早速感想ですが、
ヒロインは、4人いますが、
それぞれのヒロインは個別ルートに入った時点で、
そのヒロインなりの完結ルートに入ってしまいます。
ぶっちゃけ本作ではメインヒロインのハル以外は、
おまけに近いものがあります。
まあそれぞれ見所はありましたが・・・。
反面、メインのハルルートに関しては、
シナリオも長く、終盤に近づくに連れ、
事件のスケールも拡大してゆきます。
まず、今作最大のミスリード、ひっかけである、
魔王≠京介ってとこからいきます。
正直この展開はシナリオがるーすぼーいさんということを理解しており、
この人の作品をプレイしている人なら、すぐに読めてしまうかと思います。
というのも、1章の序盤から含めて、
魔王の正体は浅井京介である、という情報をあまりに多く出しすぎです。
白鳥が魔王の顔を見ていたり、魔王が活動する時間の悉くに、
京介のアリバイが無かったり、と。
これでは推理小説だったら京介は魔王じゃないと最初からいってるようなものです。
普通のゲームのシナリオならともかく、るーすぼーいさんですから、
何らかのミスリードがある、と思ってプレイしてますしね。
まあ、普通に読み進めてる人からすれば、単なる二重人格者だと思うかもしれませんが。
とはいえ、仮に魔王=京介というオチだったとすると、
魔王の犯罪は全く持って穴だらけもいいとこですよw
何せ一番重要な自身のアリバイが悉く確立されていないのですから。
いくつかアリバイが確立されていたけども、
終盤でハルがそのアリバイを崩して、
魔王は京介だ、と弾劾するという展開であったのなら
魔王=京介というのに騙されていたのかもしれません。
その後、恭一はハルがそこまでの能力があると読んでいた、みたいな展開に。
さらに魔王の正体が恭一であるというのもすぐに想像が出来ます。
山王工業の専務との会話でも、
遊びに興じる癖がある「魔王」が浅井と名乗ったり、
花音のことを妹といっていたり(ここで確信に至ったんですが)するのは、
もちろん京介を陥れる目的なわけですが、完全に嘘だったわけではない人物、
そして権三に恨みを持っている・・・となれば、
京介の親族である可能性は容易に想像つきます。
私はずっと4人家族だ、といっていて一人だけ紹介が無かった人物が
怪しいと思っていましたが、京介と恭一が10歳も年が離れているというのを
聞いて、一瞬やっぱり京介なのかな?と思っちゃったんですけどねw
10歳も年が離れていて白鳥が見間違えるなんてことがあるのかな~と。
ましてや好きな男の顔ですよ?
魔王=恭一ということが判明した後の、
セントラル街立て籠もりについてはスケールが大きく、
読み物としても非常に面白かったですね。
恭一の真の目的はなんと死刑受刑者の父親を
司法取引によって解放させることにあった、というのは、
序盤の花音復讐のための体育倉庫の鍵を隠した事件が、
これを暗示していてなかなか上手いな~と思いました。
正に木を隠すなら森、ということですね。
ヒロインについては、これはるーすぼーいさんの味・・・なのか分かりませんが、
殆ど最初から主人公に対し、好意を持った状態から始まるんですよね。
車輪もその気は多少ありましたが、A Profileが特にそうでした。
私的には、ストーリーが展開していく中で
心を通わせあう主人公とヒロイン~みたいな
オーソドックスなお話が好みなので、
そこだけあまりるーすぼーいさんと合わない部分かもしれませんw
そういえば、ハル以外のヒロインルートが確定すると、
魔王は完全に沈黙してしまいますが、これはどうゆうことなんでしょうかね。
ハルルート以外では、父親が先に死んでしまい、
事件を起こす必要も無くなってしまった、ということなんでしょうか。
それとも設定自体が変わって、京介がやはり魔王で、
ヒロインと心を通わせたことがきっかけで、
「魔王」の人格が息を潜めるようになった、とかでしょうか。
いずれにせよ、ルートによって設定自体が変わってしまうのは
あまり好ましくないと思いますから、何か説明が欲しかったところですね。
総評としては、シナリオとしてはなかなか緊迫感もあり、
面白かった・・・んですが、ミスリードに固執し過ぎて、
主人公の活躍が少なすぎるのが残念でしたねえ。
ちょっと設定倒れな感じ。
ハル以外のヒロインがおまけみたいな感じになっちゃってるのも、
ちょっとびみょんです。
シナリオの妙とるーすぼーいさんのテキストが好きな人には、
オススメできる作品です。
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