見えない目で感知しており、それはティアが天使の御子であることの証明、そして自分の信仰が正しかったことへの確信へと繋がりました。早速この事実を民衆へと発表することを望む聖女。
この辺りは正直ちょっとカイムと同様にコレットにイラつきましたね。色々な思いがあったにせよ死ぬほどの大怪我をしていたラヴィを心配する素振りすら見せないとかちょっとどうなのよと。終盤で謝ったりしてましたけど逆に薄っぺらく感じたわ。
で、その発表の最中なんと崩落が牢獄を襲います。10年前のあの日と同じように。牢獄の半分がまた下界へと落ちていきました。精神的におかしくなりかけるカイムでしたがリリアンの娼婦達やエリス、ジークが無事であり危ういところで助けられます。しかしヴィノレタ・・・メルトはこの崩落の犠牲になってしまいました。あーオーガストでこういう立ち絵有りのサブキャラが死ぬとかが来るとは思ってなかったので意外とショックです。。。メルトのキャラも結構良かったのに。たしかに死亡フラグは立ってましたけど・・・。10年前は聖女に怒りを向けることが出来た。しかし真実を知ってしまったカイムにはその矛先がありませんでした。
民衆の怒りは爆発し、10年前のように聖女の処刑が決定される。ラヴィはコレットを助けるためにカイムに依頼をします。コレットを連れて逃げて欲しい、聖女の代わりは私がやるからと。カイムはその依頼を受けながらもコレットとラヴィ、二人を救う算段を密かに進めます。そしてコレットを無事逃し聖女処刑実行の日。ラヴィは最後にコレットが良く奏でていた竪琴の曲を演奏します。それは元々ラヴィがコレットのために奏でていた曲。コレットはその曲が、立場上疎遠になってしまったラヴィとの唯一の繋がりとなると信じ奏でていたのでした。その曲を聞いたコレットは駆け出し、ラヴィの元へと急ぎます。衛兵に止められるコレットでしたがそこをまたしても地震が襲う。ラヴィが立っていた場所は地震により崩落しますが、コレットはラヴィと共に崖下へと転落します。
で、二人は事前にカイムが不触金鎖に頼んで崖下に張っていた者達に助けられましたとさ。しかし今回の崩落によって4割の仲間を失ったジークの怒りは収まらない。カイムは決断を迫られます。
コレット&ラヴィルートではコレットの言う事が信じられないジークは彼らが二度と自分の前に姿を見せないことを条件に見逃してくれることに。ルキウス卿の力を借りて下層に住むことになった彼らは幸せに暮らしましたとさ。
Trueルートではノーヴァスアイテルが浮遊している謎を解くことを条件にカイムは下層へ。コレットとラヴィはジークに預けられることになります。
リシア
ノーヴァスアイテルの国王の娘にして王女。国王は重い病に伏せており、リシアは現状、国王代理としての立場にあります。
ルキウスの補佐官となったカイムは王城でリシアと出逢います。使用人に成りすましていた彼女に相応の態度を取ってしまったカイムは、その責としてリシアの話し相手になることに。ルキウスの目的はリシアを傀儡としてこの国を実質的に操っている執政候ギルバルドを失脚させること。それはこの都市の秘密を探るカイムの目的と合致していました。運良くリシアと話す機会を得られたカイムはギルバルドを妄信的に信じてしまい、この国の現状を理解していない彼女を説得する役目を担うことに。リシアに牢獄の話で興味を持たせ、お忍びで牢獄を視察させるカイム。苦しむ人々と荒廃した街。リシアは己の無知を知ることになります。順調にいっていたかのように思えたリシアの説得ですが、カイムが元殺し屋であることがリークされリシアの信用を失ってしまいます。しかしそれでもリシアに王としての自覚を持って欲しいと頼むカイム。
徐々に追い詰められるルキウスの陣営。カイムはティアに危険が及ばない内に牢獄へ戻ろうとしますが、ここでルキウスから衝撃の事実が語られます。それは10年前の大崩壊の時に交わした誓約。この世でただ二人しか知らないはずの遠い約束。ルキウスは大崩壊の時に生き延びていたカイムの兄・アイムでした。
