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チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007
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FLATよりatled -everlasting song-です。
 
本作は元々パソコンパラダイス?だったかな?という雑誌の付録として作られたゲームでした。詳しい経緯は解らないのですが、全3章として後にまとめ版も発売されています。実は数年前に中古ショップで1~3部をまとめ売りしていたのを買ってあってずっと放置していたという諸事情もあったりします。今回、同人ゲーの商業化で著名なFLATよりリメイクして発売されるということで、改めてプレイをしてみることに。
 
ジャンルは、タイムリープ系。
 
 
あらすじとしては、施設で育った少女・あおばが、友達の麻智を助けるために、黒魔術の本に書かれていた儀式を行い、過去へタイムスリップするというオーソドックスなタイムリープモノ。最終的にはセカイがヤバイ的な話に展開していきます。
 
うーんどこまでがパソパラ版atledの内容だったのかはいまいちはっきりしなかったのですが、少し調べた限りではどうも本作の第1章がそれに該当するみたいですね。1~3章がそのまま、atled3部作に該当していたのかと思っていたんですが。だとすると大分短い内容だったんですねえ。雑誌の付録としてはこんなものなのかも知れませんけどね。
 
 
プレイ時間は10~12時間程度。選択肢は一切無しの一本道。個人的にはこれは良かったですけど物足りない人もいるかも知れませんね。
 
 
音楽は結構力を入れている感じで、主人公のあおばや晃司、摩知、優作と音楽に対して興味を持っている人間が多く、実際作中でも挿入歌が何曲も流れ、クライマックスでも劇的に使われ、少なめのプレイ時間の中にボーカル曲がかなり多く使われている印象でした。音楽がテーマの一つになっている感じでしたね。
 
 
グラフィックは、パソパラ版から一新されているみたいです。以前の絵柄を見てみましたが、どちらが好みかは結構分かれそう。本作の方が萌え系の可愛い感じの絵柄ですね。パソパラ版は、少し古い感じの、果て青みたいな感じです。
 
システムは基本的には問題ありませんが、一部大事なシーンとかで、強制終了があったのがちょっと興ざめでした。これは私の環境の問題もあるかもしれませんので、一概に言えないのですが。

 

 
総評:7点


 
以下ネタバレ感想となりますので、ご注意をば。

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 で、シナリオ。全体としては5部構成になっています。1~3部は、それぞれ主にあおば、摩智、逢瑠を主観としたお話で、4~5部は、視点が切り替わり群像劇的に、セカイの行く末が語られます。
 
 
 1部に関しては流石というか、これで簡潔してもいいんじゃないかというぐらいのまとまり方でしたね。
あおばの成長と共に、希さんと晃司の成長も見られたのが良かったです。私が勝手に科学的なタイムリープモノだと思ってたのが悪いんですが、かなりオカルト寄りのタイムリープモノでしたね。そこは好みの問題だとは思います。
 過去に戻った術者は過去を変えることは出来ず、その意思を希と晃司が継いであおばの未来を変える。現代に戻ったあおばは、シュタゲのオカリンみたいに今までの記憶が一気に流れ込みます。希さんと過ごした日々。運動会で1番になったこと。肺を一つ失っても、あおばと街の未来のために懸命に生きた希さんの記憶。そして、生まれた時からずっと見守り続けていた晃司との記憶。希さんが長生きしたため、施設に送られるのが遅かったあおばは、麻智と逢瑠の二人ともと良好な関係を築けていました。麻智はあおばに助けられるだけの気弱な性格ではなく、朗らかで優しい少女に成長していました。
 
 といった感じでatled・完。イイハナシダナー。
 
 
 
 ・・・とはならず話はまだまだ続きます。
 ある時、カエラという謎の少女から黒魔術の本を受け取った麻智。変えたい過去があった彼女は、逢瑠と共に儀式を行い過去に戻ってしまう。そこで彼女は幼い自分自身に触れセカイから消えてしまいますが、彼女の真意はここではまだ知ることは出来ません。
 まあ、つまりは「自分は母親に愛されていたのか?望まれて生まれた子供だったのか?」ということを知りたかったんですね。しかし願いは叶うことなく彼女は消え、術者でなかった逢瑠は、元のセカイに戻って来ました。
 麻智がいったセカイはそのものが失われてしまい、本来既に死んでしまったはずの希さんだけが元のセカイに転送されてきました。そこであおば達は麻智を取り戻す方法を模索することに。
 
