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チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007
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 インレより、ChuSingura 46+1 忠臣蔵 46+1です。同人サークル・れいんどっぐにて製作されていたシリーズが商業移籍とともに完全版として発売。私としてはれいんどっぐの他の作品と共にずっと気になっていたゲームでしたので、今回新シナリオを引っさげての発売ということで大いに期待していました。これを機に、あかべぇそふとみたいに過去作も商業でリメイクして欲しいところです。

 しかし5月末はグリザイア、レミニセンス、忠臣蔵と大作が続く久しぶりに忙しくも楽しいエロゲ三昧でした。




 プレイ時間は45~50時間。いままでコミケ毎に出してきた作品を総まとめにしているわけですから、圧巻のボリューム。ひぐらしのなく頃にをまとめて一気にプレイするようなもんです。

 
 

 グラフィックは特出するところはなかったと思いますが、ロリ系の可愛い絵柄ですね。苦手な人は結構苦手かもしれません。ご城代(大人Ver.)や安兵衛さん、数右衛門などカッコイイ女性もいますけどね。戦闘描写等は結構動きがあって良かったです。

 
 BGMは、中々好印象。なんだろう音源が近いのか、Keyサウンドっぽい感じ。バトルの時の激しい曲も雰囲気を壊さない程度にロックな感じで良かったですね。


 テキストはやたらと疑問符を多用するのが結構気になります。特に文頭が人名+疑問符で始まることが多く、一度気になり始めるとキリがないレベル。主税?俺はやったぜ?とか、で?どう?江戸での暮らしは慣れそう?寂しくない?みたいな。そんなに人名と疑問符を連呼しなくてもいいんじゃないかと。主人公の口癖というわけでもないので、ライターさんの癖ですね。

 あと、戦闘シーンが完全に演出頼みなのがちょっと頂けない。!?も多用しすぎだし。相手が予想外の動きをしたとかに使うのはいいですけど、自分から普通に斬りかかったり、普通に鍔迫り合いしてるだけでも連発しますからねw これも気になり始めるとヤバいです。 
 
 それと無駄な回想シーンへの切り替えが激しいのが気になります。創作物ではよく使われる技法ですが、冒頭が会話シーンから始まってそのあとにそこに至った経緯を述べるヤツ。何か名前があるのかな?本作でも各編の冒頭がクライマックスシーンから始まるものが殆どですが、それは良いのですが、物語中でもそれが多すぎるんですよね。酷いのだと3~5クリック程度の会話を飛ばして、次の日の描写から始まってすぐに回想シーン。ちょっと多用しすぎですし、あまり意味も無い気がします。

 しかし、ちゃんと江戸時代にない言葉を使わずに、ポップな文体にしているのは、時代物としてなかなかバランスが良いと思いました。やり過ぎると読み難い時代小説みたいになっちゃいますもんね。
 比喩表現があまり上手くない・・・というか素人っぽいのもあって、正直現時点での文章力はあまり高くない印象は受けましたが、その辺りは今後に期待したいところ。

 何れにしてもこれだけの大長編を描ききった筆力というのは素晴らしいと思います。





 基本的なシナリオは、よくあるタイプのタイムスリップもの+ループものになります。最大の特徴は、表題からも分かる通り、歌舞妓に始まり年末恒例の時代劇だったり、小説・映画の題材にと幅広く世に知られている赤穂浪士の仇討ちを描いた「忠臣蔵」を舞台としていることです。忠臣蔵とタイムスリップものをミックスした作品ってありそうで無かったジャンルですよね。

 もう一つの特徴として、忠臣蔵の主要人物が殆ど女性化していること。これにより恋愛アドベンチャーの体を崩さず時代物を描くことに成功しています。まあなんだ、そりゃあ賛否両論はあるでしょうが、ムサいおっさんが活躍する忠臣蔵が見たいのなら、他にいくらでもありますからねw こういうのもありなのではないでしょうか。Fateに始まり、恋姫無双とか最近のラノベとか過去の英雄を女性化するのは昨今の流行りで、少々食傷気味ではありますが、もうみんな女の子にしちゃえばええんや。


