忍者ブログ
MASTER →  ADMIN / NEW ENTRY / COMMENT
チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007
舞城王太郎著の煙か土か食い物です。メフィスト賞受賞作。

アメリカで天才外科医として活躍している奈津川四郎の元に、母親が暴行され重体との知らせが入る。
故郷・西暁町に戻った四郎は犯人への復讐のため、事件の解明を目指す。

といった内容です。あらすじからは破天荒なミステリなのかな?となんとなく予想していたのですが、ミステリ要素はあるものの、それほど重要視されていないのですよね。主人公も天才的な発想と知識で真犯人に迫っていくのですが、そんなものはくだらないと彼自身がバッサリ切り捨てています。

今まで読んだ作家の中でも特に好みが分かれる文体だと思います。なんというかすごいロックな感じw よく舞城氏の文体の評価として「圧倒的な文圧」「スピード感溢れる」とか言われてますが、正にそう。口読点も改行も少ないので読みづらいと思いがちですが、何故かすんなりとそのスピード感に乗れるという結構新しい感覚です。変にカッコ付けた比喩や体言止めがないのがスピード感を損なわない理由なんでしょう。

また作中では暴力的な描写がかなり多いです。四郎は非常に好戦的で歯に衣着せぬ物言いで、終始前へ前へと突き進むような性格ですし、奈津川家の他の兄弟・特に二郎は四郎を全てにおいて上回るような天才で破天荒な人物ですし、父親の丸雄は全身傷だらけで二郎に執拗な暴力を振るう。すごい家庭環境ですw 回想での二郎の同級生への復讐描写なんかかなりエグい。この辺りダメな人はダメでしょうね。




こんな互いに憎しみあって時には殴り合う酷い環境の家族をメインに据えた物語でありながら、最後には家族の絆みたいなものにちょっと感動させられてしまうという、なんだか小憎らしい作品でした。

「でも結局家族は生きてるうちに、そして死んでからも引きつけあうのだ。(中略)万有引力と同じくそもそも逃れられない力なのだ。それが家族のお互いを引きつけあう力だ。家族として発生した以上とどめようのない力だ。」

タイトルの煙か土か食い物とは人間は結局死んだら焼かれて煙になるか、埋葬されて土になるか、放置され獣の食い物になる、生きてる価値なんてないという意味でした。四郎の言葉はそれへの一つの答えなんでしょうかね。

拍手

PR
≪  192  191  190  189  188  187  186  185  184  183  182  ≫
HOME
Comment
この記事にコメントする
お名前:
URL:
メール:
文字色:  
タイトル:
コメント:
パス:
Trackback
この記事にトラックバックする:
≪  192  191  190  189  188  187  186  185  184  183  182  ≫
HOME
Calender
04 2017/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
Latest Comment
[04/04 無題]
[03/13 NONAME]
[03/13 NONAME]
[02/11 NONAME]
[01/11 DebbiWect]
Blog Seach
Game
Comic
忍者AdMax
忍者アナライズ
忍者ブログ [PR]