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チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007
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 SF作品の中には、ファーストコンタクト物というジャンルというかテーマがあります。これは、ミステリ小説における本格ミステリという関係に似ていて、異星文明との接触というSFの中でも王道で最も盛り上がる瞬間を描くために作られた作品群です。SFというジャンルを代表する最も普遍的なテーマ。それはSF作品が生まれた瞬間から、数多くの作家が手がけてきた手垢にまみれた物語です。星を継ぐもの、未知との遭遇を始め、エイリアンやインデペンデンス・デイだってファーストコンタクト物と言えます。
 
 また、SF作品はハードSFとそれ以外(しばしばソフトSFとも称されますが)に大別されます。ハードSFであることの定義は明確になっておらず個人の見解によって異なると思いますが、基本的には現人類がいつかは実現可能である世界、あるいはそう思わせる程の説得力を持たせた作品であるか否かだと思います。こういった作品は、物語のドラマ性などを削ってでも未来技術のディティールを濃く描写することに注力するものが多いです。
 
 
 で、この野尻抱介氏の「太陽の簒奪者」は、異星文明と人類の接触を描いた、ファーストコンタクト物であり、圧倒的なディティールに拘ったハードSFでもある作品です。にわか中のにわかである私は、日本人作家でこのような作品が存在すること自体、寡聞にして知らなかったです。
 
 
 2006年11月。水星の太陽面通過というアマチュア天文家の一大イベントの日、水星に起きた異常事態に世界中が沸いた。太陽の中に泳ぎだした水星から伸びる一本の筋。その巨大な建造物は明らかに人工のものだった。その後の研究で、それは水星に建造された巨大なマスドライバーから射出される水星の鉱物資源であることが判明する。そしてその鉱物資源は、黄道面上で太陽を取り囲むように形成されていき、そのリング状に構成されたものは、太さを増し続けやがて地球への日照量の急激な低下を引き起こすこととなる。
 
 8億人の犠牲を生んだこのリングを破壊するためのミッションには、一人の日本人女性が参加していた。異星文明との邂逅に焦がれ、水星の太陽面通過時の最初の兆候からずっとリングを追いかけ続けていた白石亜希。彼女を乗せた宇宙戦艦が水星に旅立ち、人類の危機を回避する第一部。そしてビルダーと称された異星文明と白石亜希の真のファーストコンタクトを描く第二部へと続く。
 
 
 あらすじはこんな感じ。ハードSFだけあってそれなりに専門用語も多いのですが、変に用語を羅列して煙に巻いたり、にわか置いてけぼりの内容にはなっていないのが非常に好印象でしたね。細かい内容は分からずともなんとなく想像出来て、割とすんなりと物語の展開についていける文体でした。専門用語を勉強して再読したくもなりますけどね。
 
 
 以下ネタバレ感想となります。

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 村上春樹より世界の終りとハードボイルドワンダーランドです。氏の作品は初めて読みました。この作品はKeyの麻枝氏がすごく影響を受けたらしいですね。本編中では、タイトルの通り、「世界の終わり」と「ハードボイルド・ワンダーランド」という二つの物語が交互に語られていきます。「世界の終わり」の世界観は、かの灰羽連盟のモチーフにもなっているらしいです。
 


以下wikiよりあらすじ引用。
 
 「ハードボイルド・ワンダーランド」は、近未来と思われる世界で暗号を取り扱う「計算士」として活躍する「私」が、自らに仕掛けられた「装置」の謎を捜し求める物語である。半官半民の「計算士」の組織「システム」とそれに敵対する「記号士」組織「ファクトリー」は、暗号の作成と解読の技術を交互に塀立て競争の様に争っている。「計算士」である「私」は、暗号処理の中でも最高度の「シャフリング」を使いこなせる存在であるが、その「シャフリング」システムを用いた仕事の依頼をある老博士から受けたことによって、状況は一変する。
 
 「世界の終り」は、一角獣が生息し「壁」に囲まれた街、「世界の終り」に入ることとなった「僕」が「街」の持つ謎と「街」が生まれた理由を捜し求める物語。外界から隔絶され、「心」を持たないが故に安らかな日々を送る「街」の人々の中で、「影」を引き剥がされるとともに記憶のほとんどを失った「僕」は葛藤する。「僕」は図書館の「夢読み」として働きつつ、「影」の依頼で街の地図を作り、図書館の少女や発電所の管理人などと話をし、街の謎に迫っていく。時間軸的には『ハードボイルド・ワンダーランド』の「私」がシャフリングを行ったのと同時に(すなわち、「私」の思考システムが「第三の思考システム」に切り換わったのと同時に)『世界の終り』のストーリーが始まるものと思われる。
 
