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チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007
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 ユニゾンシフトより時計仕掛けのレイラインです。
分割商法は好まないものの、続編の評価が高いため手を出してみました。

 
 山奥にひっそりと佇む全寮制学園、「私立天秤瑠璃学園」。新入生としてやってきた主人公・久我満琉はいきなりトラブルに巻き込まれ、学園の様々な問題を解決するための「特殊事案調査分室」、通称トクサに配属されることになる。トラブルの原因となった男子生徒・烏丸小太郎と共に分室を訪れるとそこには無関心な様子の少女・鹿ヶ谷憂緒が待っていた。
 この学園には魔術が生きている。学園は夜になると姿を変え、夜の世界に切り替わる。トクサの3人はこの摩訶不思議な学園で、分室に舞い込む様々な依頼を解決していきながら、やがて学園全体に絡む大きな真実へと近づいていく。

 といったようなあらすじになりますか。この学園では、偉大な魔女・クラール・ラズリットの残した不思議な魔術の込められた遺物<ミスト>が保管されていますが、物語冒頭のトラブルによって遺物の暴走率が高まり、魔術関連の様々な問題が起きる舞台となっています。それらを協力して解決していくのが基本的な物語の流れとなります。


 分割商法となっていますが、話は完全に繋がっているので、前作プレイ必須。プレイ時間は黄昏10時間程度、残影12時間程度、とどちらも控えめ。ちなみに残影でも完結していないので続編はまだ出るかと思われます。



 グラフィックは可愛い系の絵柄で、テカテカしてる感じ。割と昨今の流行っぽい印象ですね。演出面は中々良好で、キャラが喋っている時にも表情をコロコロと変えるのは見ていて楽しいです。

 BGMは可もなく不可もなく。無難な出来です。


 テキスト。特に癖もなく受け入れやすい類だと思います。キャラの掛け合いも中々面白いし、主人公も鈍感すぎず、調子に乗りすぎず、好印象を抱ける人物ですのでプレイしていてストレスはあまり感じません。強いて言うなら、メインヒロインのうしおが理不尽に刺々しくて少し苛ついたくらいでしょうか。キャラ的には学園長が良いですねw テキストだけだったらそうでもなかったかもしれませんが、あの独特な喋り方に持っていかれました。声優さんの勝利です。もう普通に喋ってるだけで面白いという反則キャラでした。

 これは個人的な我侭だと思うんですが、基本的に最初から好感度MAXのヒロインというのは嫌いで、主人公と最初は仲が悪くても共に過ごしていく中で絆を深め合っていく、という展開の方が好みです。本作のうしおは後者に属するのですが、主人公との仲違いの理由が自己中心的に過ぎるのが微妙なんですよね。主人公も大人げない部分はありますが、謝るべき時には謝ることが出来る男だし、正直主人公を試すような言動ばかり目立つうしおは性格の悪さが目立ちました。




総評:黄昏時の境界線 5点




総評:残影の夜が明ける時 6点






以下ネタバレとなりますのでご注意をば。




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 早速感想ですが、黄昏時の境界線については完全に分割商法の悪い見本といった感じですね。これが例えばバルドスカイやホワバ2レベルの作りこみがされていたのなら別段文句は出なかったと思うのですが、フルプライスのゲームとしてははっきりいって物足りない。

 全ルートのプレイ時間は約10時間。共通ルートは1~2時間程度で、各シナリオに入っても1時間程度で完了してしまいます。構成はG線上の魔王的な、脱落方式で、起こったトラブルを解決した時点でそのヒロイン寄りの選択肢を選んでいた場合、その時点でシナリオが終了する方式ですね。

 この方式はサブヒロインを犠牲にメインヒロインを際立たせる効果があります。・・・しかし本作では、そのメインヒロインルートが未完成という結末が待っているのでシナリオについては正直褒める部分がありません。