 一方、一番最初の麻智が怪我をし、あおばがいなくなってしまった世界はそのまま存在し続けていました。そこで逢瑠は、麻智から黒魔術の本を借り受け、前二人と同じく過去を変えるためにタイムリープを行います。彼女は昔、世話になっていた高砂を助けるという目的がありましたが、そこで、麻智の母親と出会い、彼女の過去を知ります。そして福田隼人の暗躍により高砂は殺されてしまい結局助けることは出来ずに彼女は現代に戻ってきます。
 
  ここからは、本に封印?されていた未来人・テルサの話を基に、世界を救うためのお話に移り変わっていきます。
 設定的にシンプルだった話が、ここで一気にややこしくなるので少し整理しますね。
 
 まず、テルサのいた未来では、タイムスリップに関する研究が為されていて、彼女はその被験者として選ばれた。未来の世界はどうも感情を失った人々しかいないような寂しい世界だったみたいですね。で、この辺が結局良くわからないままですが、彼女は、神様的な立ち位置の人の声を聞く。その人によると時を遡ろうとする人間の行為そのものが罪であり、人間はその贖罪として試練を受けなければならない。・・・うん、急に話がぶっ飛んできましたね。で、最初に未来を創るものとして試練を受け、クリアしたと見なされたのがあおば。ただし、彼女の行動によって、世界は二つに分岐されてしまいました。一つは、あおばがいなくなった世界、もう一つは、あおばの行動によって変わった世界。で、世界は既に終わる運命を迎えており、それを防ぐには、試練を受けた3人が同じ世界で審判の日を迎えることが条件でした。3人とは、未来を創るものである、あおば、そして過去を償うものである逢瑠、残るは現在を繋ぐものである麻智が必要なのですが、彼女は試練に失敗し、世界から消えてしまいました。
 
そこで、あおばが元いた世界(第一世界)から、麻智を連れてくる作戦を実行に移すことになります。しかし、麻智は麻智で、出会ったばかりのチャラ男・優作とデキており、さらに隼人と逢瑠の父親の陰謀に巻き込まれていました。
 
 なんやかんやあって、一回作戦は失敗するも、再度テルサの命を使って第一世界に渡ってきたあおば達は、なんとか結果的に麻智を第二世界に連れてくることに成功します。まあそこには、第一世界の七恵さんや赤井刑事、優作の犠牲があったのですが。
 ちなみに優作は、晃司があおばと出会わなかった場合に、結ばれた別の女性との間に出来た息子でした。
 
 審判の日を迎えます。既に試練を終えている二人とは別に麻智は改めて試練を受けることになります。そして第二世界の麻智が叶わなかった、母親との対話とあおばへの恩返しをしました。
 
 超展開に少し呆気に取られ気味だった私でしたが、ここの麻智と母親の対話は中々良いシーンだと感じられましたね。
 
 で、一応なんやかんやで神様から許された人類は、世界を残すことが出来ました。しかし、テルサに自分の寿命を分け与えたあおばには時間が残されていませんでした。一応晃司との間に出来た子供の存在によって、命を引き伸ばされた?彼女でしたが、出産日の当日、今にも息を引き取ろうという状態にまで至ってしまいます。懸命に叫ぶ晃司。なんやかんやで奇跡が起きて命は助かったあおばでしたが、命の次に大切だったといっていい、歌を歌うための声を失ってしまいました。そんな中逢瑠は、「神様」に話しかけ、自分の贖罪として、自分の声と引換にあおばの声を直して欲しいと懇願します。その願いは受け入れられ、あおばの声は元に戻り、逢瑠をマネージャーとした、麻智とのボーカルユニット・atledとしてデビューを飾るあおばでしたとさ。そしてあおばと晃司の子供は優作と名付けられ、麻智の手に抱かれていました。
 逢瑠は彼女の会話文が『』で表記されていたのを見るに一応彼女の声は失われてしまい、何らかの補助装置で会話している感じなんですかね。逢瑠の側には出所して毒気の抜けた高砂もいて、全員ハッピーエンドで幕を閉じました。
 