 
 なんかあらすじというより、結構内容の考察にまで踏み込んじゃってる感じですが、大体こんな感じの世界観ですね。「世界の終り」の世界観は著名な作品ですし、様々な後続作品に影響を与えている気がしますね。鍵っ子である私はONEの永遠の世界や、CLANNADの幻想世界をイメージしていました。
 
 
 以下ネタバレ感想となりますのでご注意をば。
 

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 さて、いまさらと思われるかも知れませんが、ようやく手を付けました。
2009年を代表するエロゲといってもいい程の評価を与えられている作品、戯画よりBALDR SKYです。
 
 前作・バルドフォースの面白さも知っておきながらプレイが遅れたのは、ひとえに分割商法だったからというの理由ですね。蓋を開けてみれば、フルプライス×2の価値があるぐらい作りこまれた作品だったわけで、いままでプレイしなかったのが悔やまれます。ぶっちゃけDive1とDive2のセット販売を待ってたりもしてたんですけどね。



総評:8点

 
 
 で、このバルドスカイ。世界観は、バルドフォースからそのまま引き継がれている感じで、サイバーパンクなSFですね。AIを人類の友とし、現実世界とは別に広大なネット空間を有している世界。そこでは、人間は電子体と呼ばれる意識をネットに接続した状態で活動する。そしてネット空間では巨大な人型兵器・シュミクラムがあらゆる抗争、戦争の道具とされています。
 
 この手のネタはサブカルとしてはありがちではありますが、バルド世界ならではのシステムや専門用語が多々あって、あまりの情報量の多さに目を回すとともにSF魂に火をつけてくれます。ただし、その世界観故に、というかぶっちゃけナノマシンがなんでもあり過ぎて少し萎えることもあったりするのが玉に瑕です。大怪我を負っても大抵ナノマシンでなんとかなっちゃうので若干悲壮感が不足気味なんですよね。
 
 バルドスカイの世界観と一通りの可能性を示すのが、前編であるDive1。そして、世界の真実に迫り、違う可能性を見出し、結末を迎えるのがDive2。この2作品は単体でも満足出来るレベルの完成度はありますが、シナリオ的には切り離せない関係になっているため、両作品のプレイは必須となります。
 
 
 
 
 システム的には完璧。ひと通りは好みで変更出来、システムボイスやサポートキャラ、壁紙などそれ以外のサービスも色々網羅していました。ただし、Dive1からDive2へデータを引き継いだ際にDive1の既読判定が全てリセットされてしまうのが非情に難点。別に販売されたとはいえ、Dive2のテキストはDive1と共通している部分が多くあります。従ってこの点は結構ストレスに感じましたね。
ただし共通部分が相当量あるといってもDive2オリジナルのテキストがそれを補って余りあるぐらいに多いので、水増し感は薄いですけどね。
 
BGMも良かったですね。特に戦闘中のBGMはテンションあがりまくり。あとはラストバトル中の挿入歌も盛り上がります。前作よりもグレードアップしていると思いました。
 
 
 内容。シナリオの前に、バルドシリーズに欠かせない、アクションパートです。基本システムは過去作品から継承し、それにプラスして思い通りに動かせるように色々なシステムが追加されている感じでしたね。前述した仮想人型兵器・シュミクラムを駆って縦横無尽にフィールドを駆け抜けるのです。これが爽快で面白く、使える武装の数も大幅に増加し、ライトユーザーからやり込む人までみんな楽しめる仕様になっていたと思います。難易度的に少々高めな箇所もありますが、いざとなれば難易度をVery EasyからVery Hardまで自由に変更出来るため、ヌルゲーマーの人でもなんとかなると思われます。
 
 醍醐味としては自分で武装の配置を考えて、オリジナルコンボを作るのがやはり楽しいですね。これの後にこれ繋がるんじゃね?とかこんな使い方があったのか!みたいな自分なりの発見がまた嬉しいものです。また武装は使っていく内に成長し、全く異なる性能になるものもあってRPG的要素があるのも良いですね。
 
