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チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007
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ケロQより素晴らしき日々です。
賛否両論あるようですが、2010年発売のゲームとしては、
トップレベルに評価が高いため、プレイ。

このメーカーさんの作品は他にも興味を惹くものが多かったのですが、
とりあえず最新作かつ評価が高いこの作品を。


あらすじ・・・といきたいところですが、
この作品はあらすじを書くのがめんどいというか
どう書いていいのか分らないですね・・・。

6章からなる物語は主人公を変えて紡がれます。
結構スロースタートな印象なので、
最初で飽きてしまうか合わないと思ってしまう人が多いかも。

途中、暴力描写や電波的な文章、ガチ百合、妄想などの
人を選ぶ内容が入り乱れますので耐性が無い人は要注意。

私も1章がいきなりガチ百合エンドだったのには、
ちょっと面喰らって再プレイまでに少々時間が要りました。


音楽面はクラシックなども取り入れていて、
様々な曲がありましたが、中々高評価。
ヴォーカル曲も良かったですしね。



んでは、シナリオの感想です。
ネタバレ食らうと結構台無しな作品なので、
未プレイの方はご注意をば。



総評:8点

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作品の印象を簡単に表すと最果てのイマ+俺たちに翼はないって感じ。
CARNIVALやCHAOS;Headのような狂気と妄想っぽいファクターも取り入れて。

解離性同一性障害ものなわけですが、
俺つばほど整然としているわけではなく難解。
この難解さ加減に最果てのイマと同じ雰囲気を感じます。


まあでも、由岐=卓司=皆守ってところは
殆どの人が早い段階で気付くと思います。
若槻姉妹に関してもあの容姿・性格で鑑と司という名前の時点で、
何かあるなーと思いますよねw
そういう目で見てると2章の鑑凌辱シーンの描写も
台詞の節々に違和感があるしなかなか上手く出来ています。


ただ、ちゃんと伏線回収出来ているからいいですけど、
一人称や言動、容姿の矛盾が全部主人公の中でつじつま合わせのように
処理されているのはちょっと卑怯かなーって気もしましたけどねぇ。
早い段階でDIDだと気付いてなかったら、
おいおい流石に無いだろうとか文句言いたくなったかも知れませんw


お気に入りは2章の希実香エンド。
希実香はこの作品の良心。もうほんとにいい子。

屋上のヘブン状態での逢引きと、
卓司に縋った理由を独白する希実香には
かなり琴線に触れましたねえ。
普通のADVだったらヒロインとのHシーンがあるルートが
Trueルートだったりするんですが、
希実香は肉体関係を持たないことがハッピーエンド(本ルートに比べたら)
につながるんですよね。

この辺は2人の歪でありながらもどこか美しい関係に
起因しているのかなーと。
ラストシーンの卓司の行動には感動させられました。

間宮卓司のことを卓司として好きになってくれるのって、
希実香だけなんですよね。きっかけは何であれ。
自業自得とはいえ実妹にも嫌われ、学校ではキモヲタ扱い。
作品的には卓司が諸悪の根源みたいな感じで〆られちゃってて、
ちょっと救済が欲しかったなあ、彼も被害者だったんだし。


3章希実香ルートのあらゆる手段を使ってでも
ざくろを守ろうとする希実香はカッコ良かった。
個人的にはざくろもなんかしろよとは思いましたが。
最後は遅れてきたヒーロー・間宮によって解決されちゃいますけどね。
とりあえずめぐと聡子はもっとボコボコにしといてもらいたかった。

ってかあの状態ってかなり危険だし、
2人共無理して学校行く必要なんてあったのかな?
元々目についたからイジメられてたようなものだし、
2人で学校やめるとかもうちょっと安全な選択肢があったような気がします。

ざくろは1章だとただの電波ちゃんだったのでどうにもだったんですが、
3章だと少し印象が変わりましたね、いい方向に。


3章メインルートは・・・結構辛い。
ざくろがスパイラルマタイに至るまでの経緯が語られますが、
そりゃあ壊れちゃうよなぁ、あんな目に合ったら。

しかし希実香は引き離された後、どうなったんでしょうかね。
2章で処女であることを卓司に明言していましたし、
なんとか城山達の手から逃げることが出来たんでしょうか。
そう信じておこう。


