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チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007
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FF13-2ももうすぐ出ようかとしているこの時期に、ようやく終わりました。
ということで、FF13です。

発売当時から現在に至るまでずっと賛否両論の本作(最近のFFっていつもそうだと思いますけど)ですが、割と冷静な目で評価したいと思います。







まずはグラフィック。腐ってもスクウェアといったところか、ポリゴンの出来は業界でもトップレベル・・・の顔。ハードの性能を活かし、アップにも十分に耐える代物です。モブキャラとかの顔が結構適当だったりするのは仕方がないにしても、メイン以外のサブキャラクターの造形も作りこんであったのは中々凄い。その反動なのか、体はかなり粗い作りで肩とか指とかは思いっきりポリポリしています。ただアップが必要になったりするのは主に顔なのでコストパフォーマンスを考えたらこうなるのも必然だったのでしょうね。

プリレンダムービーはもちろんのこと、リアルタイムムービーも上記のポリゴンの作り込みも相まって素晴らしい出来でした。べつにリアルタイムだからといって操作出来たりするわけではないのですが、プリレンダとの落差が少なく、カットシーンを多く作れるのはゲーム製作的には凄いことですよね。しかしリアルタイムであることを活かした海外の有名作、GOW3やアンチャーテッドなんかに比べたら少し見劣りする感はありました。



音楽面。今回は植松氏が全く関わっていない?のか12にも増してFFらしさが薄れていました。戦闘後のお決まりのファンファーレもないです。しかし各曲の作り込み、音質等は素人目にも非常に素晴らしいと感じました。特にオリジナルの「閃光」は最高に良い曲。

ただしサガフロ2などでもそうでしたが、作曲の浜渦氏は一つのメインテーマを様々にアレンジして全編で流し、作品の統一感を高める手法を用いる方でFF13でも「閃光」の色々なアレンジが登場します。ここは賛否両論でいつも同じメロディで飽きるといった人もいるみたいです。個人的にはボス戦はもうちょっと盛り上がるBGMにして欲しいなーと。




システム面。賛否両論のファクターの一つであろう戦闘システムです。私の最終的な印象としては面白いシステムでした。まず特筆すべきはそのスピード。数あるRPGの中でもここまでテンポが良くスピーディな戦闘が楽しめる作品はそうそうないと思いました。

システムの要素を一つ一つ掻い摘んで見ると実は新しいことはあまりなく、ロールとオプティマはX-2のシステムを改良した感じだし、クリスタウムは10のスフィア盤に近い。操作キャラは一人でパーティキャラはオートという辺りは12のガンビットシステムを世襲している感じ。最近のFFのシステムをブラッシュアップしてスタイリッシュにまとめたですね。また、MPの概念がなくアビリティや魔法は時間で溜まるATBを消費して使用するため使いたい放題だったり、戦闘後にはHPは満タンに回復したり状態異常も治ったりしますので、非常にテンポが良いですね。ロード時間の短さも相まって戦闘することが億劫になりにくいです。

キャラ性能も最終的にどのキャラも同じような性能になってしまうX等とは違い、全てのロールをマスターしてもステータスやアビリティに個性が出るため最後までパーティメンバーとオプティマを試行錯誤する楽しみがあって良いですね。


あとはX-2のチェーンシステムを昇華させたようなブレイクシステム。これも爽快感を出せていて面白かったですね。どちらかというとヴァルキリープロファイルの方が近いかも知れませんが、敵を撃ち上げてコンボを繋いでダメージを底上げしていくシステムです。999%までダメージボーナスを上昇させて最後にファングのハイウィンドで締め!とかはなんとも気持ちいいですw 雑魚やボスの大部分はブレイク前提のHPに設定されているため、如何に敵をブレイクさせるかが戦闘の肝となります。何百万というHPもブレイクさせれば意外と簡単に削れちゃうというハイパーインフレです。

始めは目まぐるしく展開する戦闘に思考が置いてけぼりになりました。オートコマンドが優秀過ぎてボタン連打するだけで序盤はなんとかなっちゃったりしますが、中盤以降はオプティマを効率良く入れ替えたり、手動でコマンドを入れる必要が出てきたりと難易度が格段にアップします。スタッフ曰く、雑魚戦でも全力投入出来るような緊張感あるシステムを作りたかったらしいのでその点は成功していると思います。難易度は結構高めに設定されていて正直昨今のヌルゲーマーにはきっつい戦闘も多々あります。しかし中盤以降ではパーティや戦略にもバリエーションが出てくるためしっかりとレベル上げをすることと弱点などを考え戦略を練ることで突破出来るでしょう。





と、システム面でここまで良い点がありながらも賛否両論となってしまった本作。それはシナリオの性質もあるでしょうがひとえに全体の構成が非常にアンバランスであるのが最大の難点です。

