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チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007
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 フェイバリットより、いろとりどりのセカイのファンディスク、いろとりどりのヒカリです。
 そもそも、某サイトで、このいろとりどりのヒカリの評価がやけに高いのを受けて、いろとりどりのセカイをプレイしたという経緯だったんですよねw
 
 
 グラフィック、BGMは継続のため、特に語ることはありません。強いて言うなら開発期間が短かったせいか、少しイベントCGは粗さがあったと思います。あとSD絵の人が変わったような・・・?個人的には前の方のが好きですかね。
 
 
早速ですがシナリオ。
 
 基本的に、各ヒロインルートのアフターが用意されている感じです。ただし、真紅以外に関しては、色々と物議を醸し出した、「いろとりどりのセカイ」のお話なので、賛否あるかと思います。・・・といっても、そこが納得出来ない人は、そもそもファンディスクに手を出すことはないだろうから問題ないのかな?
 ボリュームは、むしろ本編以上にあるといってもいいぐらいあり、内容もファンディスクというより本編の一部といった印象。プレイ時間は各ヒロイン4時間+αで総プレイ時間は20時間超えの長編です。
 
 
 
 少し脱線しますが、ファンディスクの評価ってなかなか難しい要素があります。そもそもファンディスクというものは、本編をプレイして補完やその後の話しを見てみたい!と思うほどに気に入った人しか手は出さないわけですよ。いわばふるいに掛けられた人たちですね。
 
 で、その人達は、本編の賛否両論だった部分は概ね「賛」側であるはずであり、あとは期待通りの補完やアフターが丁寧に描かれていたのなら、高評価に落ち着きます。
 総データ数を考慮する必要はありますが、50~90点が平均的に付けられていた70点のゲームがあったとして、そのファンディスクのユーザーは、本編に対し80~90点をつけた人が大半だと思うんですよ。その人達が同じく80~90点をつけたとしたら、ファンディスクの点数は本編を遥かに上回る85点のゲームとなる。で、何も知らない人は、ファンディスクが高評価を受けてる→本編も面白いんだろう→あれれぇ? というルートを辿ることになります。下手をするとファンディスクからプレイしちゃうような人も出てくるかも知れませんね。
 
 何が言いたかったかというと、ファンディスクは単体で評価出来るものも中にはありますが、基本的に本編ありきで考えるべきであり、普通のゲーム以上に評価の点数を真に受けないこと、が重要だということです。
 
 
 
 脱線終わり。シナリオの話に戻ります。
 
 
 
 はっきりいってファンディスクとしての出来は非常にレベルが高いと思います。というより、本編に入ってるべき内容だったという印象ですね。各ヒロインルートは、本作をもって初めて完結するといっても過言ではない。特に、鏡、つかさに関しては、本編のボリュームがあまりにも短かったこともあり、こちらが本編といってもいいぐらいのボリュームがありました。例えて言うならバルドスカイのDive1とDive2の関係みたいなもので、2つ合わせて初めて完成されます。
 
 

総評:7点


 
 以下壮絶なるネタバレとなりますので、ご注意をば。
 


 

拍手



 加奈ルートでは、白さんの本を見つけ、蓮の別れをちゃんと済ませることが出来ました。それを受け、その後の加奈と母親との別れも描かれました。管理人と白さんの関係も明らかにされましたし、本編で補完が欲しかった部分は全て網羅していた印象。
 
 澪ルートは、エンディングで半透明だった理由や、神崎とおるの補完。他ルートに比べると一番ファンディスクらしいお話だったかな。
 
 鏡ルートは、ある意味最も補完が必要だと感じていたところでしたが、加奈ルートと同様補完して欲しい部分はほぼ網羅し、かつファンディスクらしいイベントも挿入されていてよかったですね。
 兄・敷島蓮夜の真意や、敷島家の顛末。そして何よりも蓮夜と白の再会が描かれます。
 
 つかさルートは、宝くじにあたったつかさが商店街への恩返しと活性化を目指すお話。ラストには”働かなくていいセカイ”の顛末も描かれます。
 
 真紅ルートは、本編のアフターですが、最後に主人公は姿を消してしまいます。ここからが”いろとりどりのヒカリ”のお話の始まり。藍ルートは、主人公に本物の鹿野上悠馬が、連れ去られるまでのお話を描いたもので、少し短目。
 
