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チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007

nitro+より装甲悪鬼村正です。
このメーカーもファントムから早10年。
10周年作品として発売されたのがこの作品です。

割と当たり外れも大きいメーカーですが、
今回のシナリオ担当は奈良原一鉄氏。

数あるニトロ作品の中でも
特に好みの分かれると思われる刃鳴散らすを書いた人ですね。
私としてもかなり異質な作風っていう認識が強かったです。

正直な話、プレイ前は記念すべき10周年作品をこの人に
任せちゃっていいのかな?みたいな失礼な感想を抱いていました。

・・・が、すべてのルートを終えた今断言出来ます。
他メーカーならともかくニトロプラスの10周年作品としては、
下倉バイオ氏でもなく、鋼屋ジン氏でもなく、
虚淵玄氏、あるいはこの奈良原一鉄氏こそが正に相応しかったのではないかと。
というわけで感想です。



総評:9点



勧善懲悪へのアンチテーゼのような、善悪相殺という戒律。
おそらく最初は大半の人がこの善悪相殺には納得出来ないはずです。
しかし、魔王編、悪鬼編を終えた時、
主人公・湊斗景明の生き方を認めざるを得ないのではないでしょうか。


ともかくニトロプラスの総力を結集した魂の作品であることは間違いないです。

本当に世にある殆どの作品がぶつかりながらも見過ごしたり、
スルーせざるを得ないテーマだと思うんですよね、人殺しの業というのは。
戦いをテーマにした少年漫画や青年漫画はもちろん小説、映画、ゲーム・・・。
創作物の中で、生命の奪い合いが発生しない作品の方が少ないぐらいでしょう。
装甲悪鬼村正はそこだけを深く、痛烈に感じる程深く掘り下げたゲームです。
ここまでの作品はなかなかお目にかかれないと思いますね。

悪人を完全な悪とし、勧善懲悪を謳う作品。
人殺しすることそのものを悪とする作品。
業を背負うことを覚悟し、やむを得ず人殺しを行う作品。
全て正しくもあり、正しくはないという矛盾を持っています。
それらと同質の考え方である一条も、
湊斗統も湊斗景明もみな肯定され、否定される世界観。

悪鬼編のラスト、主人公・湊斗景明は村正とともに、
誰もいない静かなところで暮らそうと汽車に乗ろうとする。
第3者視点からすると、このまま二人で静かに暮らして幕を閉じて欲しい。
そういう気持ちがありながらも、それが絶対に許されないだろうことを
プレイヤーはほぼ確信していると思います。

そして、それはやはり雪車町一蔵によって阻まれる。
逃げることを止めた湊斗景明は、悪鬼となって
善悪相殺の戒律の元、争いが無くなるまで戦い続ける道を選びます。

じゃあこの生き方が正しい選択だった、という結論のお話なのか?
といったらやはり否。善をも殺すのが正しいわけがない。

あのまま逃げて、村正と二人静かに暮らしていく。
あるいは村人に協力して橋を作るような、
人殺しとは無縁の場所で人助けを行いながら生きていく。
私はそんなエンディングでも良かったんじゃないか?
そう思いましたが、それじゃ許してくれないんですよね、このシナリオライターさんはw
景明と村正にしか為し得ない善悪相殺の体現。
それがある限り、景明は悪鬼となって善さえも笑いながら滅ぼし、
戦いの本質を世に知らしめることを自ずから選ぶ。

どういう生き方が正しかったのか、なんてことを教えてくれない。
非常に重くて痛くて骨身に染みるシナリオでした。
うーん私も言いたいことが上手くまとまらないですw

 


っとなんか中身がないことばかり語ってしまった気がするので、
ちょっとばかり全体の評価をば。

まずグラフィック。
アージュのシステムに負けず劣らずの画面演出で、
流石に業界トップメーカーといったところです。
なにより今回はデモベ以来の3DCGオンパレードのメカもの。
ツルギのデザインも凝ったものが多く楽しめましたし、
それを使った空中戦闘もなかなか迫力がありました。

音楽も変わらず高いレベルでまとまっています。
ヴォーカル曲も多いですしねえ。

キャラ。
おそらく作品最多ではないかと思うほどの人数がいましたが、
第1篇のキャラですら捨てキャラになってないこだわり。
このあたり素直にすごいなあと思いました。

シナリオも含みますが、私は体験版からやったわけではないのですが、
第1篇、第2篇については丸ごと体験版でプレイ出来るという豪華ぶり。


第1篇では、事前情報0でプレイするのを常とする私からすると、正に衝撃の一言。

あーなんかニトロらしくもないふつーの学生主人公か・・・
まあ色々あって変わっていくんだろうな・・・とか思ってたらアレですよ。
流石に暗黒星人が出てきてからは、あ、こっちが本当の主人公か、
とは思いましたが・・・w