・・・とはいえ、登場時からのカイムへの執着や、ギルバルドの面影が似ている発言等々から予想はついてましたが。しかしカイムは動揺し、牢獄へ帰るのは一時中断します。うーんいまいちカイムがアイムに対してコンプレックス全開で憎んでるのがよくわからんのですよねえ。いくらなんでも憎み過ぎじゃないのかとw カイムもいい大人になったわけですし、子供の時の恨み言を抱え込み過ぎな感じ。アイムの10年間が決して楽なもので無かった事ぐらいは想像出来ると思うんですがね。そもそもルキウスを助けないで都市の秘密を暴くことが出来なかったらジークに殺されるっていうのに私情挟んでる場合でもあるまいに。
で、渋々ながらもルキウスの協力をするカイム。リシアが刺客に襲われているのを助け、信用も少しは取り戻しました。しかし国王の病気をエリスに診断させたことが逆手に取られ、ルキウスは国王暗殺の罪に問われ逮捕状が出されてしまいます。その前に武装蜂起し、ギルバルド派との全面戦争を決意するルキウス。そのためには御旗となるリシアの協力が不可欠でした。カイムはリシアに王の自覚を持たせるために、説得します。全てを疑うこと。自分自身が正しいと判断したものだけを信じること。
リシアの協力もあり優勢な戦況にあったルキウスでしたが、ギルバルドの小飼の狂犬・ガウによって戦線は崩されます。そこでリシアはヴァリウス率いる近衛騎士団を説得します。王としての責任と覚悟をヴァリウスに見せつけたリシア。その姿にヴァリウスはリシアのために剣を振るうことを決める。
近衛騎士団の助勢によって戦線を盛り返したリシア。しかしギルバルドは王城の秘密通路を使い内部から王城を占拠する。王城に忍び込んだ一同を待っていたのはガウ。福音と呼ばれる黒羽化する薬を使い襲いかかる彼女。
ここで過去に選んだ選択肢によって展開が変わります。
ルシアルートでは、ヴァリウスとカイムがガウの相手をするために留まり二人の力でなんとか勝ちを拾います。そしてギルバルドを討ったのはリシアの細腕でした。
5日後、新国王の戴冠式。ヴァリウスが国王から託されていた手紙にはリシアが自分の実子ではないこと、それでもリシアを自分の後継者として推挙すること。それが記されていました。王冠を受け取るリシアはその中に何かを見つけます。それは幼い頃に父親にプレゼントした花の冠。拒絶され受け取ってもらうことが出来なかったはずの贈り物。そこには娘としてのリシアへの手紙が残されていました。それは娘としてリシアを愛していたことの証。リシアは涙し、新国王として戴冠する。
エピローグは国王としての責務に追われるリシアは一方でカイムに甘える。カイムは身分が釣り合わないことを悩んでいました。しかしそれでもリシアの国王としての覚悟と一人の女の子としてのカイムへの真摯な想いを受け、ルキウスの家の養子となることを決めたのだった。
といった感じでFin。うーむなんか段々と面白くなってきましたねw 戴冠式の花の冠は中々持って行かれました。リシア自体はそれほど好かないのですが。
Trueルートではヴァリウスが一人でガウの相手をするハメに。・・・何故ここで選択肢にしなかったのだろうか。ヴァリウスはガウと相討ちになり事切れます。執政候を追い詰める面々。浮遊都市の研究が行われていた塔でギルバルドから事の成り行きを聞かされます。
過去に愛し合っていた研究員の女性・クルーヴィスがネヴィル候に実験台にされたこと。彼女を蘇らせるために羽つきの人体実験を行っていたこと。10年前の大崩壊は彼女の蘇生実験によって引き起こされたこと。
ノーヴァスアイテルは天使の力で浮遊しているようですね。天使は塔の上部に囚われているようです。そして天使の力はもう弱りこの浮遊都市の寿命は尽きようとしている。SFオチかと思ったんですけど普通にファンタジーなのかしら。
