lightよりDies irae(ディエス・イレ)完全版です。
どうにもこの作品に関しては色々あったようですが、
完全版からプレイするには気にしなくてよさそうですねw
ある意味幸せなプレイヤーということで。
ナチスドイツの亡霊とも言える聖槍十三騎士団。
魔道兵器・聖遺物を使う超人集団との戦いに
否応なく巻き込まれて行く主人公とその周りの人々。
といった感じの伝奇物語です。
こういう伝奇物は大好物なので非常に楽しみにしておりました。
流石に古参メーカー(ですよね、もう)だけあって、
シナリオ、CG、演出、BGM
それぞれかなりのクオリティを保っていました。
まあ「群青の空を超えて」の作りこみを見れば、
この辺は心配ないだろうって感じがしますよね。
逆に一度ああいう作品を出しちゃうと、
後の作品へのハードルが高くなっちゃって
メーカー的にも困ってたりするんでしょうかw
シナリオ総量は物語のスケールの壮大さもあってか、
かなりのものがあります。大作。30時間ぐらい。
完全版の発売に至るまで2回作品を発売してるらしいですし、
3~4年越しの入魂シナリオになったんでしょうね、結果的に。
文章力はあるライターさんだと思いますが、
台詞回しが独特で悪くというとクドいため、
人を選ぶ作品だとは思います。
私的な諸事情で少し評価が辛口になっていますが、
体験版でこの作品の文章がすんなり受け入れられた人は買い。
総評:7点
んでは、シナリオ感想
一応攻略順・・・というかこの順番でしか攻略出来ないらしいですが。
で、今回はシナリオ総量が多いため、
忘れないように攻略時点での各ルート感想となっています。
綾瀬香純
典型的な世話焼き元気系幼馴染。
このシナリオでは、ラインハルト、メルクリウスの2柱と
シュライバー、マキナ、ザミエルの3大幹部は復活せず、
ヴァレリアがラスボスとなります。
とりあえず専門用語と各キャラの名前を覚えるので
精いっぱいな一週目。
香純が劣化ゾーネンキント(生贄)であることや、
主人公・蓮が過去に香純の養父を殺してしまったことなどの
回想や説明がかなりおざなり。
ここは蓮と香純の関係とかを考えても、詳しく描写する
必要があったと思うんですけどねえ・・・。
だから香純も日常を象徴するだけのヒロインの域を
越えてない印象なんですよね。
そして司狼がカッコ良すぎて主人公が食われています。
ホントにこやつは何者なんでしょうか。
痛みを感じない性分だっていう話はありましたが・・・。
司狼VSヴィルヘルムは名勝負過ぐる。
ヴィルヘルムも司狼を最強の敵として認めて
本気で殺しに来てるのが素敵。
エンディングとしては司狼も玲愛先輩も死んでしまい、
蓮の意識は戻らず。
最後に螢も自らの命を賭して2柱の復活を防ぎ死亡。
ですが最後のハイドリヒの台詞と花畑の香純で、
これからも戦いは続いていく的な含みを持たせた結末になっていました。
たしかに最初のルートとしては無難な出来。
むーこれで香純関連の描写とキャラ立ちが出来ていれば
なかなかの出来だと思ったんですけどねえ。惜しかった。
桜井螢
クールビューティっぽい激情家。
香純と玲愛先輩の話も何故か香純ルートより
詳しく描写されていましたね・・・。
後から追加したシナリオだからかな?
このぐらいの描写は香純ルートでも欲しかったところ。
少し司狼の秘密も明らかになってきました。
オーバーブーストだのなんだのとか、あと数年しか持たないとか。
・・・ってかエリーって処女なのかよ、とかw
相変わらず生身の人間でありながら、
聖遺物を扱う超人の蓮や螢を超える
危機感知能力や反射神経を駆使して大活躍。
もうこいつ主人公でいいんじゃね。
しかし世界設定の解説や過去の話が
各ルートでそれぞれ違う形で描写されるので、
ちょっとくどい印象もありますね。
せっかくシナリオの順番が決まっているのなら
段々とシナリオの真相を明かしていくスタイルでもよかったかなーと。
まあ真相を語らずにそれぞれのルートを面白くするのは
かなり至難の技だとは思いますが・・・。
んで肝心の螢ですが・・・んー本来こういうキャラは
気に入る傾向にあるんですがどうにもいまいち。
まず蓮と螢は異常にいがみ合っていますが、
どうにもここに違和感を感じてならないんですよね。
螢の行動もなんか支離滅裂だし、
生来のお人好しな蓮の性格であそこまで螢を忌み嫌うのが
ちょっと納得いかない。お互いに嫌いと言いながらも共闘して、
なんだかんだで添い遂げるってなシナリオを書こう!