 他の名作のように、脱落式ながらも個々のヒロインルートの出来が素晴らしいということならばこれも別段文句は無かったのですが・・・個別ルートなんて殆ど無いようなものでした。妄想爆発少女の眠子やギャップ萌えの鍔姫なんかはキャラ的には良かったんですが、シナリオの中身があまりにもなさ過ぎる。違う世界の住人であるという問題なんて投げっぱなしで終わってしまったし、鍔姫に至っては、友情が恋愛感情にいつの間にか置き換わっています。これならばスミちゃんとの再会があったうしおルートの方がマシなレベル。
 で、肝心のうしおルートに至っては、唐突に出現したクピドの弓という遺物の力で、うしおに惚れてしまった主人公が半ば強引に、なし崩し的に結ばれてしまうという、私的に嫌いな展開。そこからうしおルートが描かれるのかと思いきや、うしおの逆襲があって、これまたなし崩し的に思いを伝え合って、一応仲直りしてエンド。主人公の弟の状態や、うしおの親友、睦月については何も解決しないまま終わりです。夜の世界も住人も結局どういう存在だったのかは明かされず、学園長やリトについても謎のままでした。

 うしおも変に意固地な感じが目立ってあまり好きになれなかったんですよねー。終盤の白い羽の遺物を使用して、主人公から強制的に秘密を聴きだしたりしたのは流石に目に余る。信頼関係どうこういうのならまずは自分から歩み寄るべきだということぐらい理解出来ないんですかね。


作品の雰囲気や設定は悪くなかったので残念な作品でした。



 ここから残影の夜が明ける時の感想。こちらは少し値段も下がり、プレイ時間も若干増えている(12~3時間)ため、前作よりはコストパフォーマンスが良いと思います。

 一応前作のうしおルートのそのまま続きという形で始まります。つまり、トクサ3人は主人公とうしおの秘密を理解していて、主人公とうしおは遺物の効果で結果的にセックスしてしまった状態からスタートなわけです。一応うしおの意思でとりあえず「無かった事」にしているので、実質的には友達関係のままですね。

 今作もまた、脱落方式に近いですが、前作にもましてサブヒロインルートの出来はおざなりです。ハイジはまだ選択肢云々で主人公に惚れる展開に納得も出来たのですが、学園長に関しては、体触られた程度であそこまで熱烈アプローチする意味が理解出来ません。メインルートでホムンクルスであることが判明した後だったので、さらに違和感がありました。この程度のシナリオならば無くして、続編のためにミステリアスさを保持していた方がマシだったのではないかと思います。実際のこのルートでは学園長の目的等が全て投げっぱなしですしね。


 対してメインルートに関しては、前作で不明瞭だった点の8割方が判明し、新たな登場人物を加えて面白い展開をしていて上出来だったと思います。ミステリー風味な部分も変わらずあって良かったです。具体的には、主人公の肉体の秘密は、ホムンクルスであったこと。正確には火事の時に負った怪我を妹のミチルがホムンクルスの技術を使って修復した、らしい。学園長と風紀委員長はホムンクルスであったこと。夜の世界の生徒は20年前の火事で行方不明になった生徒達の魂を、西寮の生徒に憑依させていたもの。学園長の目的は、ラズリット・ブロッドストーンの魔力を使って、永続的に夜の生徒達を復活させることにあった。そしておまるはその実験例であり、埋め込まれたブロッドストーンの力で、睦月の体に憑依した20年前の生徒だった。

 今回判明した点はこんな感じでしょうか。

 おまるとの感動的な別れの後、またなんやかんやあってなし崩し的にエッチしてしまう主人公とうしお。お互いの想いは通じ合ったものの、未だ解き明かされていない謎、おまる達20年前の生徒がまだ死んでいない可能性を信じて、それらが解決するまでは今まで通りの関係を保つことを決めた二人でした。というところで続く。

 残る謎は、学園長を操っていたのは誰なのか、20年前に一体何があったのか、生徒達はどうなったのか、生徒達を蘇らせようとした理由は何か、といったところですね。細かいところでは、ミチルが妖精の姿で村雲の前に現れたのは何故か、とかもあります。