 強いて言うなら、新たな武装を開発したり追加機能、プラグインの使用には敵を倒すことで入手出来るフォースを消費しますが、これが不足になりがちなのがちとバランスが悪い気がしました。もったいないと言った方が良いかも知れません。というのも私のプレイスタイル的に、やはり一刻も早く新しい武装を開発してどんどん使ってみたい気持ちが先行して、せっかく色々用意されているプラグインにまで手が伸びなかったんですよね。こちらに手を出したのはシナリオも終盤になってからでした。出来れば武装開発のフォースとは別にプラグイン用の消費ポイントを用意して欲しかったところです。
 
 アクションパートいらないからシナリオだけ読ませてくれって人もいるかも知れませんが、主人公・門倉甲に感情移入するためにも、必要だったと思います。阿南にレインが捕らわれた時や菜ノ葉シナリオでジルベルトにマインドハック仕掛ける時など、本当に急がないと!って気持ちになります。
 
 
 
 
 
 
 
以下、シナリオ感想。ネタバレになりますのでご注意をば。
 

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正直あ、出るんだ、あ、マジで出たんだ的な印象が強かったType-moonの新作ADV・魔法使いの夜。携帯ゲーや外伝に興味無い私からするとホロウから苦節7年。もう7年だよきのこ。嬉しくって楽しくって・・・悲しかったよ。
 
 
 
さて、内容ですが、今作は鬼哭街とかひぐらしなどのように選択肢のない、いわばビジュアルノベルというジャンルになります。シナリオを進めるに連れてサブストーリーを楽しめたりといった、寄り道的なテキストはあるものの基本的には一本道。物語にひたすら没頭したい私にとってはこれは良い点に値するのですが、やはり賛否両論。ルート分岐がないことは全体的なボリューム不足にもつながり、大体15時間程度のシナリオとなっています。(+番外編2~3時間)

 
ただし、そのシナリオを補助する役目であるグラフィック。通常想像するいわゆるギャルゲーエロゲーの紙芝居と比較すると、立ち絵の使い方やら背景やらBGMやらの演出面では他を圧倒するクオリティです。どう表現していいかわかりませんが、ageのAGESすら見劣りしてしまう程のレベルです。あそこまで演出に拘るならもう最初からアニメ作品として作った方がいいんじゃね?って意見もありそうですが、そうじゃない。あくまでもノベルゲームとしてのテンポを保ったまま、どう演出するかを突き詰めた感じ、とでもいいますか。
 
 
 
批判覚悟で断言しますけど、あの演出あってこその魔法使いの夜であり、演出拘らなくていいからボリューム増やしてくれ的な意見には賛同出来ません。多分原本である小説版・魔法使いの夜での遊園地のシーンと本作の同じシーンでは全く印象が異なると思います。文字だけでは表現出来ないものが確実にありました。
 
BGMはクラシックアレンジを始め穏やかな曲が多めでしたが、ここぞという時は盛り上がる曲もあり、音質も上々でType-moon作品では初めてサントラが欲しくなりましたね。FIVEとか最高ね。




総評:8点



以下ネタバレありの感想となりますのでご注意をば。

 

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はい、恒例となりましたマブラヴオルタネイティヴのファンディスクであり続編、クロニクル03の感想です。

内容としてはいつも通り、デイアフターをメインに、オリジナルの短編「再誕」その他を収録しています。
プレイ時間はデイアフター8~10時間、再誕が4時間といったところですか。

グラフィック、演出、音楽等はいつも通りのため割愛。そういえば今回は主人公の響がフルボイスになっていましたね。中々ハマり役だったせいか、なんだか前からボイス付きだったような錯覚をしました。武役の保志氏に少し近い声質で良かったですね。

当たり前ですが続き物ですので前作プレイは必須。相変わらずプレイ時間とコストの問題はありますが、この商法をいつまで続けるのかちょっと疑問に思い始めました。




総評:6点

以下内容感想、ネタバレありですのでご注意をば。


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面白いとの話は聞いていたのですが、なんとなく今まで敬遠していた作品。ちょうど時間的に空いたので崩しました。主人公が女装の男の娘という点が手を出さなかった主な理由だと思われます。2008年の作品ですし、昨今の男の娘ブームの奔りといっても過言ではないのかも知れません。
 
パッと見では学園ドタバタコメディかと思いきや、いわゆる学園モノのように、学校生活が描かれることは少なく、雰囲気は明るいなれど、シリアスで重いシナリオだったりします。この辺りは○。南総里見八犬伝のオマージュ的な要素が強く、呪いを受けたヒロイン達が運命的に集まってくるというお話ですね。
オマージュ元はあらすじ程度しか知らないんですけど。
 