っていうプロットありきで作った感じがすごいするんですよねえw
私だけかもしれませんけど。
このせいもあってか螢ルートの主人公が気に入らない。
Hシーンとかもやる気MAXの癖に嫌いだの舐められたくないだの
グダグダネチネチ言いやがって・・・。
最初の治療のところはともかく、学校でのHシーンとか
必要性をあまり感じなかったんですけどねえ・・・。
2人が乳繰り合ってる時に、
一人でせっせと地雷設置してた司狼の明日はどっちだ。
普通に事件解決後→合体か、
最後の決戦前にお互いの気持ちを確かめあってHシーン
とかで良かったんじゃないかな―と思いました。
決戦前の螢がヴァレリアと幹部2人を一人で倒すって
言いだしたところはカッコ良かったのになー。
どうにも螢に対する蓮の対応が
意地悪過ぎてあまり好きになれませんでした。
なんか女々しいっていうか漢らしくないのよ。
っつーか男のツンデレなんて見たくないんですよ!
もうちょっと言っちゃうと自分の顔にコンプレックス抱いてる癖に
スピーネ戦では顔の差だろ?(キリッ とか言っちゃうのが
なんかナルシストっぽくて嫌だわー。
・・・とまあ毒吐きまくりでしたけど、
展開そのものは中々熱かったです。
なんといっても幹部3人がしゃしゃり出てきますしね。
シュライバーは結末自体はあっけなかったですが、
3人死力を尽くしてなお届かなかったところにですからね。
大隊長の株は落とさなかったかと。
残るバラライカもといザミエルVSベアトリス戦はよかったですねえ。
バラライカ様も夢見る乙女だったのね。
ベアトリスと戒、螢の過去話をもっと詳しく描写して欲しかったな。
螢ルートだから期待してたんですけどね。
因縁のヴィルヘルムVS司狼with聖遺物(ルサルカ)もよかったんですけど、
香純ルートでの生身でのヴィル打倒があるのでちょいといまいちに感じましたねw
いずれにせよカッコ良かったですけど。
エンディング的には2柱は健在ですっきりしないものの、
蓮も司狼も螢も、香純、玲愛先輩、エリーも生き残っているという
奇跡的なハッピーエンド。
寿命も普通の人間ではないまま
各地の聖遺物や遺跡を潰しながら旅を続けるものですが、
まあこういうエンディングが一つあってもいいですよね。
ただ香純がちょっと可哀想かな。。。
空気からは脱出したもののこの扱いは流石に。
でもこれ見るとなんで香純ルートでは、
幹部が出張ってこなかったのかが分らない。
エレオノーレのリザ殺しについてもそれに至る理由、
香純ルートと螢ルートでの差とかは
特になかったと思うんですけどねえ。
とりあえず最後まで螢は好きになれず。
玲愛先輩がダントツで可愛いですよね(ぉ
あとエリーはいい女。
マリィ
天然幼女。
グランドルートその1。
とはいえマリィのキャラが私的に受け付けがたいので
どうにも評価が厳しめになっちゃうのですが・・・。
3つめにしてようやくラインハルトの打倒を果たすルート。
でもこの作品は流石というか数回に渡って発売されただけあって、
各ルートの共通ルートが少なく、
このシナリオはマリィがメインヒロインであるものの、
それぞれのヒロインにも活躍の場があります。
シュピーネ倒すぐらいまでですもんね、共通ルートって。
これが各シナリオの完成度に繋がっているんですが、
1つのルートに10時間弱はかかるので、
がっつりやりたい人以外には少し中だるみしてしまうかもしれません。
でも展開的には一番燃えるルートかも。
3大隊長との戦いは、
蓮VSマキナ、司狼&エリーVSシュライバー、螢VSザミエルと振り分けられ、
全員絶体絶命のところをマリィに救われ逆転勝利。
ザミエル戦はどうも螢ルートのザミエルVSベアトリス戦の焼き直し・・・
(というかベースなのかこっちが)
みたいでしたがまあ無難な感じでした。
一番燃えるのがやはり蓮が司狼(ルサルカ)、螢、ベアトリスの聖遺物を
使ったシーンですかねえ。
そこから黒円卓十三騎士団全ての聖遺物を当たり前のように使う
ラインハルトとの最終決戦へ。