 実は私は忠臣蔵をまともに見たことがなく、昼行灯とか赤穂浪士とかのキーワードを聞いたことある程度でした。しかし不純?なきっかけでありながらも、本作プレイ後、忠臣蔵やその時代背景に俄然興味が湧いたのも事実。
 本作と同じような展開である「三国志」の時代にタイムスリップする漫画・龍狼伝という作品で、そこから三国志自体に興味を持って、関連の色々な作品に触れたという経緯もあるので、こういうきっかけって大事だよなーと思う次第です。や、まあ日本人なら忠臣蔵ぐらい知っとけよ、って話なんですけどねw


 主人公・深海直刃は泉岳寺の神籤で300年に一度と言われる大大凶を引いたことをきっかけに現代から江戸時代にタイムスリップしてしまいます。そこは元禄十四年。忠臣蔵の時代でした。というのが物語の始まり。姉の影響で忠臣蔵自体は知っているものの、興味は無かった直刃が、大石内蔵助を始めとした、赤穂藩士と関わりその生き様に触れ、様々な結末を迎える作品です。

 ループものですので、段々とマンネリ気味にはなってくるのですが、そこは、視点の変更や新キャラの導入で飽きさせない工夫があったと思います。




総評:8点




以下ネタバレとなりますのでご注意をば。





拍手








 仮名手本忠臣蔵編

 直刃が大石内蔵助に惚れ込み、四十七士の1人として吉良邸討ち入りに参加する、という創作「仮名手本忠臣蔵」に沿った展開で進む最初のループ。
 本作では、将軍家の側用人であり、幕府の実質的な支配者でもある柳沢吉保とその相談役である荻生徂徠が赤穂藩の塩を狙い、浅野内匠頭との諍いを起こさせるため吉良上野介に呪いを掛けたのを発端としています。

 直刃は、ひょんなことから大石内蔵助の娘・松之丞と知り合い、その交流の中で、内蔵助に未来を知っていることを看破されてしまう。その後内蔵助とともに山科に移り住み、仇討ちを求める江戸急進派との邂逅や、内蔵助の内に秘めた人間的な弱さを知る中で、内蔵助と愛しあい、一人の赤穂藩の武士として成長していきます。
 吉良を殺すことによって呪いが解除され、現代に戻れることを知った直刃は討ち入りへの参加を決め、見事に吉良を討ち取ることに成功する。しかし現代に戻ることは出来ず、泉岳寺の墓前で吉良の刺客に殺されてしまいます。呪いは戦いの中で内蔵助に感染しており、赤穂浪士の切腹よりも前に直刃が殺されてしまったために、呪いを解くことが出来なかったわけですね。

 直刃の変名として寺坂吉右衛門という名前が与えられたのは中々憎い演出ですよね。私はもちろん知らなかったんですが、調べてみると、寺坂吉右衛門というのは、討ち入り参加した四十七士の中で唯一の生き残りであり、忠臣蔵の創作物として色々な設定を付け加えられたりと便利な役柄だったみたいです。討ち入り後に泉岳寺への移動中離脱した、というのも直刃の行動と同じですしね。
  




 江戸急進派編

 数奇な運命によって翻弄された直刃は、気付くと元禄十四年三月に舞い戻っていました。記憶は刺客に殺された時のまま、前回と同様に右衛門七に起こされる直刃。

 呪いが解けなかったためにもう一度元禄十四年に戻されたと考えた直刃は、忠臣蔵の悲劇を繰り返さないため、単身江戸に向かい吉良を討とうとします。その途中で、江戸詰めの赤穂浪士・堀部安兵衛と高田郡兵衛の二人に出会った直刃は、その気概を買われ気に入られながらも諌められ、そのまま赤穂へと戻されます。
 安兵衛との縁により江戸との連絡役を命じられ、自身の目的もあって、江戸に移り住むことになる直刃。安兵衛との生活の中で一度目のループでは分からなかった江戸急進派の様々な事情が明らかになっていきます。
 郡兵衛の脱盟は、清水一学との戦いで負った傷が原因であったことや、安兵衛が山科での会議に出られなかった理由は、赤穂浪士暗殺事件の下手人として追われ越後での逃亡生活を強いられていたからなど。直刃は安兵衛と行動を共にし、その人となりを知っていく中で相思相愛の関係になっていきます。
 