 
女装主人公ということで、既にインパクトがあるのですが、日常会話シーンは中々面白いです。ヒロインズも個性的ですし、主人公の智はウィットに富んだ会話が出来て、多分一番可愛いしw 理屈を捏ねるタイプのテキストですので、そういうのが苦手な人は少し注意かも知れません。
 
 
グラフィック、音楽、システム等は無難なところ。可もなく不可もなく。しかし・・・登場人物の中で主人公のビジュアルが一番正統派メインヒロインってのは・・・中々斬新というか凄いですねw 
 
プレイ時間は、共通5~6時間、各ルート4~6時間といったところでしょうか。
 
 


総評:7点


以下ネタバレシナリオ感想。各シナリオプレイ時の感想となります。
 
 
 
 

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はい、という訳でPSNで総DL数の記録を出したらしい、PS3のダウンロードONLYのゲーム、風ノ旅ビトです。プレイ時間1~2時間程度の小粒ゲーなのですが、価格も1200円と安価に設定されています。
 
で、どういった人にオススメかと言いますと、巷で言われるようにワンダと巨像や、ICOなどの雰囲気を楽しむゲームが好きな人向けですね。個人的にはICOの方が雰囲気が近い気がする。
 
 
 
 
ダウンロードオンリーですし、説明書も何も無いままプレイヤーは、風ノ旅ビト?である赤い布に身を包んだ不思議なキャラクターになって砂漠にポツンとなげだされます。ここから一応操作方法的なものが紹介されますが、使うボタンはアナログスティックと○と☓のみというシンプル仕様。空に舞う赤い布の切れ端の力を使って高くジャンプしたり、橋を作ったりして先に進むのが目的となります。
 
しばらく進んでいると自分にそっくりなキャラクターがいつのまにか姿を現したりします。これは同時にゲームをプレイしているどこかの誰かなのですが、チャットはおろかあいさつすらろくにすることは出来ません。私の場合は、挨拶代わりとばかりに二人で座って瞑想が始まりました。いま思えば彼(彼女?)はトロフィー目当ての人だったのかもしれませんが、私的にはなんか気持ちが通じたようで嬉しかったですね。
 
 
 
グラフィックはアンチャーテッドのようにとても精巧につくられている、といった方向のものではなく、砂漠の中に佇む風化した建築物などがメルヘンな感じで描写されています。なんといったらいいんだろう・・・ポポロクロイス的な感じ、というか。
 
 
このグラフィックと音楽と光の描写がなんとも素敵な感じでシンクロしてまして、特に3面?(滑って進むステージ)の疾走感と逆光に照らされる砂漠の表現は素晴らしいと思いました。そこからの地下へ降りた後の巨大な蛇のような化物も今までとのギャップで中々恐怖を感じました。
 
○ボタンを連打するだけでも曲みたいに演奏されるようになっているんですが、これもその場の雰囲気にあったような音楽になるんですよね。ちょっとRezなんかを思い出しました。
 
山頂を目指して雪山を登る時は、意味はなくともなんとなく○ボタン連打してパートナーと励まし合ってるような雰囲気を楽しめましたねw ICOの終盤のあのシーンでヨルダの方にジャンプする、みたいな感じというか。
 
 
 
 
ゲームの在り方について少し考えさせられた作品ですね。ダウンロード販売ならば、こういった1~2時間の小粒ゲームを出すことも可能なんですよ。例えばこの作品が10時間超えの大作アドベンチャーだったら、ここまでの話題にならなかった気もする。赤い布の力の種類を増やしたり、主人公のアクションを豊富にしたりでいくらでもやりごたえのあるゲームにすることは可能でしょうが、それじゃあこのゲームの本質が変わってしまうと思います。このシンプルなゲーム性を維持してこそ、世界観にじっくりと浸って雰囲気を楽しみながらゲームをプレイ出来る気がするのです。
 
 
ということで、このゲームは神ゲーではなく素敵ゲーです。

 

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SAGA PLANETSよりはつゆきさくらです。
 
雪の降り積もる街。10年前に合併統合された、内田川邊市の学園に通う河野初雪は進学校には珍しい不良学生だった。そんなある日、廃墟となった旧市街区で、ドレスを着た少女・玉樹桜と出会う。そしてその数日後、彼のクラスに転校してくる桜。卒業を間近に控えたこの季節。初雪の言う「復讐」と望みである「卒業」をすることが出来るのか。
 