エンディングではまたしても香純が空気に。
でもラインハルトをまともに斃す唯一のルートなので、
一番好きな人が多いんじゃないでしょうかねー。
私的にも結構好き。・・・でもマリィが微妙。
玲愛
不思議ちゃん先輩。
グランドルートその2。
こちらは後から追加されたルートなんでしょうけど、
この物語の真の首謀、メルクリウスにも一応の結末を
与えるルートになっています。
このルートではルサルカが大活躍。
まあロートス(蓮のベース)との関わりとかは
後付け設定でしょうけどね。螢が早々に離脱し、
司狼とエリー、香純もヴィルヘルムに食われる。
残ったのは蓮と玲愛先輩だけという絶体絶命度が
他ルートよりも高めのシナリオです。
ここでの大隊長の振り分けは、
玲愛先輩の活躍による黒円卓騎士団同士の戦いに縺れ込み、。
ルサルカVSマキナ、リザ・ブレンナーVSザミエル、ヴァレリアVSシュライバー。
それぞれ大隊長には及ばず敗北してしまいますが、
ザミエルとシュライバーには精神的なダメージを残しました。
えーっと・・・マキナってなんかあったっけ。
その間蓮は玲愛先輩とベッドインプロレス。
そしてヴィルヘルムが願って止まなかったVSシュライバー戦。
司狼の活躍もあって満足して逝ったヴィルヘルム。
うーんここはシュライバーと相討ちでもよかったと思うんですがねえ。
主人公のチート度は大隊長をいっぺんに2人斃すだけでも
十分分りますからw
で、ようやく司狼の秘密が判明。
その正体はメルクリウスが仕込んだ、自滅因子(アポトーシス)。
蓮を日常から乖離させ、結末へと導く役目を与えられていました。
よく分らないですが、メルクリウスに対するラインハルトのような存在かな?
ただこのシナリオではヴィルヘルムから奪った聖遺物(半分)が
殆ど役に立たないまま自決してしまいます。
せっかく復活したんだから蓮と共闘して欲しかったなあ・・・。
ラストはまたしても玲愛先輩の暗躍による
ラインハルトVSメルクリウスという2大怪獣大決戦。
まあ流石にこの二人まで蓮が斃しちゃったら、
ご都合主義に過ぎると思いますので、
この結末は仕方ない・・・かな?
それでも最後のシナリオとしてはちょっと後味が悪いかもしれません。
エンディングは蓮だけが過去のドイツにロートスとして存在しています。
なんでこうなっちゃったのかは微妙に理解してないんですけど、
とりあえずラインハルトと邂逅し、現代に戻るというところで終わり。
後日談がもう少し見たかったですけど終わり方としては綺麗ですね。
各ルートの感想はこんな感じでした。
私的にはマリィ>螢>玲愛>香純の順でシナリオが良かったです。
とはいっても香純ルートのヴィルヘルム戦が一番好きだったりするので、
どのルートも良かったんですけどね。
ヒロイン的にはうーん・・・玲愛先輩ですかね。
キャラ的にはベアトリスやザミエルのが好きですけど
ヒロインではないですし。
男キャラでは司狼とヴィルヘルムがお気に入り。
さて、この作品よくFateと比較されているらしいですが、
ポイントで似通っている部分が結構ありますね。
バトルロイヤルちっくであったり、昨日の敵が味方になったり。
戦いの果てに望みが叶う設定だったり。
脇キャラの魅力が満載なのも同じく。神父の立ち位置も少し似てるかも。
万人向け、という意味ではFateの方が読みやすく、
メリハリがある印象ですね。
この辺りは好み次第だと思いますが。
個人的に主人公・蓮があまり気に入らなかったのが
少し評価を下げた要因かも知れません。
具体的にどこが、っていうわけではないんですけど、
全体的になんか偉そうなんですよね、言動が。
虚勢を張ってるだけだったりもしますけど常に上から目線。
キャラとしての強烈な個性を感じませんでした。
あとは中間に中だるみを感じました。
戦闘シーンもメリハリがなくちょっとダラダラしていた印象。
それとこれは香純ルートとかでちょっと感じたんですけど、
ヴァレリアとかが意味新な台詞を呟いたりした時に、
ナレーションでヴァレリアは何を考えているのか?