それでも凝っているんですよね、
物語開始時既に故人となっている仲良し4人組の律すらキャラが立っている、
という徹底ぶり・・・w
香奈枝の伏線もあったため、新田雄飛の結末にはかなり驚きました。
残った小夏、忠保も後半に出てきて、景明を苦しめ、村正を変えていきますし。
足に大きな傷を負い、友達の一人を失い、残る二人も精神的、肉体的に傷つけられ、
それでも絶望に囚われず、俺たちは何も失っていない!と叫んだ雄飛。
大鳥家の正当なる嫡子。彼は正しくて、眩しくて、
出生含め普通に主人公としての素質を持った少年だったと思います。

それでもこれは英雄の物語ではなかった。
だから彼は村正の善悪相殺の犠牲になってしまいます。

2篇ではいきなり出てくる章ボス・長坂右京。
正直パッと見で、一個中隊長程度の雑魚オッサンだと思っていたらいやはや。
しかも駆るツルギは数打ですからねえ、楽勝と思いきやなんともの苦戦。
このあたりも意表を突かれましたねえ。
心甲一体とは程遠い状態にあるとはいえ、決して景明が絶対的な超人ではなかったり、
剣術の蘊蓄がところどころにあったりで、奈良原節が色濃く出ていました。
そして右京も最後にジャイアント右京として再登場までする始末w
いや、ほんとに捨てキャラがいないです。

後はライナーノーツでも言われていましたが、
物語中重要な秘密があるんですが、その辺って
明示的には描写されないんですよね、これまた。

光の父親。
これについては、たしかにずっと違和感があったんですよ。
統があなたはこの娘の父親ではない、と赤子を抱きながら語りかけるシーン。
あのシーンは普通に読み進めているなら、「おれ」は光自身であり、
自分と父親が断絶されるシーンを垣間見てるように見えます。
しかしその父親である鎌倉署長と光の接点が全くない矛盾。
唯一父親の愛だけを求めているのに、景明を同じ領域に求める矛盾。

まあフラッシュバック気味に統様らしき裸身が出てましたし、
今思えばなんで気付かなかったのかな~とは思いましたねぇ。
ちなみに私が気付いたのは終盤も終盤、統が光を抱いているシーンの続き、
父としてではなく、兄として・・・のシーンでしたw
答え合わせの段階でようやく気付くという読解力。

いやはや・・・しかし光の年齢が過去編で少なく見積もって12歳、
2年後の作中で景明がまだ20代だと言っていたので大目に見積もって28歳、
ということは、大体13歳以下で種付けしてたことになるんですよね・・・w
ん?・・・って今さら気付いたんですがこの関係って、3篇の皇路兄妹の関係と
ちょっと似てたんですね・・・色々伏線が張られていた可能性大・・ですね。

後はこれは真実どっちでもいい設定かもですが、
大鳥獅子孔と景明は実の兄弟っぽいですねえ。
どちらもみなしごでしたし、言われてみれば顔の造形が似てる感じ。

後は茶々丸の3編での意味有り気な台詞など、
裏設定を知っている状態で改めてプレイすると
色々楽しめるようにつくられているんですよね。

前述したような強烈なテーマ性だけでなく、
こういったシナリオ的な面白さも兼ね備えているのは流石といったところです。

うーんあとは声優さんの演技が良ければ・・・。

男性陣は概ね良好でした。豪華ですしねw
ただ・・・う~ん一条はともかく、
ちょっと香奈枝の声優さんはミスキャストだったのではないかと、
思ってしまうんですよねえ・・・。
合っていない、というわけではないのですが、叫ぶシーンとか色々
何故か違和感が拭えないままでした。
一条と光も男性陣のハマりっぷりに比べると
いささか劣るかな~って感じでしたので、少し残念でしたねー。

村正は2世、3世ともに良かったですけどね。特に2世は北都さんですしw
とりあえず一癖も二癖もあるヒロインが多い中、
蓋を開けてみればなんと3世村正だけがまっとうなふつーのヒロインだったという本作。

一人は正義を振りかざす、臓物ブチマケ少女ですし、
もう一人は人殺しが趣味の複眼女性。

私的にもダントツで可愛いと思いましたけどね、村正w
基本的に健気で一途で、ちょっと世間知らずな女の子ですからねぇ。
褐色属性は全く無かったんですが、本作でちょっと目覚めそうです。
でもなんか蜘蛛状態の時のが可愛かった気がする私はもう末期か。

擬人化の一発目のとこも飲んでたもの噴きましたからねw
まあお約束と言えばお約束なんですけど、
あまりギャグやってられない展開が続く中、すごく癒されました。

 山賊の頭領・・・瑞陽でしたっけ、彼女も至極真っ当でしたけどね。
あそこで死ぬのは惜しかったですが、景明の中では最後まで大きい存在になってるのが良かったなあ。
 

復讐篇は私があまり香奈枝が気に入らなかったのがあって、
ちょっといまいちな感が強かったですねえ。
香奈枝の異常性はちょっと面白かったですが。
獅子孔との過去ももうちょっと掘り下げてくれてもよかったかなーと。
まあ香奈枝の異常性がなんとかならない限り、結末は見えていますけど・・・w