 直刃は早い段階で荻生徂徠に脅しを掛け、歴史を変えるように行動していましたが、柳沢のもう一人の相談役の画策によってその狙いは打ち砕かれ、歴史を変えることは出来ませんでした。
 
 討ち入り直前に清水一学に捕らわれた安兵衛。直刃は安兵衛を救うために討ち入り参加を決意します。安兵衛は清水一学と同様に呪いを掛けられ、赤穂浪士の前に立ち塞がります。主税の脇差の力で村正を破り安兵衛を正気に戻せた直刃。しかし清水一学との一戦で負っていた傷によりその場で果てることに。






 百花魁編
 
 またしても呪いを解くことが出来なかった直刃は、3回めの元禄十四年を迎えます。前回のループでの小平太の死に責任を感じた直刃は、自分と関わることで赤穂浪士を不幸にしてしまうと腐り、何もしないように行動しますが、狼に襲われた松之丞を助けたことが縁で、否応無く忠臣蔵の物語に関わることとなります。

 松之丞に惚れられ、半ば強引に許嫁となった直刃は、護衛役として一度目のループ同様山科に移り住むことに。松之丞があまりにもチョロすぎますがご愛嬌。
 直刃は、松之丞の一方的なアプローチに耐え切れず逐電(逃亡)。二度目のループで恋仲となった安兵衛が忘れられず江戸に向かうも、護衛の任を捨てた裏切り者として扱われているのを知り、あてのない旅に。その旅の中で、山賊からカツアゲしていた凄腕の剣客・新八と知りあい数ヶ月の間二人旅。山科の近くまで旅してきた直刃でしたが、その中で新八が吉良(上杉)側の刺客であることを知り、内蔵助の屋敷へ急ぐも、そこには同じく護衛として一緒に山科で生活していた萱野の死体がありました。


 自分が萱野の死を招いたのだと悔やむ直刃は、精神的におかしくなって納屋での監禁生活を送る羽目に。正直百花魁編の直刃は、あまりにも行動・言動がブレブレで苛ついてくるレベルです。三度目のループで同情はしますけど、なんか方々に迷惑掛けすぎなんですよねえ。逐電するぐらいなら始めから山科行くなっつーの。
 その代わりに松之丞がもはや別キャラになっていて、彼女の健気な献身や成長を楽しむ編となっている部分が強いですね。想い人である直刃がダメ男になっているのがネックですが。

 で、松之丞の身を挺した看護によって精神が安定した直刃は、逐電について内蔵助に許しを請い、脱盟は免れました。色々あって元服した主税(松之丞)は貴族と政略結婚させられそうになりますが、婚儀の中で主税に対する想いを決めた直刃が主税を攫います。まあ本来であれば、逐電の後のこの行動で切腹しても足りないぐらいの罪だったんでしょうが、一応これは全てお芝居であり、罪には問われませんでしたとさ。

 今回も討ち入りの歴史は変えられませんでした。まあそもそもこの編では直刃は歴史を変えようとはしてませんでしたけどね。吉良はいつもの芝小屋には隠れておらず、地下の秘密通路から逃げようと画策していました。それを追う主税と直刃。吉良の白蛇に対抗出来る主税の脇差が奪われ絶体絶命のピンチでしたが、内蔵助の助けが入りなんか吉良を討ち果たした二人。しかしまたしても直刃の呪いが解けることはありませんでした。

 泉岳寺にて、直刃を元の世界に戻したいと願う主税の意思によって気絶させられた直刃は、他の赤穂浪士と共に切腹することは出来ませんでした。愛する人を三度失い元の世界にも戻れず自暴自棄となる直刃でしたが、討ち入りに参加させなかった小平太から吉良が生きているという噂を耳にします。