 

 そもそも本作が全何作構成で考えられているとかの情報をまるで持っていない私ですが、残影の~のメインルートに関しては上出来だとは思ったものの、正直まだ続くのかよ・・・と思ってしまったのも事実なんですよね。せめて黄昏と残影が一つの作品で、次で完結、という形ならばまだ納得も出来たと思います。残影までで謎は残るものの主人公の秘密、うしおの目的である睦月を取り戻すこと、学園の目的といった伏線は回収できていますし、おまるとの再会という新たな目的が生まれていて、区切りは良い。
 さらに、このまま前作の続き、という形が続いていくと主人公とうしおの関係が進んでしまって、続編で追加されるであろうサブヒロインルートの違和感が強まるであろうことは予想出来ます。残影の時点で既にその傾向はありましたしね。ユーザーからの文句は来るでしょうが、サブヒロインはすっぱり切るぐらいの決断が欲しいところです。今作なんてもう相思相愛であることを互いに認めたようなものですから、この後に別のヒロインに乗り換えるというのはあまりに主人公がクズ過ぎる・・・。


 しかし今作のうしおは可愛かったですね。夢の世界で水晶に妄想が駄々漏れしてしまった時の慌てっぷりとかエピローグの主人公との微妙な感情のすれ違いも良かったし、年上なだけあって主人公に包容力があるのでそこまで話が拗れることもなく絆が深まった感じ。後はお馴染みのアナザーストーリーですが相変わらず夢から冷めたうしおが可愛すぎるw 主人公は事情が分からなくても甘んじて説教を受けるべき。

 
 
 後は全体的な魔術の設定が面白いのも本作の魅力の一つだと思いますが、少々説明不足というか説得力不足な印象があります。作品自体もシリアスなんだかコメディなんだか曖昧なラインの作風ではありますが、魔術云々に関してもそういう傾向があります。
 例えばホムンクルスのみを小さくするランプなんてどういう利用価値があるのか解らないし、遺物の宝物庫に人間が入れなくてホムンクルスなら入れる理由も説明がない。

 
 学園長と風紀委員長だけ小さくなった→ルイは人間を小さくすることなど想像していなかった→人間を小さくする遺物とは誰もいっていない→学園長ってホムンクルスじゃね?というような論理的な思考に基いて学園長の正体や、魔術の解析を行ったりというのはこの作品の特徴として面白い部分なのですが、その背景に説明がない(その遺物が生まれた理由や、どういう理由で宝物庫に人間が入れないのか)ため説得力に欠けるのが惜しい。そういう魔術だからそうなるのだ、という論理を出してしまったらなんでもアリになってしまい、結果物語を楽しめなくなるのは自明の理です。だからこそファンタジーは非常に難しくて、そしてそれこそが面白いのですけどね。


 いまさらなんですが、魔術設定に関してもっともっと重厚な設定の基に作られていれば素晴らしい作品になったのではないかな、と愚考したりもしましたが、物語前半のような、ドラえもんの秘密道具的な軽くてポップな遺物に振り回されるトクサの面々の日常シーンが、本作の大きな魅力の一つである点は確かですので中々難しい部分です。




総評

 黄昏時の境界線は、正直単体のソフトとしては消化不良もいいところ。キャラや世界設定の魅力はあるが、メイン以外のシナリオがチープ過ぎるし、メインルートも伏線を投げっぱなしという体たらくの上、総プレイ時間は10時間程度でフルプライスという値段設定。
 続編の残影の夜が明ける時は、相変わらずのサブルートの中身の無さはあるものの、メインルートの出来は良く、展開や伏線回収の点で評価出来る内容。ただし全体的な内容不足はやはり否めない。

 2作品がセットでフルプライスだったのならば諸手を上げて称賛出来るレベルですが、単体作品としてのそれぞれの評価は厳しいものにならざるを得ないです。


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