チラシの裏に書くようなことを徒然と。
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ホラーとミステリーを融合させた作風が特徴の刀城言耶シリーズ、1作目です。
山奥の古い因習に囚われた集落、神々櫛村では谺呀治家を中心とする憑き物筋の「黒の家」と、神櫛家を筆頭とする憑き物筋の「白の家」で対立していた。そして、村全体を支配する「山神様」「カカシ様」「厭魅」には、それにまつわる数々の怪奇や神隠しが存在していた。そんな中、神々櫛村を訪れた怪奇幻想作家、刀城言耶は奇怪な殺人事件に遭遇する。
以上wikiよりあらすじ引用です。
昭和・閉鎖的な田舎村・村の伝承と来ると横溝正史だとか、オカルトとの融合で京極夏彦やらを彷彿とさせますが、それらに負けず劣らずの独特な雰囲気を持った作品です。
700ページぐらいある長編大作ですが、主人公が怪奇小説家であるために、村の伝承やら民俗学にいちいち首を突っ込んだり、薀蓄を語ったりというシーンが多いのもあって殺人事件が起こるのが200ページを過ぎてからというスローペースです。もちろんそれは神々櫛村の異様な雰囲気を表現する大事な要素でもあり、ある意味では真犯人への手掛かりにすらなり得る重要な描写でもなる部分なので、仕方ないのですが、正直取っ付きにくいのは否めないですね。
私は文庫本を読みましたので、簡単な家系図と村の地図があったので、まだマシだったのでしょうが、それでも何度も図を見直しました。文庫以前はこれすらなかったらしいですから、メモしながら読まないと村の構造やら人物の関係が分かりにくかったのではないかと思います。
それと、これが刀城言耶シリーズの特徴なのかは以後のシリーズを読んでみないと解らないのですが、探偵役の主人公も名推理を披露してズバッと解決する、というタイプではなく、現時点で考えられる推論を元に犯人を導き出し、それが誤りであれば、また新たに推察し・・・ということを繰り返しやがて真実を暴く、という珍しい構成になっていました。ここは割と賛否両論な感じでしょうか。ミステリはやっぱり最後にスラスラっと種明かしをして爽快に終わらせて欲しいという人には少し微妙かも知れません。私はそれが結構味と感じるというか、刀城言耶は探偵ではなくあくまでも一作家に過ぎないと暗に言っているようで好印象でしたけどね。
では以下、トリックのネタバレ含む感想となりますのでご注意をば。
さて、本作の最大の特徴でもあるあとがき以外の全てを使った大仕掛けといってもいい真相ですが、なるほどこう来たかといった感じですね。んー一応叙述トリックに入る・・・のかな?意図的にカカシ様の心理が描かれていなかった訳ですし。しかしそれも小霧が本当に自身をカカシ様と同一視して、文中で村人のカカシ様への信仰心を描くことが小霧の心理描写を描くことと同意だったわけですから、ちゃんと辻褄が合うところが凄いですね。
どう見ても最初からあまりにも怪しすぎて、逆に怪しくなかった黒子が犯人で、中身が神櫛家の次男だったという推理の時点では、うーんまあ面白かったけどミステリとしてはそれ程のレベルじゃないのかなーと浅はかながら感じていたのですが、そこからの紗霧二重人格説をさらに却下してからの真相。天啓のように刀城さんの脳裏に舞い降りた真犯人は流石に驚きでしたね。
そして最後の刀城さんによる詳しい解説により、如何に本作がフェアだったかが明かされます。その細やかな作りこみには脱帽ですね。語りすぎは野暮だといっていましたが、存分に語ってもらわないとこっちが解らないってば。一応の体としては、刀城さんが自身のレポートと連三郎、紗霧、小霧の日記を基に、特に小霧の日記の特徴を利用して一つのミステリ小説に纏めたものを読者が読んでいた、ということだったわけですね。そう考えるとあとがきが刀城さんの自画自賛に聞こえてしまうのですが、まあご愛嬌w
ただ気になったのが、警察が無能なのはお約束とはいえ、殺人が起きた谺呀治家の家探しがロクに行われていなかったことですね。一発で小霧見つかって事件解決したはずなのに・・・この辺ちょっと読み直してみないと解らないのですが、何か説明がありましたっけ?狭霧刀自が拒否したっていっても限界があるでしょうしねえ。
何れにしてもホラーとミステリを融合させた独特な雰囲気に加え、大胆で壮大なトリックは見事な出来栄えですので続刊も読んでみたいと思わせる魅力を持った作品でした。
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