 つまり吉良は上杉家の策略によりとっくに影武者と入れ替わっていて、逃されていたわけですね。直刃の呪いが解けなかったのも実は本物の吉良が死んでいなかったためだったわけです。
 それを知った直刃は、元の世界に戻るため、そして何よりも赤穂浪士の誇りを守るために本物の吉良を偽物として討つことを決意します。
 
第二陣の大将となる予定だった、奥野将監や、怪我により脱盟を余儀なくされた高田郡兵衛、同じく討ち入りに参加出来なかった小平太と協力し、直刃は移動中の吉良を襲撃します。
 その前に立ち塞がったのは、上杉家の家来・新八。萱野の位牌によって守られた直刃は新八を倒し、ついに本物の吉良に引導を渡す。

 結構この結末は好みでしたね。脱盟の汚名を被った赤穂浪士が、歴史の影で誇りを守るための戦いをしていたっていうのは、FFタクティクスを思い出します。

 呪いが解け現代に戻ってきた直刃は、剣道大会で優勝しますが心は空虚なまま。本当に自分は元禄の世にいたのだろうか。全ては夢の出来事だったのではないか。それを埋めるために赤穂の地へ旅をします。主税と出会い、語り合ったかつての神社の裏手。そこでは元禄の時代に確かに自分が存在し、主税と愛し合った証である、相合傘が刻まれていたのでした。

 というところで綺麗にFin。


 ・・・と思っていたら赤穂からの家路で、出会った人物。清水一学と瓜二つのその女は語る。赤穂浪士を英雄と崇める歴史は認めない、と。







 仇華・宿怨編
 
 清水一学と瓜二つの女、甲佐一魅の手引きで再び、元禄十四年に舞い戻った直刃。色々画策した上で、江戸での情報役に抜擢された直刃は、清水一学と対峙し、忠臣蔵の真実について論戦を繰り広げる。清水一学曰く、赤穂浪士は逆恨みのテロリスト集団に過ぎず、義は上野介にあったのだという論調。

 
 なるほど、こういう方向に持ってきたのは面白いですね。人々に創作として持て囃された「忠臣蔵」ですが、近年は徳川綱吉の再評価の流れもあって、単純に赤穂浪士は正義、上野介は悪という世論にはなっていなかったですからね。
 
 これまでの3編では完全に仮名手本忠臣蔵を史実として扱い、上野介を断ずることが正しいように描かれていましたが、現代の世の倫理観ではやはり動機として不足というか説得力に欠けます。

 過去幾度と無く作られてきた赤穂浪士を正義として描いた忠臣蔵にタイムスリップの要素をミックスしてなぞるだけでも面白く、一つの創作として綺麗にまとまっていましたが、さらにこの後に踏み込むテーマとしてはありですね。昨今の世情を鑑みて、今時の作品としては「正義の忠臣蔵」だけでは物足りない部分も感じていたし、そのもやっとした気持ちを払拭出来るテーマですから。
 そもそも現代の倫理観からすれば、どんなに嫌がらせを受けたとしても殿中で刃傷沙汰に及んだ内匠頭は、先に手を出したという点で褒められたものではないし、それこそ一国の主ならば家臣や領民の事を考えて耐え忍ぶべきじゃないか、というのが正論ですしね。

 清水一学からの話は、今までの3編で見てきた赤穂浪士達のイメージからはかけ離れたイメージですが、説得力があります。その前に誰よりも赤穂浪士のことを理解していたはずの直刃は戸惑います。


 なんだかんだあって赤穂浪士の討ち入りを阻止しようとする清水一学も、それを阻止しようとする直刃も歴史を変えることは出来ず討ち入りの日。直刃は清水一学を庇ったせいで脱盟の身。清水一学が内蔵助に敗れ、賭けに負けた清水一学は直刃と共に自害。