 
 澪ルート以外は、シリアスな要素が入ってくるのですが、いずれも肝心なところがすっ飛ばされているのは賛否両論ですかねえ。鏡は鈴さんと主人公が敷島家制圧するところとか、つかさは主人公が異世界にいって銭湯家族や、つかさの家族、おばあちゃんを助けたところとか。物語の雰囲気的にあまり合わないから意図的にカットしてる感じもありますが、ただでさえヘタレ気味な主人公なんだから、少しぐらいカッコいいところ見せてくれてもいいんじゃないかと思うんですよねw
 
 
 以上、全てのルートを終えると、真紅アフターの続きが描かれます。それは主人公の贖罪の物語。本物の悠馬は、藍から管理人権限を奪い、主人公を呼び出す。そこで彼は主人公に贖罪を求める。自分の身勝手で創りだした”いろとりどりのセカイ”で、不幸を設定されたヒロイン達に許しを請え、と。
 
 
 本編のセカイ設定に加え、本作ではさらにその設定が複雑に付け加えられ、色々とめんどくさい話しになっています。ちょっとまとめてみます。
 
 
 まず、本当の物語の始まりは、ハクとレンという親子でした。明らかになるのはラストですが、このハクの夫であるのが真・悠馬の魂。ハクの魂は藍であり、レンは主人公でした。
 
 戦争で亡くなった夫を想い心をすり減らしてしまったハクは、レンのために書いた、「ハクとレンの物語」のラストをあなたが大嫌いだった、と残してしまう。
 
 レンは深い悲しみに捕われたまま生涯を終えてしまい、古書店の管理人となる。そこからは本編の通り、恋に興味を持ったレン(主人公)が悠馬と藍を連れ去り、真紅に恋をし、いろとりどりのセカイを作る、という流れですね。
 
 主人公に悠馬が説教している一方、現実の真紅の世界では時が流れていました。主人公は灯台から落ちて植物人間になったまま。真紅は主人公の子供を産んでいました。年に一度だけ半透明の主人公と邂逅出来る日を糧に懸命に生きる彼女でしたが、ある年、展望台から落下しその怪我が元で亡くなってしまう。
 二人の子供・青空(そら)は、鈴と時雨に親代わりとして育てられていました。彼女は泣き虫でしたが、それはハクから切り離された悲しみの感情から生まれた存在であったからです。
 で、管理人の権限を奪われた藍は、なんとか二人を助けたいと考え、本の姿となって青空の前に現れる。半透明の魔法使いとして。
 
 青空は、藍から魔法を受け継ぎ、物語のラストを書き換える。”あなたのことが大好きだった”と。不幸な世界が、”いろとりどりのヒカリ”の魔法で一つにまとめられる。いろとりどりの世界でそれぞれ幸せになった自分からのエールも受け、ようやく主人公は真紅の元へ帰ることが出来たとさ。Fin。
 
 
 色々足りない部分もありますが、極簡潔に言うとこんな感じです。ボリュームも相当あり、かなり骨太な内容となっていたと思います。本編をかなりの部分で補完しているため、本編で納得行かなかった人もある程度は納得の上でハッピーエンドを見ることが出来たのではないでしょうか。
 
 鈴さんと管理人が青空の親代わりになっていたのは、良かったですね。CLANNADのアッキーと早苗さんを彷彿とさせるような・・・というか、別れ際に鈴さんが泣いていたところとかオマージュかと思ったぐらいですけどw しかしあの世界の鈴さんと管理人は親子だったはずなんですが、いつの間にか夏目くん、管理人って呼び方に戻ってるのね。義理とは言え親子なんだから夏目くんって呼び方はどうかと思うよ。
 
 
 
 
 
 
 
 本編を凌駕するぐらいのボリュームと世界設定の補完とまとめ、各ヒロインルートの救済など、ファンディスクとは思えないぐらいの豪華な仕上がりでした。ただ、全体的なテキストの印象は、相変わらず良くないです。本編でもそうだったように、無駄な装飾や改行が多すぎる。
 今作は各ヒロインルートやグランドルートも作りこまれていたんですけど、正直その大半が、本編で突っ込まれた粗を色々理由付けて、後付けで解消したように思えるんですよね。澪の「あたし」と「わたし」なんて明らかに打ち間違いだったでしょうよw 蓮夜のバス停にいた理由とかルートによって性格が違ったりとか宣戦布告の手紙とかも後付けっぽいんだよなあ・・・。真紅ルートの鈴さんと管理人って親子の設定だったはずが、いつのまにか義理の親子にされてたり、グランドルートでは呼び方戻っていたりとか、二人の関係をどう着地させたいのかわからんわ。
 