みたいなことをわざわざ言う必要あるんですかねw
そういうのはユーザー側が勝手に思うことであり、
いちいち文章にされちゃうと滑稽に感じるんですよねえ。
ちょっと自分に酔ってるっぽい印象でどうにもw
そんな感じで文章の節々に違和感を覚え、
私的な評価を落としたところがありました。
とはいえ、長編伝奇物としては
類を見ない完成度であるのは間違いないとは思います。
通常版があるのは知っていましたが、シナリオが大分違う感じなのでしょうか?
ディエスは外伝やらなんやらと関連商品が色々と出ていて
どれから手を出していいか分かり辛いですね(汗
返信が1ヶ月も遅れてすみません。2012年発売のdies irae全年齢版「Amentes Amentes」はPC版とPSP版の2種類があります。PSP版は音楽が入れ替わるバグが有りますのでPC版をお勧めします。シナリオは概ね18禁版と同じですが、一部表現の変更がされています。追加要素として、ドラマCDの「Wehrwolf」「Die Morgendammerung」「Verfaulen segen」
「Omnia vincnit Amor」「Ninil difficile amanti」がゲームシナリオ化、さらに玲愛ルート分岐の、刹那(蓮)・黄金(ラインハルト)・水銀(メルクリウス)による「三つ巴ルート」が追加されました。OPとEDも完全新規、BGMも3曲追加されました。
2016年発売の「Interview with Kaziklu Bey」という全年齢版サイドストーリーが発売されました。主人公はヴィルヘルム。
本編にも関わる重要なエピソードも有りますので余裕が有るならプレイされることを推奨します。「Amentes Amentes」「Interview with Kaziklu Bey」共にかなりの完成度だと個人的に思います。また、ご存知かと思われますが10月には待望のアニメ化、12月にはスマホゲーム化です。あとコミック版も2巻がつい先週発売されました。長文失礼しました。参考にしていただけると嬉しいです。
新ルートが追加されているのなら確かにプレイする価値がありそうですね。
それとヴィルヘルムのスピンオフが発売されているのは知ってはいたものの中々手を出せない状況でしたが、情報頂いて俄然やる気が出てきましたw
本編でもヴィルヘルムはお気に入りのキャラクターでしたからね。
ディエスもメディアミックス展開がさかんで、ようやく一般の日の目を浴びてきた感が出てきましたね。
本題ですが、dies iraeをあまり楽しめなかったという人の多くが「設定は最高に面白いし、敵キャラも全員カッコいい、でも主人公が気に入らなかった」と言っています。UMSさんもそのような事を書いておられました。私はdies iraeが大好きなのですが、「主人公が気に入らなかった」という意見も理解出来ます。確かにちょっと上から目線な所がありますからね(汗)私も司狼やハイドリヒ卿の方が好きですしw
余談ですが、よく比較されるfateとは若干方向性が違う様な気がします。dies iraeにはそこまでバトルロワイアル要素は感じられませんでした。dies iraeは主人公とその仲間3〜4人vs聖槍十三騎士団という構図なので…勿論個人的意見ですw
さてアニメまであと4カ月程になりました。不安も有りますが、かなり期待しています。そして今年の夏以降は結構楽しみが多いです(なのは劇場版3rd、劇場版fate stay nightHFルート)。
最後に。返信が遅れる時も結構有ると思いますが多分またコメントしますのでこれからもよろしくお願いします!
ネクサス様コメントありがとうございます。
もうすぐアニメ放映なんですね。動く司狼を早く見てみたいところですw
どのルートをアニメ化するとかは決まってるんでしょうかね。
個人的には各ルートのいいとこどりをしつつ、物語的な破綻もない感じに作ってくれたらなぁと思っています。
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