 しかし今回の清水一学は中身が現代人とは言え、どんどん弱体化していきますねえ。1ループ目の呂布みたいな強さはどこにいっちゃったのかw 新八よりも弱いんだろうか。


 清水一学は仲良くなったお初の死をきっかけに赤穂浪士と大石内蔵助に対する考えを改めていく。そして直刃とある取引をした上で次のループへ。この編は他よりも短めですね。






 刃・忠勇義烈編

 一応・最終章。柳沢吉保の裏で全てを操っていた黒幕と決着を付ける編。なのですが・・・うーむ色々と不満足な部分はありました。


 まず、最終章のヒロインとして右衛門七は正直相応しいとは思えないし、今更右衛門七の義盟参加までの詳細を描かれてもテンポが悪すぎます。エピソードそのものは悪く無いですけどね。小夜は天使。
 
 直刃も討ち入りの日までは殆ど目立った動きはせず、結局歴史の流れを上方視点で見てるだけなんですよね。まあそりゃあ直刃も暇だったから右衛門七に付きっきりになったんでしょうけどw 百花魁編以降直刃は基本やることあんまりないですからね。



 それとラスボスがぽっと出過ぎるのと、結局逆恨みっていうか一族的に余程の狂気を持ってないとなり得ない展開だったんですよねえ。浅野家の忘れ形見で、同じ境遇だった直刃への嫉妬みたいな気持ちも強かったんでしょうけど、赤穂浪士に恨みを持つほどか?と思うんですよねえ。甲佐一魅の方がまだ恨む理由として正当な気がする。まあ直刃への恨みと繋げるには浅野家縁者ぐらいしか無かったのかもしれません。そもそも当時ならいざ知らず、現代人がマジで赤穂浪士の恨みで地震が起きて江戸が大変なことになったなんて思うわけないでしょうがw


 直刃の苗字に関しては、最初から考えていたとしたら中々鮮やかな伏線でしたね。内匠頭が矢頭家をお忍びで訪れていた理由とかこういった編を跨いでの伏線は他にも色々とあって大長編ならではの醍醐味だったと思います。


 ラストへの盛り上がりはベッタベタですけど、良かったと思います。歴史上で死んだと思われていた、萱野さんや、平左衛門、脱盟した郡兵衛や将監さん、小平太などの赤穂浪士や、吉良側の清水一学、新八も参戦し、果ては小夜やお初までというオールスター戦。

 最後は、トンデモバトル漫画みたいな大蛇との戦いで決着。まあ骸骨兵とか色々ぶっ飛んだ世界になってましたけど、仮名手本忠臣蔵編の吉良戦で既にぶっ飛んでましたから今更の話。千鳥の力でもうなんでもありって感じですね。


 そして世間的には死んだことになっている赤穂浪士達は、江戸を救った英雄として綱吉から褒美を与えられる。それは赤穂の地の南に位置する天領となっている無人島。そこで赤穂浪士達やその家族達は暮らすことになり、大団円、という終わり方。
 直刃は、本物の吉良がまだ生きているのでそれを討つまではこの島に留まっているみたいですね。
あくまでも呪いの影響のせいで本物の吉良に罪はない点はどうするんだろう。老衰で死ぬまで待つとか?一魅と一緒に帰ろうと約束してるっていってましたけど、一魅が吉良を殺すことを良しとはしないと思うんですけどねえ。

 しかしこれは確実にファンディスク作るつもりですよね?w 内蔵助を始めとした赤穂浪士46人は、直刃の回想やかぐやの言動鑑みるに討ち入り後の1年間は何らかの方法で、まああの大大凶の神籤をつかったなんやかんやで現代で暮らしていたっぽいですよね。この一年って現代の世に赤穂浪士がやってきた!っていうそれだけで1つゲーム作れちゃうぐらいの美味しい設定ですから、ここを書かない手はないはず。