 あと、本編に増して主人公が気に入らない。罪悪感を抱えてるから仕方ないとはいえ、ウジウジウジウジ見ててげんなりしてくるんですよ。これはライターさんの問題だとは思いますけど、悠馬との会話が滑稽で仕方ない。主人公が古書店に呼び出されて説教されて、いろとりどりのセカイの扉の前に立つ。で、許してもらってこい→嫌だと言ったら?→その時はここで二人で暮らす云々→そいつはごめんだなみたいな・・・何、この会話?カッコつけたかったのかなんなのか知らないですけど、嫌だと言ったら?なんて言う展開でも立場でもないでしょう・・・。なんで主人公に余計なこと言わせるの?黙って扉に入ればいいだけなのに。
 こういうカッコつけようとして失敗してるような、無意味なやり取りとか会話が多すぎるんですよね・・・。世界設定はこのままでいいからライターさんを変更するだけでも相当良くなると思うのになあ。
 
 
 
 
 一番批判の対象になっていたと思われる”主人公の贖罪”っていうテーマの掘り下げについては、補完すべき内容ですしいいと思うんですけど、ハクとレンやそもそもの主人公が背負う悲しみの原因とかは明らかに後付けですよねえ。
 
 これはファンディスクを作るにあたって、主人公の幸せを描く→贖罪がないとユーザに納得されない→主人公も被害者だったことにする→その原因を取り除いてみんなハッピー という展開しか思いつかなかったからだと思うんですよね。
 たしかに罪を負ったものが許されるのか否かというのは非常に難しい問題で、誰もが納得出来る理由なんて作れないんですよ。でも難しいことなんてみんな百も承知で、だからこそその贖罪をどう描くかにライターの力量が問われるわけです。しかし本作ではなんだかんだいいながらも、結局主人公も被害者の立場にして、贖罪の是非を有耶無耶にしてしまった。個人的にはこれは逃げだと思いました。
 
 
 一番納得いかないのが、この物語で真紅には何の非もないのに、一番被害を受けている点ですよ。この辺りが主人公と共に悠馬も、強いて言うなら藍も気に入らない理由です。主人公は言うまでもなく、悠馬は大好きなはずのもう一人の幼馴染をあんな目に合わせている点、そして自分も主人公の根源の悲しみに関与しているのに知らぬ存ぜぬの態度。藍も同様に主人公の悲しみを作った張本人であり、本来お前も主人公に対して”許す”なんて言える立場じゃねーだろう、と。
 
 まあハクとレン周りの話は後付けでしょうから、こういった矛盾が出るのは当たり前なんですけど、もうちょっと整合性というか推敲して欲しかったなあと思いました。いや、色々と良い要素を持ってるセカイ設定なのに持て余してる感じがして非常にもったいない印象があるんですよ。素材はいいのに、料理の腕が悪くてチグハグな食事が出てきた感じ。
 
 なんで無理やり主人公の過去と悠馬・藍を絡ませちゃったんだろうなー。そのせいで悠馬の憎悪もお門違いなものになってしまったし、話がややこしくなったと思う。本編で、主人公に許すといった藍の尊い善性もなんだか微妙なものになってしまったような気がする。
 
 主人公が悪いことをしたけど幸せになった(本編)→犠牲になったセカイや写本の人々への贖罪→主人公が罪悪感から開放される→本当に真紅と幸せになってハッピーエンド というシンプルなストーリーで良かったと思うんですけどねえ。
 ああ、でもいろとりどりのセカイで各ヒロインと幸せになった自分からのエールっていうのは良かったと思いますね。各ヒロインルートが茶番だった、というのもかなり批判の的だった部分でしょうし、個人的には、そこが一番補完して欲しいところでしたから。特に鏡シナリオの式の使い方は上手かったと思います。
 