良く本作を揶揄して言われるのが「チュートリアルが終わるまで20時間掛かる」とか「戦闘でボタン連打しかしない」など。後者はともかく前者に関しては私もいや流石にそれはないだろう・・・などとタカをくくっていたのですが、これが真実だったというのが本作の悪評価の決定的な点。

チュートリアルというのは流石に言い過ぎなんですが、本作の戦闘の面白さは上述したように敵によってパーティメンバーを切り替えたりオプティマを構成したりという点にあります。しかしパーティメンバーを自由に構成出来るのは全13章のうちの9章になってようやく。さらに11章からようやくフィールドらしいフィールドに降り立ち冒険してる感じが出ます。

 この構成だけはどうにも擁護しようがないですね・・・。なんでこんなことになっちゃったのか。5章ぐらいで仲間もロールも出揃って広大なフィールドを探索出来てたら現在とはまた違った評価になったのではないかと思います。



一本道マップが多いのはFF13は特に目立ってますけどぶっちゃけ今に始まったことでなし、私はそれほど気にはなりませんでした。問題はグラン=パルスに辿り着くのが遅すぎたことにありますので。

というかMPの概念がない時点で入り組んだダンジョンとか用意されても果たして楽しいのか?と思うのは私が年取ったからですかねw 残りのMPと相談してボスだけでも倒すために奥へ進むか、宝箱だけ回収して一度撤退するかみたいな決断の必要もないですし。それよりもせっかく戦闘のテンポが良いのだから、変に仕掛けだとか謎だとかを解くのに時間を割かずにストーリーもテンポ良く進めてもらった方が余程良いです。



 
 シナリオが先か構成が先かはわかりませんが、シナリオも変に全員を主人公的に扱って群像劇にするから全体的にキャラ描写が薄いものに。オートグリップを殆ど見てない私からするといきなりレインズとかいうイケメンが敵になったって衝撃もクソもないですよ。戦ってる時にあ、こいつシドだったんだって気付く始末ですし。もっとライトニングを軸に据えたストーリー展開にした方が他の仲間やサブキャラクターも映えたんじゃないだろうか。むしろヴァニラとファングが主人公で良かったんじゃないかと。
 
さらにそのシナリオ構成の煽りを受けて、中盤までライトニング+ホープ、サッズ+ヴァニラ、スノウ+ファングみたいな感じで戦闘を行うことが多いのですが、これがまた微妙だったり。本作のテンポの良い戦闘も操作キャラ1人+仲間2人いて成立するという点が大きいのですよね。

例えばサッズがアタッカーのロールを覚える前のサッズ+ヴァニラパーティとかは敵をブレイクすることが出来ず戦闘が無駄に長引いたりします。使えるロールも少ないので戦闘がボタン連打になってしまうのも無理ないといった感じ。ロールやアビリティが終盤に向かうに連れてバリエーションが増えるのは当然のことですので良いのですが、せめて自由にパーティ編成出来ていれば序盤~中盤の中だるみも抑えられたのでは?と思う次第ですね。

 
 
世界観について。パルスのファルシのルシがコクーンからパージされて・・・とか揶揄されてましたけど、実際は専門用語だらけのゲームというわけでもなく、この程度の用語があるだけで別段取っ付きにくいわけではないです。分からなくてもオートグリップを見れば大体理解出来るはずです。

あとは連鎖アビリティや改造素材などは作り込みが甘いというかなんか開発途中って感じがしたのがマイナスですかね。種類が膨大にあるのに生体素材なんてどれ使っても一緒だし機械素材も結局効率の良いものしか必要じゃなかったりで勿体無い。
他の不満点としては、視点カメラの慣性が強くて3D酔いしやすいこと。これは正直お粗末な出来。それとパーティメンバーを変えるとオプティマが完全に再設定しなければならないところとかは他がストレスなくプレイ出来るように工夫されてるのもあって不便に感じた点ですね。





と、長々と語りましたがそろそろ総評。

非常に惜しい良作ゲー。スピーディでテンポの良い戦闘とそれを助長する無駄を省いたシステムにはコマンド式RPGにおけるひとつの完成形を見ました。しかしゲームの構成上の欠陥によって正当な評価を受けることが出来なかった不遇作。(自業自得ですが)

シナリオについては・・・なんだかライトニング達の目的がふわふわし過ぎて正直感情移入出来なかったのは否めません。盛り上がるべきシーンでもわけがわからないよという印象が強すぎて置いてけぼりを食らっていました。あとスノウの「ニッ!」が無性に鼻につくz(

20時間我慢出来る根気さえあれば、十分に楽しめるゲームです。

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