 
 という感じで全5章のatled完結。私の読解力不足もあるんですが、後半の急展開とご都合主義は流石に目に余る印象ですね・・・。第1部が根本的な謎が残したままであるものの、キレイにまとまっていたのが逆にそう思わせるのかも知れません。
 
 時を超えた親子の絆、みたいなのは希さんを中心に良く描けていたと思うのですが、肝心のシナリオ設定がやや複雑でかつご都合主義な感じがしてしまったのが玉に瑕ですね。
 時を遡る時や平行世界に渡る時の代償やルールが、論理的でなく、オカルトの域を超えないものでしかなかったのが個人的には納得行かなかったところですかねえ。
 
 科学的なタイムリープものだったら、パラドックスが起こるから本人同士が会えないとか、人間を過去に送るために必要なエネルギー云々というトンデモ科学検証に基づいているので、ルールとかにある程度の説得力があり、展開を自然に受け入れやすいのですよね。そういう点で、シュタゲは良く出来ていたゲームだったと思います。
 
 逆に非科学的なタイムリープもの、3daysやパンドラの箱などにおいても、現象そのものはオカルトであってもそこにはその世界の設定に基づくルールがあり、その因果も明示されていました(説得力があったかどうかはまた別ですが)。
 
 で、本作atledではどうだったかというと、ある程度の因果は示されるものの、神様というぽっと出のキャラがデウスエクスマキナ的に話を引っ張ってまとめてしまった印象が強いんですよね。パラドックスが起こるからどうとかではなく、魔術書にそう書いてあるからダメだ、というルールが多く、結局全ては神様の手のひらで弄ばれていた印象です。例えば術者自身が過去を変えてはいけない、というルールも曖昧ですよね。いないはずの人間の行為で未来を変えることがパラドックスを生むからいけないという意味ならば、希さんや晃司によって未来が変わった事自体このルールに反していると言えます。直接はダメだけど間接的ならOK、というのは結局神様のさじ加減によるということで、見ていてあまり気持ちの良いものではありません。
 
 
 過去に戻るには大切な思い出の品を生贄に、平行世界に渡るには、誰かの命を生贄に、というのも何故そうなのかという説明が一切為されず、そういう設定だから仕方がないで終わってしまっているのがなんとも納得いかないんですよねえ。オカルトだとしても何らかの説明は欲しいです。
 クリエイター側の人間でない私が言うのも何ですが、例えば、ある特定の過去に戻るためには、その時代、時間、空間に縁がある、思い入れがある品がリープする場所を特定するために必要であり、リープしたい術者のDNA情報を血によって特定させることによって、術者が過去に至ることが出来るとか。
 平行世界に渡るには、二つの世界に存在するはずの同じ人間が、干渉し合い、どちらかの世界に統合される現象を利用することによって世界を行き来出来る、とか。これは移動前の世界にいた同一存在の人間は消えてしまうので、世界移動の犠牲になったと言えます。
 
 これは私が今適当に簡単に何らかの理由付けをしてみただけですが、もちろんatledの設定がこういう設定というわけではなく(希さんが犠牲になれる時点で後者の理由付けは矛盾してるし)、あくまで定められたルールに理由付けするならこんな感じかなあ、と思った程度のことです。
 
 しかし本編では、ルールに対する理由付けは一切無く、ただそういうルールがある、ということしか説明されません。私が考えすぎなのかも知れませんが、こういうルールが物語の設定上の必然ではなく、展開をドラマティックにするために、如何様にも作り変えられるものだと、正直感情移入が出来ないんですよねえ。なんでもありじゃんと思ってしまう。ルールに必然性が要らないんだったら、過去に戻るには、親友の命を捧げなければならない、平行世界に渡るには、恋人の命を捧げなければならない、みたいな、タイムリープや世界移動に何にも関係ないようなルールだってありになってしまう。それでは、如何に悲劇を生んでユーザーを感動させるかというただの装置に過ぎず、制作側の意図が透けて見えて、不快感を感じてしまいます。
 