 
といったあらすじ?ですか。
 
 
プロローグまでが共通ルートで、そこからは各ヒロインに派生する感じですね大体プロローグで5時間程。各ヒロインでさらに5時間ずつって感じでしょうか。
 
BGM、グラフィック、システムと特に当たり障りない感じですが、挿入歌の使い方に少し疑問なところもあります。綾シナリオのバレンタイン際にてアキラと対峙した時とか流す必要あったの?って感じだし。あとメリーゴーランドをぶっ壊せーみたいな竹田が歌うやつはスキップ出来ないのが痛い。一回目はともかくグランドルートのあそこでフルで流されても興が削がれるだけだわ。
 
で、シナリオですが、正直日常会話はあまり面白いと言える部類ではありません。主人公は唐突な下ネタしか言えないし、というかネタにすらなっていない。まあ彼の育った環境鑑みてやさぐれてるのは仕方がないにしても、胸揉むぞだのおっぱいだのいってるだけなのが下ネタとはとてもw クロチャンの太一レベルにぶっ飛んでてかつヒロイン達にぶっ飛ばされるなら良いし、王雀孫のボキャブラリー豊富な変態とかなら面白いといえるのですがねえ・・・普通のセクハラ発言レベルに留まってしまっているのがにんとも。
 
ヒロイン達の言動は雰囲気を楽しくしようと頑張ってる感じは出てますけどね。面白くはないのですが。





総評:6点




 

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高村薫氏デビュー作でもある、推理サスペンス?小説。推理というよりはハードボイルド小説って感じでしたが。

 
銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ! 大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企てた、大胆不敵な金塊強奪計画。 ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは、果たして突破可能か? 変電所が炎に包まれ、制御室は破壊され、世紀の奪取作戦の火蓋が切って落とされた。
 

文庫本カバー裏抜粋。どうでもいいですけど、こういう裏表紙の煽り文とかでも、火蓋が切って落されたとか誤用しちゃってるんですね。
 



ということでこの物語はミッションインポッシブルみたいな感じで、銀行のセキュリティを破って金塊を強奪するという荒唐無稽な難関に挑む、ハードボイルドな男達の生き様を描いた、非常に男臭い小説です。これを書いたのが女性というのだからさらに驚愕。
 
本作のまず特筆すべきところは、まるでその場を見てきたかのように描かれる圧倒的でかつ正確無比なディティールにあります。エレベーターの構造やら、電気配線の様子。共同溝の構成などその道の専門職でないと分からないようなことが事細かに描写されています。
 
犯行計画自体もさることながら、それに至るまでの工作などの準備も緻密で、これなら本当に金塊の奪取が出来るんじゃないかというリアリティがあるんですよね。
 
反面、シーンごとの描写が細かすぎて、話の大筋が捉えづらく、正直読みにくい小説であることは否めません。本を開いて読むぞ!という気持ちの時は面白いのですが、ちょっとした時間に片手間で読んで面白い類の小説ではないです。
 
 
あとはこれは賛否両論なんでしょうが、なぜか急にBL要素が入ってくるという衝撃。作者が男性だったら何も思うこともなく、漢が漢に惚れるという男塾的なアレで済んだのですが、作者が女性であるという先入観からか、ちょっと引いてしまったのはあります。というか氏自身が、同性愛を描いたと公言しちゃってるし。うーん、ここは別に大胆な犯行を共にするかけがえの無い仲間、といった男同士の友情でも良かったんじゃあないかと思ってしまうんですよねえ。
 
同性愛者への偏見とかは無いつもりなのですが、そのケがあったわけでもない、幸田とモモが急に同性愛に目覚めるというのは流石にどうかと思いました。
 
というわけで、全体的に読みにくい小説ながらも、綿密な計画の元、実行に移された時の緊迫感とか、ライブ感は凄いですし面白い小説ではあります。ただ同性愛とかに偏見を持っている方にはちょっとオススメは出来ません。

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フロム・ソフトウェアのロボゲー最新作、アーマードコアⅤです。


 
 


アーマードコアと言えば、フロム・ソフトウェアの代表作でもあり、人気のシリーズなわけですが、私がまともにプレイしていたのは、PS時代の3作品で、PS2以降は流す程度にしかプレイしていませんでした。つまらなくなったわけではないのですが、ただでさえ複雑だった操作がオーバードブーストとかが増えてついていけなくなってしまったのが主な要因だったと思います。恐らく最後にプレイしたのはアーマードコア3辺りだったかと。
 