 というわけでChuSinguraの各編についてまとめてみました。
 
 仮名手本忠臣蔵~百花魁編までで一つのゲームとしてもいいぐらい綺麗にまとまっています。実際1編ずつコミケで発売されてきたわけですしね。忠臣蔵を舞台にした王道の仁義ものといして細かいことを考えずに楽しめます。何気に江戸時代の豆知識なんかも豊富で、結構勉強になったり。
 ただ、まあ特に仮名手本忠臣蔵と江戸急進派編は、元々の「忠臣蔵」が創作として面白いというのが大きいと思いますので、諸手を上げて称賛するのもどうかとは思いますけどねw 垣見五郎兵衛のとこなんて凄くいいエピソードですけど、あれだって原作そのままですからね。
 一方で仇華・宿怨編の平左衛門とお初のエピソードなんかは、史実を参考しつつ独自のアレンジを加えた感じで良かったと思います。
 

 商業版で追加された2編については賛否両論な内容だとは思いますが、吉良側の視点で見た「忠臣蔵」というテーマに踏み込んだ点と、最後に赤穂浪士達が大団円を迎えたのは、正に期待していたことをやってくれたという内容でしたので私的には満足です。前者に関してはちょっと中途半端だったとは思いますけどね。
 やっぱり私的には過去へのタイムスリップものって現代では死んでいたはずの人物が、歴史上の齟齬が起きないように密かに生きていたことにするっていう展開を期待しちゃうので、この結末は良かったんですよねえ。パッと例が浮かばないのですが、GS美神とかEver17とかああいう感じ。
 

 主人公に関しては正直百花魁編でのヘタレ&ブレっぷりと、後半2編での行動力の無さと不幸自慢の上から目線が鼻についてあまり気に入らなかったのがちょっと残念でした。俺に関わると不幸になるんだーだの、甲佐一魅に対して、何もわかってないだの必ず後悔するだの、自分こそ何も理解出来てないくせに経験者ぶってるのはただのカッコつけにしか感じない。4章で元禄の世に舞い戻る時も面白えとか言ってないで、赤穂浪士の誇りを守るために戻るべきだろうが、と。

 前半は状況に振り回されるだけの現代人から一人の武士への成長というのが見られてよかったのですが、江戸急進派編で直刃の成長が頭打ちなんですよね。この辺りをもう少しバランス良く描けて入れば良かったかもしれません。






 そろそろ総評です。

 忠臣蔵へのタイムスリップということで、忠臣蔵が好きで骨太な一本道シナリオゲーが好きな人にはオススメ。そうでない人にも大長編の時代ものが好きな人なら楽しめる。ただタイムスリップものといっても歴史を改竄するというより歴史の裏を独自の解釈で暴くといったテイストのため、そこは注意。
 
 またテキストはかなり癖があるので、まずは体験版で許容出来るかは確認した方が良いだろう。(仮名手本忠臣蔵編 丸々プレイ可能) 
 選択肢等は殆ど無く一本道なシナリオで、かつ50時間弱という膨大なボリュームであるのでコストパフォーマンスは非常に高い。


 粗は色々ある作品だが、圧倒的なボリュームと数少ない時代物というジャンル、何よりも忠臣蔵をベースとしているため話の面白さは折り紙付きという点で、オススメ出来る作品。
 






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Comment
無題
是非とも垣見五郎兵衛を西田敏行が演じた日テレの年末時代劇版の忠臣蔵は見るべきかと思います。ちょっと途中がだれますが、案外面白いですよ。
NONAME 2015/04/17(Fri)01:33:53 編集
Re:無題
コメントありがとうございます。西田敏行ですか、人情味あふれる垣見五郎兵衛にはぴったりな感じですね。ちょっと探してみようと思います。どうも忠臣蔵って毎年放送されてるイメージだったんですが、最近は殆んど無いみたいですね・・・。興味を持つのが遅すぎたみたいです。
2015/04/21 09:14
無題
今度は『真・恋姫無双』のような改良を加えた話となってまた始まってほしいですなぁ。
内蔵助、安兵衛、主税、右衛門七だけでなく、他のキャラ達とも恋仲になるというのも捨てがたい。
夏色 2015/10/07(Wed)18:14:56 編集
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