しかしバロウズって全ツルギの中でも相当強くないですかね?
チートに近い隠義?に加え、香奈枝自身の複眼による動体視力。
獅子孔も不意打ち気味だったとはいえ手も足も出なかったみたいですしねぇ。

 

英雄編は半分は一条が主人公だと言っていいと思います。
鬼畜に劣る所業を行った悪・遊佐童心。
それを討ったことによる仇討ちとして、命を奪われかける一条。
童心の小姓だった少年にとっては正義だった遊佐童心。
絶対正義を唱える正宗すら反論は出来なかった事実。
それでも正義はある、そう言い放つ一条。

ラストは村正VS正宗。
その戦いの果てに立っていたのは一条と、真紅のツルギ。
留まることを許されず、また自ら許さない少女は、
真紅のツルギを纏い、戦い続ける。

多分この時の一条は、村正の戒律の意義を理解し、
悪鬼篇の景明のように最小の被害で戦いを納める、
もう一つの装甲悪鬼村正だったんでしょうね。
そうでなければ村正との誓約は叶わなかったでしょうし。
成長した一条のその後ももうちょっと見てみたかった気も・・・。

 

そして、魔王篇&悪鬼篇。
これが最後のルートとなりますが、
復讐篇、英雄篇と比べるとかなりスケールが大きくなります。

なんちゃら雷弾、まあ核弾頭みたいなものだと思いますが、
それと銀星号との衝突により地下115kmに存在するという
ツルギの神との融合。
この状態の光は江ノ島キックで村正を大気圏外に蹴りだすわ
もう、なんでもありですねw

対して、心甲一体を果たし、野太刀・虎徹を武装した3世村正との最終対決。
しかし、もともと他のツルギとは桁違いの力を持った銀星号が、
神と融合してさらにパワーアップしてるわけですが、
それすらも対等に戦える3世村正って・・・。
実は一番スペック上壊れてるような気がするんですがw
まあ茶々丸の力も+されているでしょうけどそれにしても強すぎですw
悪鬼篇ラスト、村正VS正宗になりましたけど、
正直野太刀がないとはいえ、正宗に負ける気がしないですよ。

ただ、時間旅行の中で未来の一条がいましたし、
多分引き分けか、正宗だけが破壊、とかそんなオチだったと思いますけどねー。
武帝は明らかに景明&村正ですので、英雄篇のような結末ではなかったと思いますし。

そういえば、光との対峙時、英雄篇で光を倒すことが出来た、
肉体を直接射出する技が通用しませんでした。
あれ?なんで英雄篇ではバリア使わなかったの?って思ってたんですが、
よくよく考えてみると英雄篇の光って村正と戦う前に、
雷蝶閣下と戦ってるんですよね。

正宗を一蹴するほどですから、恐らくバリアを破ったのって、
雷蝶様だったんですねえ・・・雷蝶Sugeee!
銀星号複製8体と、一条と香奈枝が対峙してるとき、
雷蝶様が絶対来ると思ってたのは私だけではないはずw

獅子孔に挑発されたり、茶々丸にバカにされてたり
四公方の中でも一番小物っぽかった雷蝶様でしたが、
実は六波羅最強の武人とか・・もうねえw
英雄篇で銀星号来なかったとき、正宗&村正で
果たして雷蝶を倒せてたんでしょうかねえ・・・。

まあ雷蝶様筆頭に、ニトロらしくサブキャラに魅力的なの多いですよねえ。
遊佐童心も桜子姫に対する所業は許せないですけど、
魔王篇での景明への助言とか・・・なんというか三国志でいうトウタクのような
悪逆非道を貫いた感じがカッコよかったですねえ。
常闇斎もカコイイし・・・さよさんと昔一緒に戦ったっていってましたが、
その話もちょっと見てみたいやもw
獅子吼が飛空艇団引き連れて助けに来たところとかもマジかっこ良すぎだし。

しかし熱い漢が多い六波羅軍に対して、どうにもGHQは印象薄いですよねえ・・・
アスカロンなんて殆ど出番なかったですし、
キャノン中佐もツルギ持ってたんでしょうけど、結局御披露目することもなく。


と、なんかまたダラダラとしてしまったので、総評。

名作。

2009年を代表する作品と言っていいと思います。
ただし、昨今に氾濫する萌えゲーとは全く別の作風です。
奇しくも2008年を代表するといっても過言ではない、
ニトロプラスの前作、「スマガ」と対極に位置するような作品です。
テキストも癖がありますし、剣術の蘊蓄も幅広く、
正直クドい描写も多いですので、
決して、万人にお勧め出来る作品ではないです。

ですが、ファントム、ヴェドゴニア、鬼哭街などの、
初期ファントムの作風が好きな人には是非プレイして欲しい作品ですね。


しかし、ニトロプラスは鋼屋ジン氏、下倉バイオ氏、
そして奈良原一徹氏、と新しい種も大成して、安泰ですねえ。
それに比べてKeyは・・・(ry
 

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