 
で、アーマードコアⅤ。元々PS3ハードでのアーマードコアに興味はあったのですが、いまさら4をやってもついていけないだろうなあと思っていた矢先に、アーマードコアVは今までと全く操作感が異なり、みんな新規みたいなものだという情報を耳にしました。さらに今回はオンライン要素が充実しているとのこと。
 
PS時代はネットワーク対戦等などはもちろんなく、対戦相手は専ら兄だった私にとっては、アーマードコアで不特定多数に人間と対戦出来るのは夢みたいなことでしたので非常に興味をそそられました。
 
さらに某掲示板で推奨されたAC持ち。これを取り入れることでもはや別ゲーと化した新たなアーマードコアを1から始める気持ちでプレイ出来ると思った私は、久しぶりにアーマードコアの世界に帰ってきたのです。
 
・・・まあ実際のところAC持ちでプレイしている人って殆どいないみたいなことも書かれてて、嬉しいやら悲しいやら複雑な心境ではありましたが、一応AC持ちでまともな操作は出来るようになりました。
 
 
そろそろ本題。
アーマードコアⅤ。発売延期もされ満を持して発売された本作。
 
まず、ACの操作感。これは中々良く出来ています。今までと違って、ブーストで上昇し続けることが出来なく、壁蹴りを多用する必要があったり、通常ブーストはし放題だったりなどかなり操作感は異なるのですが、慣れれば思い通りの動きを出来るようになります。そして自在に操作出来るようになった時のスピード感は素晴らしく、ここまで大幅に操作を変えた割には上手く出来ていたと思います。
 
で、問題部分。
 
まずオフライン要素。
最近のアーマードコア事情を知らない私ですが、PS時代の探索ミッションやアリーナのようなものがなく、非常に淡白な内容。ストーリーミッションは、内容は悪くないものの数が9個と少なすぎる。オーダーミッションは全て5分程度のミニミッションであり、数は豊富なものの内容の変化に乏しく、正直水増しにしか思えない。まあ所長のキャラとかは面白かったですけどね。
 
なんだろう、懐古主義と言われればそれまでですが、自分で所属する企業を選択出来たり、敵ACとの会話とか因縁とかそういうのを期待していた身としては正直肩透かしな内容でしたね。
 
 
パーツバランス。
昔は、正直完全上位互換の部位とかも多く、パーツの数だけ増やせばいいってもんじゃないことは解っていますが、それにしても必要最低限のパーツも揃っていない印象が強いですね。二足以外の足も全てKE,CE,TEにそれぞれ特化したものがあって然るべきだし、私がプレイしていた当時は、400ガトリングやパルスキャノンが強すぎて、重逆ガト、パルキャタンク等が猛威を振るっていました。逆にライフルやプラズマガン、カラサワ以外のレーザーライフル等存在価値が殆どない武器も多く、非常にバランスが悪かった印象です。まあこのあたりはパッチで修正されている可能性はありますけども。
 
 
オンライン要素。
私はぼっチームプレイでしたので、領地戦等は殆どプレイ出来なかったのですが、フリー対戦は中々面白かったですね。アーマードコアでのネット対戦が初体験なのもありますが。8人バトルロイヤルなんかは、常にに四方を警戒しながら戦ったりで、緊迫感が物凄いですし、チーム戦は仲間同士で連携しながら戦う共闘感があって面白いです。あとは巨大兵器との戦いが領地戦関連でした戦えなかったりとかは、残念でしたね。
 
 
 
総評
 
ACの操作感は上々。フリー対戦もなかなか。しかしそれ以外の要素、特にオフライン要素とパーツバランスについては、擁護しようもなく、発売延期までした経緯を考えるとあまり褒められた作品でないと言わざるを得ないです。逆に言えば、一番大事なACの操作は上手く出来ている訳ですから、今後続編が出た場合には良作になる可能性を多いに感じさせた作品とも言えるかも知れません。
 

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というわけで見に行って来ました実写版逆転裁判。率直な感想としては、「意外と面白かった」です。

 
GBA、DSで人気だった裁判をモチーフにした斬新なゲームを実写映画化したものですが、良くも悪くも完全にファン向けに作られている感じでしたね。内容自体は、原作の逆転裁判1の途中を端折って2時間になんとかまとめた感じになります。