うーんしかしてっきりリシアの本当の父親はギルバルドなのかと思っていたら何の関係もなかったぜ!システィナの父親ではありましたけどね。
ユースティア
いよいよオオトリのシナリオ。リシアの戴冠が済み、都市の研究はルキウス主導で続けることになりました。ノーヴァスアイテルを救う術は、ティアに託されます。
崩壊は止まらず、牢獄と上層の確執は深まる一方。さらにギルバルドの開かずの間で見た黒い粘液が下界から襲ってくる事件も多発。都市全体に広まる絶望。一刻を争う事態にティアの研究も厳しい物になっていきます。
ついに起こってしまう暴動。一度目の暴動はジークが諌めましたが、次の大規模な武装蜂起は、ジークが裏で糸を引きコレットを奇跡の聖女として御旗に掲げ一大勢力となります。その力によってフィオネが守る関所も破られてしまいます。国民同士で血を流させたくないリシアは無条件降伏を決めますが、ルキウスはリシアを捕縛し、指揮権は完全にルキウスのものに。ううーむ、リシアもルキウスもそれぞれの掲げる思想の基に動いているのでこの辺りルキウスを責めることも出来ないんですよね・・・。リシアの考え方も解りますが、この時点で無条件降伏しても何の解決にもならないことは明白なわけで。中々考えさせる展開ですね・・・。
そして10年前の大崩落以降の崩落については、ルキウスの意思で行っていたことが判明。メルトを殺したも同然のあの崩落が任意のものだと知ったカイムはその元凶であるルキウスに怒ります。しかしルキウスは凛とした態度を崩さず逆にカイムに問います。お前は何のために生きているのか?他人の感情に流され、思想に従う。そんな生き方をしてきたことを理解しており、何も言い返すことが出来ないカイム。
自分だけが出来ることをすること。それを自分の生きている意味だと考えたカイムは、ジークの潜んでいる館に単身忍びこみ、説得あるいは暗殺を考えます。そこで見たのは天使が囚われている塔での大きな光。ティアは天使の力を抽出することで徐々に天使そのものに近づいて行きました。もう時間がないことを悟ったルキウスは囚われの天使・初代聖女イレーヌの最後の力をティアに注ぎ、覚醒を促します。光を見たカイムは自分が本当に求めていることを理解します。ずっと辛い目にあってきたティア。そのティアがようやく見つけた使命は都市の犠牲になること。今も自分を助けるために苦痛と戦い続けている少女。その少女を犠牲にしてまで自分は生きていたくはない。そこに待っているのはきっと後悔の人生。
エリスに自由に生きろと言い続けてきた自分は、いつの間にかルキウスの思想に飲み込まれていた。カイムはついに自分の意志でティアを救うことを決意する。
天使の塔でルキウスと対決。ルキウスはアイムではなくあくまでルキウスとしてカイムと戦う。嫌いだったはずの兄。でも心の奥底では嫌いになりきれていなかった。カイムはルキウスを倒します。
ティアは聖女の言葉を受け入れ人類を滅ぼす怨嗟の言葉を吐き出す。最後にルキウスはカイムの背中を押します。人間の都市を、人間以外に滅ぼさせるな、と。
ティアを説得するカイム。体の一部を失いながらもティアを犠牲にしたくない、ただ傍にいて欲しいと叫ぶカイム。いつか夢想したように草原に家を立て一緒に暮らしたい。
ティアは意識を取り戻します。しかし下界からは黒い粘液が襲いくる。それは都市全体を覆い、ノーヴァスアイテルの終わりは目前に迫る。後悔がある、そう言ったティアは天使の力を開放します。今カイムを護れるのは自分だけ。それだけで生まれてきた意味があったと。
地表に落ちたノーヴァスアイテル。大地に満ちていたはずの粘液は全て浄化され周りに広がっているのは果てしない地面。ティアはイレーヌが浮遊都市に力を注いでいたときのようにこの世界に一体となって生き続ける。ティアを感じたカイムは歩き出す。彼女の守った世界を。