 
 実際、主人公が贖罪する対象って、いろとりどりのセカイのヒロインだけじゃなく、魂の乱獲の被害に遭った人も含まれると思うのですよ。最終的には帰ってきたとはいえ色々な世界で悲しみを生んだことは間違いないわけです。はっきりいって最初から贖罪なんて出来るはずもないんですよね、あまりにも罪が重すぎて。
 だから私はこの問題に関しては、本編のラストで、主人公が真紅を幸せにすることはもちろんのこと、周りの人々も幸せにしていくぐらいに前向きに生きて、生涯を全うすることで初めて贖罪となり得るんじゃないかなーという解釈だったので、別段不満とは思っていなかったんですよ。そう思っていたところに、被害者面してんじゃねーよと言われた主人公が、本当に被害者だったというオチにされてしまったのは、なんだか逆に納得出来なくなっちゃった気もするんですよね。
 
 ああ、なんかすみません、文句ばかりになってしまいました。もうこれぐらいにしとこう・・・。
 

 
総評
 
 ファンディスクのレベルを超えた内容であり、本編を気に入った人ならば、間違いなく買い。ただし、殆どがシリアスな内容のため、従来のファンディスク的なイチャラブ要素を求めている人は少し考えた方が良いです。ファンディスクというより続編と評した方が正しい。
 シナリオは相変わらず賛否両論の内容ですが、終わり方自体はハッピーエンドですし、細かいことを気にしない人ならば、すんなり受け入れられると思います。特に前回捨て駒だった各ヒロインルートはよく補完されており、ここは手放しに褒められる部分です。




 

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Comment
無題
>実際、主人公が贖罪する対象って、いろとりどりのセカイのヒロインだけじゃなく、魂の乱獲の被害に遭った人も含まれると思うのですよ。

失礼ながら、これは必要ないのでは?
いえ、謝る必要はあるかも知れませんが。
理由としては、すべての人間も等しく主人公に謝る必要があると思うのです。
主人公は数万年の間ずっと最果ての図書館の管理者をやらされていました。すべての人間はこれを放任にして来たことになります。
新しく作られたセカイの住人は抜くとしても、被害に遭った誰が主人公に文句を言えましょうか?
管理者の権限は非常に簡単に受け渡しができるようですから、管理者じゃないから俺の責任ではない。とは誰にも言えませんし。
正直主人公かなり不遇だと思います。
通りすがり 2012/10/24(Wed)11:30:13 編集
Re:無題
コメントありがとうございました。
すみません。いろとりどりのセカイの人々への贖罪と魂の乱獲にあった人に対する贖罪を一緒くたにするのは良くなかったですね。仰るとおり謝罪するぐらいでいい・・・とは思いますが、許せない人も出てきそうです。


ただ、すべての人間は最果ての図書館で転生してきたとはいえ、その具体的な管理システムや主人公の置かれた状況まで知ってる人間は殆どいなかったと思います。

どこかのセカイに優しい神様がいて、人間を幸福に導いてくれる。
個人的な考えですが、その神様が実は苦しんでいたとして、その悲しみを知らずに幸せを享受していた人間達に罪があるかというと少し疑問に思います。

作中で、主人公が苦しみに耐えかね誰かに管理者権限を渡そうとして拒否された、みたいなエピソードが描かれていたのならまた違った印象だったと思います。楽しそうに会話する主人公を見て、この人は苦しんでいる、と思った人間はいなかったでしょうし。

人々と話をする中で恋に興味を持つ→ユウマ・藍と邂逅→管理者権限放棄という流れでしたからね。例えば、何億もの人間に対し「恋を知りたいから管理者を変わって欲しい」と彼が願って、それでも誰一人代わってくれる人間がいなかったのならば、この結末も通りすがり様が言うすべての人間の罪も理解出来たのですが・・・。少なくとも、主人公がそれをせず、古書店の管理を放棄してしまったことにより理不尽な悲しみを背負う人間が増えてしまったのは事実ですし。


ちょっと話が逸れて申し訳ないのですが、穿った言い方をすればいろとりどりのヒカリでも、結局主人公は藍を犠牲にして真紅と幸せになったとも言えますし結末にはあまり納得がいっていません。そもそも誰かが神様の役割をして、犠牲になるセカイ構造そのものが問題であると思います。だからこそヒカリでは、このシステムそのものの再構成か、最果ての図書館で藍とユウマが再会して二人仲良く神様をやっていく、みたいな結末を期待していたんですよね。すみません、これは私のただの愚痴です。。。


偏った考えになりがちな私ですので、こういったご意見はすごくタメになります。


2012/10/30 10:19
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