 
ネタ自体はほとんどが原作準拠だったわけですが、ゲーム中で自分がムジュンを見つけ出すのと、映画のようにナルホドくんがムジュンを見つけるのでは、印象がかなり違って、正直後者はなんでこんな簡単なことに誰も気付いてないの?とか警察が無能過ぎない?と感じてしまうんですよね。それは原作未プレイの方ならあまりにも幼稚過ぎる、と受け取られてしまいかねないぐらいに。まあ最後のカルマ戦ではその慣れるのもあって大分違和感も薄れてくると思いますが。
 
あと原作との違いに着目すれば、全体的に分り易い笑いだった原作が、映画独特の暗めの色調や、ちょいホラー気味な雰囲気も相まってか、シュールな笑いになっていましたね。オウムのサユリさんのところなんて実写ならではw シリアスな笑いってやつでしょうか。それはそれで私的には良かったのですが、どうせやるならシュールを貫き通して欲しかった。全員がずっこける、みたいな分り易い笑いはいれなくても良かったかなーとも思う次第でした。
 
 
キャスト。ナルホドくんはテンパりかたとか非常に頑張っていたと思います。綾里姉妹が若干老けすぎなのと真宵ちゃんがケバいのと、イトノコ刑事が若すぎるのでもうちょっとムサくして欲しかったところですかね。あとは2時間の構成上、御剣の凄さ、手強さが殆ど発揮されていなかったのは仕方ないのかな。登場人物全員かつらに見えるのはもう気にするな。
 
 
なんだかんだで文句ばかりになってますが、通常有り得ない裁判を実現化するための、3日間で判決を決める序審裁判制が導入されている世界、という設定にしたり、カルマ戦での犯行現場がエレベーターでなく、証拠品置き場に変更されていたりといったところは、映画化する上で時間を節約し、分かりやすくする配慮が為されていて、原作へのリスペクトが感じられてよかったと思います。2時間でよくまとめましたよ、本当に。

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はい、というわけでグリザイアの果実のファンディスク、グリザイアの迷宮です。厳密にいうと続編なのですが、内容は5人のヒロインのアフターシナリオと雄二の過去編がメインとなりますので、普通のファンディスクと内容的には変わりませんね。車輪の向日葵と悠久みたいな感じ。
 
グラフィックやBGM、システムは、前作からそのまま引き継いでいる感じで高クオリティ。各種テーマソングも良いですね。
 


総評:7点

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CLOCKUPよりeuphoria(ユーフォリア)です。
 
 
目を覚ました場所は白い部屋。そこに閉じ込められていたのは、主人公・恵輔と6人のヒロイン達。そこへ突如として「謎の声」が告げる。ゲームの開始。それは主人公が解錠者となり、ヒロインを一人鍵穴として選択し、指令された行為を行わなければならないというゲーム。その理不尽な内容に逆上した一人は、拷問の末、醜い姿を晒して殺されてしまう。従わざるを得ない彼らだったが、恵輔は暗い情動を持つ自らの性癖により、昂奮を覚えていたのだった。
 
 
というのが物語の始まり。はっきりいって内容は、エロ・グロ・スカの三拍子揃ったハードな内容ですので、そちらに体制が無い人は回避推奨。体験版があるのでまずは実際に見てみることを推奨します。私も過去ブラックサイクの作品を途中で断念した経緯がありますので、少し心配ではありましたが、それ以上に「シナリオが良い」という評価の方が興味深かったため、清水の舞台から飛び降りる気分で、プレイ。


グロは個人的にはそれ程酷くはなかったのですが、スカの方が耐性がないのもあってかなりキツかったです。ただスカはともかくそういった凌辱的な要素無くしては表現出来ないシナリオであるのも間違いないため難しいところですよね。こういった18禁であるが故に表現出来るシナリオ、というのは久しぶりにプレイした気がします。・・・コンシューマー化とか絶対無理ですよこれw
 
 
音楽はタイトルのテーマなんかはすごく良いですね。作中で使われるタイミングも良かったし。

キャラデザは少し頭身低めですが、割と無難な感じ・・・かな?流行りの絵柄ではないとは思いますが嫌いではないです。
 
 

総評:7点


以下ネタバレシナリオ感想です。未プレイの方はご注意をば。
本作もまたネタバレ食らってしまうとかなり残念な結果になってしまうタイプ故。

 

拍手

LeafよりWhite Album2です。
 
本作に関しては、先にintoroductry chapterとして主要キャラクターの出会いと別れを描いた作品が発売されており、その後の本編として、closing chapterが発売されました。
 