4章からは解答編とまとめといった感じ。
流し見してた人にも優しく皆守くんが教えてくれます。

とはいってもまだこの時点では本物の間宮卓司の存在については
微妙に伏せられています。
羽咲が生まれたばかりであるはずの皆守をとも兄さんと慕っていること。
「間宮卓司」の元々の人格が皆守であり、故に羽咲が慕っているのであれば、
とも兄さんと呼ぶのは違和感があります。

水上由岐と悠木皆守が間宮卓司の別人格であることは
大半の人間がすぐ気付いたと思いますが、
私は羽咲の双子の兄・間宮卓司と水上由岐という人物が
実在していたことまでは考えが及びませんでした。
そして間宮卓司だと思っていた人物は間宮皆守だった。

この辺りは少し捻ってきたなーと思いましたね。
というかこれがなかったらホントに俺つばまんまに・・・w

 

といったようにシナリオは中々技巧に富んでいて、
ホラー的な要素や緊迫した展開、ラリっちゃった世界
など色々飛んだ割には一応綺麗に幕を閉じます。

間宮皆守に存在した間宮卓司と水上由岐の人格は消え、
異父兄妹である羽咲とイチャラヴグッドエンディング。
あるいは幽霊のような由岐と羽咲との三角関係。


あー正直木村さんは微妙なキャラだったかなあ。
終盤にひょっこり出てきたと思ったら、エンディングで皆守と語り合うとか・・・
そんな重要な立ち位置のキャラじゃないだろう。

間宮父が生前ジャーナリストに転向したってのがあったから、
実は父の後輩で、皆守と羽咲のことを託されていたとかだったら
まだわからんでもないけどさあ・・・何にもフォローなかったし。


あとは終ノ空エンド。
結局最後まで正体不明だった音無彩名とその言動。
まあ多分この辺は明確な説明はされないだろうな、と思っていた
部分なのでいいですけど最後まで煙に巻かれた感じがあったなあ。
深く読み込めば理解出来るかも知れませんが、そこまでする気にはなれず。

とまあなんだかんだいったりしましたが、
シナリオとしてはよく練られていて
謎が解けたり空白の時間が埋まったりで
かなり楽しめたことは間違いなかったですけどね。
シラノ・ド・ベルジュラックとか
和訳本ちょっと欲しくなりましたし。

ただ、DIDとか幸福に生きよ!ってな単純なテーマは理解出来るんですが、
いまいち彩名とかの終の空関連の描写とかとつながらないんですよねえ。
なんとなくはわかるんですが、モヤっとした感じ。
 


あ、そういえば前述の戯曲みたいに、
物語に重要な戯曲の引用とかはいいと思うんですけど、
このゲーム、基本的に哲学書や小説からの引用が
あまりに多すぎやしませんかね?
何かを説明したり比喩表現とかに
わざわざ小難しい理論や台詞を引用したり・・・
っていうシーンがすごく多かったですね。
例えば伊藤一刀斎の話とか出す必要ないでしょう?w

ライターさんのどや顔が目に浮かんで
ちょっと感情移入出来なかった部分がありました。
自分(キャラクター)の言葉で語らせられなかったのかなーと。
物語読んでる時は作者の存在なんて意識したくないのに。

引用が多いこと自体も問題ですが何より、
物語との関連性をもうちょっと高めてくれないと
ただの知識のひけらかしに感じてしまいます。

あとは・・・台詞の言い回しがちょいとくどいかな。
内容が同じような話を言い方を変えて繰り返す、みたいなのが
多々あったように感じます。
わざわざ台詞にしなくても心理描写で済むじゃん、とか
そもそも描写しなくてもいいじゃん、とか。
ちょっと冗長すぎるきらいがあったかなーと。


と、またしてもなんやかんや言いましたが良作であるのは保障できます。
ただ俺つばが割と万人にオススメ出来るゲームなのに対して、
このすば日々(って略されてる作品なのだろうか)は、
非常に人を選ぶ作品ですが、ハマればドツボにハマる作品だと思います。

引用の多さと文章の冗長さをなんとかするのと、
広げた風呂敷を綺麗に畳められていればもっと評価が上がったかも?


お気に入りキャラは希実香と水上由岐。

希実香は言わずもがなですが、由岐は本当に皆守のことを好きだったんだな、
ってことが分かってからかなり気に入っていました。
私的には由岐は、実在していた由岐、皆守を導いた人格としての由岐、
その由岐を塗り替える新しい由岐・・・
その全ては実在していた由岐の魂だったんじゃないかなーと愚考しています。

なんというか羽咲より由岐と皆守の方が似合ってますよね。(ぇ

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