といった感じでFin。・・・時期が被ったせいもあってちょっとまどかっぽい終わり方に感じましたがw いやむしろフジリュー封神演義のが近いですかね。ううむしかしオーガストを侮ってましたよ。なんだかんだで大団円で終わるんでしょ?とか思っててマジすんませんっした。割と好みなエンディングでした。地表全ての黒い粘液が浄化されたのはちょっとご都合主義だとは思いますけど、ティアが頑張ってたからこのくらい許そうじゃないか。話は完全に一本道なので24話ぐらいのアニメにしたら結構良いものが出来そうな気がする。
というわけで穢翼のユースティア完了です。
中々骨太なシナリオでしたが、物語の舞台が牢獄、聖堂、上層、王宮と移り変わっていったので飽きずに楽しめた気がします。終盤ではどう収拾つけるのかと先の展開が気になりましたね。ルキウスの研究が上手くいってもティアが犠牲になる上に期限付きの平和。下界は黒い粘液に覆われ、地表に降りるわけにもいかず、八方塞がりだったんですよね。多少ご都合主義ながらもなんとかギリギリ納得出来るレベルでまとめたのは良かったです。
黒い粘液・・・というか過去の人類に何があったのかってところは大方ナウシカ的世界だと勝手に想像しています。黒い粘液は腐海みたいに地表の毒を吸っていた、みたいな。で、天使はその毒をエネルギーに変換する装置の役割。まあこの辺は謎が残りましたが語られなくても問題ないとは思いました。
一本道シナリオなのでどのルートが、という話はしにくいのですが、強いて言うならシナリオ的にはエリスとリシア辺りが好きですかね。キャラ的には・・えーっとメルトとシスティナ、かな?w 正直コレットもリシアも口ばっかり達者ってイメージが付きまとってどうにも・・w ティアとフィオネは可もなく不可もなく。Trueルートのエリスはかっこ良くて好きですね。
ルキウスは死相が出てて、やはり最後に立ちはだかるのか、と思いました。カイムの超えられない壁、超えるべき壁として終始活躍していましたね。時には肩を並べ、最後には対峙し。しかしもうちょっとシスティナとのラヴい所を見たかったなーと。ルキウスとシスティナの関係が切なくて好きなんですよ・・・。お互いの気持ちが分かっているのに成すべきことがある限り結ばれることがない。FDとかでルキウス視点のシスティナシナリオを用意してくれ。逆でもいいからマジで。アペンドの召使いのいない夜で少しだけ救われましたけどねw システィナの幸せそうな姿が見たいのですよ!
カイムは中々良い主人公でした。各ヒロインルートではカッコ良く。ティアルートでは色々葛藤をしながらも最後には自分の道を見つけ貫く。ルキウスに言われてこっちも気付くんですが、たしかにカイムの考え方って意外と周りの状況に流されてるんですよね。人格的にはそうは見えないのに結果的にはそう見える。カイムの行動の矛盾と心の揺さぶりを終始描き、最後に本当の自分の意思を見出させる。その辺りが上手いなと思いました。
あと、カイム役の声優さんもGJ。割と色々な顔を見せる主人公を見事に演じきっていたなーと思いました。
というわけでメモしながらプレイしたのでかなり長くなってしまいましたが、総評。
良作。重厚なシナリオを携え、読み物ゲームとしての魅力は存分に詰まっています。
欠点を上げるなら、シナリオの展開に予想以上のものが無かった事。ただしシナリオ自体は丁寧に作られているのでそこまでのマイナス点ではないですが。オーガストというメーカーに先入観が強い人はシナリオが意外だったでしょうね。私も完全なハッピーエンドがあると思ってたので。後はこれは酷かも知れませんが日常会話でもうちょっと笑わせてくれたらなーとか言ってみたり。別につまらなくはないんですけどね。
あと個人的に気に入らなかったのが結局ヒロイン全員処女じゃねーか!!ということでw まだメインヒロインの一人としてアイリスとかクローディアがいるなら納得出来たんですがね。娼館設定必要だったのかと問いつめたいわ。
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