私個人として、ファンディスクならともかくこういった分割商法は好まないため、introductry chapterをプレイする気にはなれませんでした。しかし、closing chapterを合わせたWhite Album2が各地で絶賛の嵐で流石に私も我慢が出来なくなってしまいましたw
今回introductry chapterとclosing chapterがセット販売されたのもちょうど良かったんですけどね。
 
 
で、内容。2とはいっても前作と関係あるのは森川由綺と緒方理奈の曲が3人の出逢いと思い出の曲になるといったぐらいで、前作をプレイする必要はないと思います。ビンタ合戦とか「ここがあの女のハウスね」とか知ってると感慨深くなったりニヤリとしたりするかも知れません。後者は厳密にはホワバ関係ないですけどw あとは「雨月山の鬼」とか過去Leaf作を知ってたりするとちょっと嬉しかったりします。
 
音楽が前作から引き継がれて重要なテーマの一つとなっていることもあってか、ヴォーカル曲やBGMの作り込みは非常に高レベル。また、立ち絵やイベントCG、背景なども老舗だけあって業界最高峰と言っていいでしょう。
 
演出面では、会話中や地の文の中でも教室内の他の生徒の会話や教師の話が流れていたりするのが結構新しく感じましたね。






総評:9点  (詳細は文末にて)

 
 
 
 
ではシナリオ。基本的には三角関係の顛末を終始描くものになりますので、胃薬を用意してからプレイするのがオススメですw 
 
以下完全ネタバレとなりますので、ご注意をば。私のメモ用に、ストーリー展開を適当に殴り書きしてかなりの長文となっていますので未プレイの方はご遠慮を。
 

拍手

夢枕獏より月に呼ばれて海より如来るです。
 
小説として氏の作品を読むのは初めてなのですが、「陰陽師」「餓狼伝」などでも有名な方ですね。
 
主人公・麻生誠は、ヒマラヤ山系に属するネパールのマチャプチャレの頂きを目指していた。地元住民によって崇敬されているその山は、登山が禁止されていたが、麻生の登山チームは秘密裏に登山を行なっていた。長く続く猛吹雪で足止めされ、同じチームの木島は高山病に掛かり、食料も残り僅か。そんな絶体絶命の状況の最中、ついに木島が息を引き取る。その後追い打ちをかけるように雪崩に襲われるが、奇跡的に助かった麻生は、山頂を目指す。そこで見たのは3メートルを超える巨大なオウムガイの螺旋だった。その後、麻生はオウムガイに興味を持つが、ある時、数秒先の未来を幻視するという現象に見舞われ、それをきっかけに麻生と同様に螺旋に興味を抱く人物達と出会うことになる。
 
といったあらすじ。

 
 


手足の指を失った壮絶な登山の果てに見たのは巨大な螺旋。そこから麻生の生活は一変するわけですね。数秒先の未来を見ることが出来るようになる、というあらすじから、その能力を駆使して自身に降り掛かる様々な問題を解決していく伝奇活劇・・・みたいな展開を予想していたのですが、内容は全くそんなことはなく、麻生はこの力をすぐに失ってしまいます。
 
幻視した未来を変えてみる実験によって、麻生は、万物を超越したような感覚に一瞬だけ触れる。少ないながらも現代まで生き残っているオウムガイと、多大なる繁栄の後に絶滅したアンモナイトの違い。それは各々が持つ螺旋だった。万物の進化には常に螺旋がついて回る。


 
生命とは、進化とは何かということを、氏独自の観点による「螺旋」というテーマで解釈していくちょっと哲学的な小説ですね。読む程に彼の描く世界観に引き込まれ、氏の文章の読み易さも相まって非常に面白く読めた作品・・・なのですが、残念ながら未完結。
 
全3部構成らしいですが、本作「月に呼ばれて~」では、1部と2部のプロローグだけ描かれています。1部の最後で、麻生とある重要人物が邂逅するところで幕を閉じていて、先がすごく気になるのですがいつ読めるのかしらん。
 
アニメ・天元突破グレンラガンでも、「螺旋」と「進化」が重要なテーマになっていましたが、本作や、夢枕獏氏の螺旋をテーマにした別作品「上弦の月を食らう獅子」が一部モチーフになっているとか。私も本作読んでいる時に真っ先に思い出したのがグレンラガンでしたねw
 
上弦の月を食らう獅子もそのうち読んでみたいなあ。

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