 
 
 
 神様から言わせれば時の流れに干渉しようとした人間が悪いということですけど、試練の内容とか世界が終わってしまうこととかが、どうにも人間に対する悪意しか感じないんですよねえ。これが時に干渉した影響で、必然的に起こってしまった問題であったのなら、あおば達が色々頑張って世界を救うという展開も納得なのですけどね。
 
 途中までオカルト一直線だったお話が、4章で未来人・テルサと未来技術の話が出てきて、おお!ここから科学ADVっぽくなるのかな?だとするとあの魔術書も実は未来技術の結晶で・・・と、心躍る気持ちだった私ですが、結局テルサも分けの分からない神様に振り回された被害者に過ぎず、肩透かしだったんですよねえ。
 晃司の子孫だったという設定も特に活かされた感じはないし、彼女の未来からきた設定って必要だったのかしら。いやね、実はあの神様は未来の無気力になってしまった人類に変わって、世界を管理するAIで、その力は時空を超えて干渉出来るのだ!みたいな展開を最後まで期待していたんですよ。物語中で描写された事象は関連性があって欲しいと思うのは自然だと思う。それが、人類とは直接関係も無さそうな神様が実権を握っているものだから、人間の力で解決したって印象がどうにも薄い。
 
 オカルトの皮を被った科学ADVになりそうで結局オカルトのまま幕を閉じた感じですかね。それにしても、テルサやカエラに関してはもう少し上手い使い方があったのではないかと愚考しちゃいます。
 
 
 本作はメインの主人公があおばということで、エロゲには珍しい女性主人公です。それ故か、各ヒロインはそれぞれ結ばれる男性が、異なり3つのカップルが誕生しています。希さんも入れれば4つか。これは結構斬新に感じて、個人的には良い印象・・・ですが、流石に優作はどうかと思いましたね。一応最後には漢を見せたものの、最初期の麻智に対する態度は、チャラ男そのもので気に入らななかったですね。沸いてでたように持っていた天才設定も必要性を感じなかったし。仮にもメインヒロインの一人と結ばれるキャラなら、もうちょっと誠実そうな奴には出来なかったものですかねえ。特に麻智に関しては、母親がDQNに捕まって酷い目に合ってるんだし尚更やめて欲しかったところです。ユーザー視点から見ても麻智がチョロ過ぎて心配になりましたよw 
 
 逢瑠は・・・まあ他に関連性があるキャラもいないし、高砂も基本的には誠実な男なのでいいとは思いますが・・・一応叔父の関係なんですケドね。誰もそこに突っ込まないのは少し気になりました。
 
 反面あおばと晃司に関してはいいバカップルで良かったと思います。特に晃司は40間近まで貞操を守って大魔法使いにまで至っていたのは敬服しますねw なんかいいですよね、タイムリープものならではの関係性で。生まれる前から好きだった、なんていかにもロマンチックじゃないですか。そういえばエンディングにおける麻智と優作の関係は彼氏彼女の事情の浅葉と咲良を思い出したのは私だけですかねえ。
 
 
 
 
 
 そろそろ総評です。
 
 オカルト系タイムリープモノとして、時を超えた家族の絆をテーマに描かれたシナリオは良作。特に体験版部分でもある1章はそれ単体でも作品としてまとまっており評価出来る。しかしその後の2~5章に関しては、賛否両論の内容であり、人によって蛇足という印象を持つ可能性がある。
 シナリオに関わる諸事情が全て解明されるわけではないので、SFというよりもタイムリープを利用して成長や絆の深さを描いたヒューマン・ドラマものといった方が良い内容です。従って、そういった傾向のシナリオが好きな人にはオススメ出来ますが、タイムリープものという点を目当てにプレイすると肩透かしを食らうかも知れません。


・・・あまり大きな声では言えませんが、体験版の内容だけでも十分楽しめる作品ですので、その後をもっと見たい!という人にはオススメ出来ます。体験版の1章部分がキレイにまとまり過ぎててそれで満足してしまう人も出てきそうですがw

 
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